暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

鎌倉円覚寺  四ツ頭之式 (3)

2010年10月09日 | 茶道楽
食事の後に茶菓がでました。
四人の給仕が、四人の頭へ菓子と台にのった天目茶碗(抹茶入り)を
運んだ後、他の和尚様へは黒縁高に入った菓子を角盆に、
次いで台にのった天目茶碗を円盆にのせて運び出しました。

湯を入れた浄瓶(じんびん)で茶碗へ湯を注ぎます。
客は茶碗と天目台を高くかかげ、茶碗をしっかり押さえます。
給仕は立ったまま浄瓶を右脇へ抱え、茶筅を上から茶碗を目指して下ろし、
片手で茶筅を振って茶を点てました。

11時50分頃に32名の和尚様の席入から始められた
「四ツ頭」之式ですが、席入、会食、茶菓を頂き、全てが下げられ、
退席するまで、たった1時間でした。
古式にのっとり整然と合理的に進行し、見ごたえがありました。

             
                 
その後、参列者は別室にて斎座と同じお膳で昼食を頂きました。
献立は、
 ご飯、汁(豆腐、麩、ほうれん草、味噌)
 向付(菊菜、きのこ、人参、柚子、酢の物)
 小鉢(切干大根、人参、シイタケ、油揚げ、煮物)
 皿(豆腐、麩、昆布巻など4種、栗)
 煮物椀(湯葉)
 小鉢(胡麻豆腐)
 香の物(タクアン二切)

関東風のしっかりしたお味の精進料理で、全部美味しく頂きました。
お坊様の給仕で湯斗やほうじ茶が出されたのですが、
客二人が同時に椀をだす、「充分です」という合図、タクアンで器を清めるなど、
早速「四ツ頭之式」の作法をみんな応用しました。

赤、白、緑の饅頭を頂き、抹茶が配られました。
小振りのこげ茶色の天目茶碗に抹茶の緑が美しく映えています。
四ツ頭之式のような立礼の点茶ではなかったのですが、
美味しく点てられていて、茶銘をお尋ねしたいほどでした。

              

それから、コスモス、芙蓉が美しい東慶寺へ行きました。
水月観音を拝観しながら御住職から「未敷(みふ)の蓮華」の法話を伺いました。

とても充実した爽やかな秋の一日でした。 合掌。

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                             ときどき 
   
   写真は上から、 「円覚寺山門へ」
             「四ツ頭之式と同じ膳です」
             「コスモス・・・東慶寺にて」