「あかつき席」に続いて、「むらさき席」のお客様について書いておきます。
お正客はお茶の先輩であり、茶友のNさまです。
Nさまが数年前に古希茶会をなさったことを伺って、私も・・・と良い刺激を受け、茶会の相談にも乗って頂きました。
次客Yさまと三客Hさま、茶事、茶会、七事式など茶の道を励まし合いながら歩んでいる茶友です。
四客Tさまは数少ないお茶のボーイフレンドT氏の母上様、多忙なT氏に代り淡路島から馳せ参じてくださり、もう感激!しました。
続いて、京都からSさまとYさま、2年半灑雪庵で奥伝の稽古を共に励んだ、得難い茶友です。
京都での約束通りむらさき茶会へお招きでき、万難を排して参席してくださって有難う・・・。
Yさま、Tさま、Fさま、詰のSさまは、京都滞在中S先生の稽古場で共に学んだ茶友です。
いつも稽古帰りに喫茶店での茶談義が楽しく、有意義でいろいろ教えて頂きました。
灑雪庵の茶会や茶事、六甲山のドライブなど、思い出のページが頭をよぎっていきました。
一番遠方の山口県柳井市からお出ましのOさまとNさまは師弟関係、
Oさまの遠方支援で横浜のNさまと知り合うことができ、交友が始まりました。
思えば、不思議なご縁に導かれた三人の出合、今後のお付き合いの発展が楽しみになりました。
いよいよ濃茶です。
茶道口に座って茶碗を前へ置いて心を静めます。
実は、この時の何とも言えない緊張感が大好き・・・なのです。
半東Kさんから渡された黒楽茶碗があたたかく、エールのようにも母の温もりのようにも思えました。
お客さまやスタッフに背中を押されて点前座へ進み、姿勢を正し、いつも通りの点前を心がけたつもりですが、
茶筅通しの手が震え、茶杓がうまく乗りません。
それでも、美味しい濃茶を差し上げたい一心で濃茶を練りました。
「大変美味しゅうございます」
お正客さまの言葉にほっとし、続いて二服目をお点てしました。
三碗と四碗は水屋から運び出し、お客様の方を向いて濃茶や茶碗のお話をしました。
濃茶は慶知の昔、小山園詰です。
一碗目は、縁あって私の手元にやってきた一入造の黒楽茶碗、
藪内流7代桂陰斎の銘にて「不老門」、十五代・楽吉左衛門の極めがあります。
二碗目は、高麗三島暦手のいびつな茶碗、愛称を「伊備津比女」と申します。
三碗目の赤楽茶碗は、佐渡無明異焼の渡辺陶生造、愛称「玉三郎」です。
四碗目は、揖保川焼の池川みどり造の茶碗で繊細な金継が美しいお気に入りです。
金継の風情から愛称「女郎花」と名付けました。
どの茶碗も「よくぞ私の処へ来てくれた」と思う宝物、入手のエピソードや愛称の謂れなどをお話ししました。
黒楽茶碗 「不老門」
特に一入造の黒楽茶碗「不老門」、
「中国に不老門という門があり、その門をくぐると老いることがない」そうですが、
私一人で「不老門」をくぐってもちっとも嬉しくも楽しくもありません。
願わくは、むらさき茶会参加の皆様とご一緒に「不老門」をくぐり、楽しく過ごしましょう!とお誘いしました。
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