暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

法金剛院の蓮

2014年07月29日 | 京暮らし 日常編

7月18日の朝、祇園祭にいらしたMさん、Tさんと4人で
JR花園駅近くの法金剛院へ寄りました。
法金剛院は蓮の名所で、以前から気になっていた寺院です。
7月12日~8月3日まで早朝7時から観蓮会が行われています。

            
               待賢門院が建立した法金剛院

鳥羽天皇の中宮・待賢門院璋子(康和三年(1101)-久安元年(1145))が
平安時代初めからあった寺を中興し、大治5年(1130)、
都の西方に極楽浄土を求めて壮麗な伽藍を建て、法金剛院と号しました。

最盛期には九体阿弥陀堂、丈六阿弥陀堂、待賢門院の御所が立ち並んでいたそうです。
度重なる災害により、当時の面影はありませんが、
平安末期の浄土式庭園の遺構が1968年に発掘され、復元されています。

回遊式浄土庭園の池には蓮が高く生い茂り、白い蓮が見ごろでした。

いろいろな蓮(約90品種)があるようですが、私には二種しかわかりません。
純白の白と可憐なピンクと。

ピンクもあるのですが、白が多く、早朝の清々しい気配の中、
白蓮の気高い美しさが心に残りました。

横浜・三溪園の早朝観蓮会を懐かしく思い出しましたが、
三溪園はピンクが多かったので、池一面の白い蓮が珍しく、嬉しいです・・・。


  

            


待賢門院に仕え、中宮と共に落飾した待賢門院堀河の歌碑が庭にありました。
百人一首に選ばれている次の歌です。

   なかゝらむ心もしらす黒髪の
       乱てけさは物をこそおもへ    待賢門院堀河


            

            

本堂へ上がると、広々とした畳敷きの空間で、風が通り抜けていきました。
大の字になって昼寝をしたらさぞや・・・と思ったら、貼り紙が・・・。
「昼寝をしないでください」

本堂の裏の仏殿へ廻り、大きな阿弥陀如来さま、美しい十一面観音さま、
衆生を救ってくださる地蔵菩薩さまを拝観しました。
どの仏さまも私たちを極楽浄土へ導いてくださる、慈悲の心に溢れ、
朝夕、祈りを捧げたであろう、待賢門院璋子の晩年をふと想いました。

さぁ~、これから保津川下りへ出かけます。