暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

マリメッコの茶の湯空間

2018年02月28日 | 暮らし





2月27日に、すっかり重くなった腰を上げて「marimekko SPIRIT -マリメッコの暮らしぶり」という展覧会へ行ってきました。

重い腰を上げたのは、会期が2月28日までだったこと、
もう一つは硬直しがちな頭にドカン!と風穴を開けるような刺激が欲しかった・・・のです。

開催場所は東西線・東陽町にある竹中工務店1Fのギャラリーエークワッドです。
我が家のお茶サロンにいらしたなほさんが情報提供してくださったおかげで、とても良い経験ができました。

マリメッコはフィンランドを代表するブランドだそうですが、昨年まで私は無縁でした。
昨年6月にOさんに逢いにスウェーデンを訪れた帰りのこと、ヘルシンキの空港でマリメッコのティポットとナプキンを買ったのがご縁の始まりでした。
両方とも茶事で使って、秘かに茶の湯との相性の良さを楽しんでいました。
・・・そんなわけで、どんなマリメッコ仕様の茶の湯空間が創造されているのか、興味津々だったのです。

エントランスを入ると、フィンランドらしいサウナ小屋があり、
「履物を脱いで上がってください」とあります。
草履を脱いでサウナのベンチに座ると、窓から対岸の茶室、その間を露地(日本庭園)が作られています。


   サウナ小屋へいざなう踏み石


   本格的なサウナ小屋


   ベンチに腰かけると、露地(日本庭園)の向こうに茶室が見えました

どうやら日本の茶の湯の文化とフィンランドのサウナの文化(ライフスタイル)が出会い、対話し、融合し、新たなハーモニーを生み出す、そんなコンセプトのようです。
色鮮やかなテキスタイルと盆石上の映像が四季の移ろい、冬の後に目覚める自然、暑い夏の日差し、秋の豊かな色彩から冬の静けさまで描き出しています。
盆石上の映像のアイディアが素晴らしく、刻々と変化するフィンランドや日本の四季の美しさやmarimekko SPIRITを表現していました。








「文化と文化の出会い」に書かれた次の文章を読み、Oさんのサマーハウスのサウナ小屋を懐かしく思い出しながらサウナについて興味を新たにしました。

   文化と文化の出会い    
             マリメッコデザイナー サミ・ルオッツァライネン

マリメッコ・スピリッツ-マリメッコの暮らしぶりは-日本庭園を通じて、訪れる人をフィンランドのサウナへ、更に茶室へといざないます。
・・・・中略・・・
フィンランドの文化の一部としてのサウナの意味はとても大きく、茶室や茶道が日本文化と日本人にとって大切であることと少し似ています。
サウナは家族や友人たちと共に安らげる、肉体と精神を健全に保つ源-心を落ち着かせ、体を清め、他者を尊重するための場なのです。サウナは平等な場で、サウナのベンチに座っている人は全員に同じ価値があり、同等です。
フィンランド人にとってサウナは贅沢なものではなく、普段の日常の一部であり豊かな暮しの一部です・・・・(後略)


それでは茶室へ御一緒しましょう。


      斬新でインパクトのある茶室の外壁


      躙り口から席入りすると・・・


      床の掛物と花


      点前座の茶道具


      釜はガラスのフラワーベース(?)、白木の炉縁が素敵です。


      展示されていた薄茶道具一式


      「真理庵」と書かれた扁額と壁のテキスタイルが融和して・・・

  会期 2017年12月15日(金)~2018年2月28日(水)
  会場 ギャラリーエークワッド(東京都江東区新砂1-1-1)  入場無料