暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

夏期講習会  誕生日

2010年09月07日 | 稽古忘備録
夏期講習会二日目の8月29日は誕生日でした・・・。

8時より座禅会があり、何十年ぶりでしょうか。
座布団を挟んだのでしびれも無く、肩の力を抜いて腹式呼吸を心掛けてみると、
座禅は思いがけず、とても気持ちの良いものでした。
警策(きょうさく)で2回背中を叩いて頂き、心が洗われるような朝の一時です。

その日は、裏千家今日庵の鑓(やり)の間にて小習の稽古でした。
初めての経験ですのでとても嬉しく、胸が高鳴りました
中庭に水が撒かれ、涼しい一陣の風が吹き抜けていきます。

ご指導は安部先生でした。
盆香合では正客をさせて頂き、茶入荘、茶碗荘と続きます。
四番目に長緒を見て頂き、柄杓や長緒の扱いなど丁寧にお教え頂きました。

「茶碗は弘入作、圓能斎のご銘で「佳日(かじつ)」でございます。
 今日は私の誕生日でございまして「佳き日」という茶碗にいたしました」
「それはそれは・・おめでとうございます・・・」

鑓の間での一期一会の稽古は一生の思い出となり、感激しました。
最後に阿部先生にご挨拶した時、思わずじんと目が潤みました。
偶然ですが、鑓の間の水屋で恩師のご子息にお世話になり、
これも嬉しいお出会いでした。

               

午後は心花の間・次の間で、G先生にご指導頂きました。
小習も順調に進み、八番目でしたので貴人点薄茶点前に続いて
私は入子点を見て頂きました。
更好棚に水指は胆礬(たんぱん)のある黄瀬戸です。
先生から胆礬や飛び青磁など鉄釉のある焼物のお話を
興味深く伺いながら点前をしました。

「暁というお名前ですが・・・?」
「暁の茶事の刻限に生まれたそうで、
 お茶に縁のある名前と喜んでおります」
「刻々と周囲の色が美しく変わる時ですね」
・・その後、面白い(?)会話があるのですが、ナイショです・・。

和やかにお話がはずんだのですが、最後に茶碗を拭いてから茶巾を絞り、
畳みかえするのを忘れ、茶碗と棗を棚に荘る時に気がつきました。
・・まだまだ駄目ですね・・・。

猛暑の中、暑さを少し忘れながら、充実した一日(誕生日)でした。
いろいろなご縁に心より感謝いたします。


       (夏期講習会 前へ)
                        ずっーと  でした