暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

許状式(上級の引次)を終えて・・・

2016年07月04日 | 暁庵の裏千家茶道教室




梅雨の最中ですが、6月29日(水曜、大安)は暁庵の茶道教室の許状式でした。
昨年8月の入門以来、熱心に通ってくださったYさんが上級(引次、行之行台子、大円草)の許状を拝受しました。
誠におめでとうございます!!

前回の許状式と同様、なるべく社中の方にも参席して頂いて、皆でYさんの許状式をお祝いしたいと思いました。


我が家の木槿(日ノ丸)が咲きだしました

午前中に台子の初炭手前と薄茶点前を稽古して頂き、許状式は14時からです。
立会人はOさん、Kさん、Fさんの3人、待合からFさん(詰)が打つ板木の音が聞こえてきました。
氷入りの梅ジュースを運ぶと、汲み出しと氷が涼やかな音を奏で、蒸し暑さの中にほっとする一瞬です。
雨が続いたので外の蹲踞はあきらめ、玄関先の仮の蹲踞で心身を浄めて頂き、Yさん、Oさん、Kさん、Fさんの順に席入です。



床の軸は、利休居士の画像(土佐光孚(とさみつたか)画)と鵬雲斎御家元(現・大宗匠)の賛があり、
   今日親聞獅子吼  
   他時定作鳳凰兒       宗室(花押)


読み下しは、
   今日親シク獅子吼(ししく)ヲ聞ク
   他時定メテ鳳凰ノ兒(ほうおうのこ)ト作(な)ル


前回と同じようなお軸の話をしたのちに、坐忘斎御家元に代り、不肖暁庵が許状を読み上げ、Yさんにお渡ししました。
Yさんから御心こもるお礼の挨拶を頂戴し、これからの更なる精進が楽しみでもあります。
3人の立会人からもお祝いの挨拶があり、Yさんもきっと心に期すものがあったことでしょう。


            
次に、暁庵が行之行台子を引次しました。
1週間前から稽古していたので、何とか身体がスムースに動くことができ、ほっとしています。
・・・それに何かを、点前手続きだけでない、言葉にならない何かを伝えたい・・・と思いました。

「許状式は初めてで、短い来日中にこのような貴重な経験ができて好かったです」
「お稽古で注意されていたことはこういうことだったのか・・・と有難く思いました」
「先生のお点前を拝見してとても感動しました。これからの目標が出来ました」
という言葉が素直に嬉しく、何かが伝わったようです・・・ 


Yさんから頂いた「感謝」・・(こちらこそありがとう!) 


菓子は、紫陽花(きんとん、暁庵製)、おちこち(竿物、両口屋是清)、沢の翠(竿物、両口屋是清)、蒟蒻のピリ辛煮、さくらんぼ(佐藤錦)の5種を縁高でお出しし、濃茶は寿の昔(奥西緑芳園)でした。

待合(椅子席)へ席を移し、吸い物・八寸でお祝いの一献、賑やかに笑顔があふれ、愉しいひと時です。
早や、Yさんの帰る時刻が近づいてきました。
Fさんの台子薄茶点前で薄茶を喫んで頂き、遠くへ帰るYさんを見送りました。
                                 

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