暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

暁庵の茶道教室の初釜 in 2018・・・(1)

2018年01月24日 | 暁庵の裏千家茶道教室

 (失敗して初釜の写真が1枚もありません・・・ 去年のを使いました)


2018年1月20日(土)は暁庵の裏千家茶道教室の3回目の初釜でした。

茶席は横浜市中区の茶席「K」です。
せっかくの機会なので茶事形式でお役を適宜交代し、全員にお点前をして頂きました。

初座の亭主はKさん、初座の正客はN氏、次客KEさん、三客Fさん、四客Hさん、五客Tさん、詰Uさんです。
次客KEさんは五葉会のメンバー、社中Tさんが急用のため欠席となり、急遽参席してくださり感謝です。
Fさん社中のHさんとTさんが初めて参加し、ぐっと平均年齢が下がったかしら。
中立で亭主交代し、後座の亭主はFさん、三客はUさん、詰がKさんに代わりました。
そんなわけで、暁庵が半東&水屋を務めました。

席入は11時です。
10時20分頃に着くと、皆さま、素敵な御着物でいらしてくださり、お正月らしい華やかな雰囲気が漂っています。
特筆すべきはN氏でしょうか、黒無地・染抜き五つ紋の着物に縞の袴(幻の仙台平らしい)姿がよくお似合いです。
座がきりっと引き締まり、初釜の正客にふさわしい装いです。
我が晴れ着ですが、昨年と同じ地紋のある藤色に扇面流水模様の色留袖、紺地に梅と尾長鳥を刺繍した袋帯を締めました。
着物は母の形見、帯はN先生から頂戴した大切なものです(何を着たか、書いておかないとすぐ忘れるので、お付き合いください)。

さて、茶席「K」の水屋ですが、下火が奥から運ばれ、ふんわりと美しく調えられた炉灰の上に熾った菊炭を置くと、シアワセ感がじんわり・・・。
釜がとても素敵でした。どっしりと大きく優雅な釜は芦屋釜の写しでしょうか。
あとで伺うと高橋敬典造とのこと。松の地紋、鬼面の鐶付、梅の摘み、味わいのある蓋、何度も魅入ってしまいます。

          

詰Uさんが板木を打つ音が心地好く響き、さぁ!初釜の茶事のスタートです。
梅干と結び昆布の入った福茶をお出しし、腰掛へご案内しました。
やがて、水桶を持って亭主Kさんが迎え付けに出ました。
頃合いをはかり準備していた濡れ釜を掛けます。

席入り後の挨拶では暁庵と亭主Kさんが一緒に入り、新年のご挨拶を交わしました。
お一人ずつ、新年の抱負や思うところを話して頂きましたが、健康のこと、お茶のこと、仕事とのバランス、心構えや目標など・・・伺っていると、人それぞれいろいろな思いや課題を抱えながらお茶の道を歩み、生きているのだなぁ~と。
私は、お茶との出逢いからいろいろなご縁を頂戴し、それをつくづく幸せに思っていること、
そして皆さまもお茶のご縁を大切にし、大きく育てていってほしい・・・そんなことをお話ししました。

          

待合の掛物は「笑門来福」の色紙、
床の掛物は「彩鳳舞丹しょう」、華厳宗東大寺・清水公照師筆です。
清水公照師の御筆は、五色の羽を輝かせて鳳凰が澄み切った大空を舞っているかのような・・・個性的な味わいのある書で、広い宇宙へ誘っているようでした。
天下泰平の世に現われるという鳳凰、厳しい世界情勢を考えると鳳凰が世界中の大空で飛びかう日が来ることを心から願わずにはいられません。

          

点前座には、宗旦好みの青漆爪紅及台子(せいしつ つまぐれ きゅうだいす)に青交趾七宝つなぎの皆具。
及台子の天板中央に大棗(住吉蒔絵、正春造)、左側に羽根と香合を荘りました。

初炭になり、懐石、中立まで亭主Kさんが大奮闘でした。
香合は高砂蒔絵のある溜塗「ぶりぶり香合」、香は坐忘斎お好みの「松涛」(松栄堂)です。

席に入れば、もうすべて亭主におまかせで、水屋で心配していてもどうにもならないのですが、一番心配していたのは懐石の時の挨拶でした・・・でもすぐに心配するのをやめました。
「一夜漬けです」とKさんは言っていましたが、なかなか堂々とした亭主ぶりが嬉しく大拍手です。
茶事の亭主役、懐石の給仕も初めてでしたが、多少の失敗があってもこれも勉強と思っていただければ・・・と。

縁高を運びだし、いよいよ中立です。


        暁庵の茶道教室の初釜 in 2018・・・(2)へつづく


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