4日間の夏期講習会を終えて京都から無事戻りました。
密かに心配してくださった方も多いのでは・・・と思います。
文章にするのはとても難しく、うんうん唸りながら書きました。
京都も連日、最高気温が37℃という記録的な猛暑でした。
夏期と冬期講習会は一番寒暖が厳しい時期に心身の練成のために行われ、
宗家で行われる多くの講習会の中でも伝統のある重要な講習会だそうです。
「その道に入らんと思う心こそ 我が身ながらの師匠なりけり」を
お家元は引用されて
「夏期講習会にあなた方は自分の意志で参加したのですから、
その気持ちを大切に真摯に学んで欲しい・・
それからハッとするようなお出会いの瞬間を大切にしてください」
(・・お家元様、不十分なことで申し訳ありません・・)
というようなお話があり、自らの意志を再確認するとともに
未知の世界へ飛び込む不安と期待でいっぱいになりました。
お話を伺いながら
なぜか四国遍路の折、一番札所霊山寺本堂に掲げられていた
釈迦と空海(弘法大師)のお言葉を思い出していました。
「己こそ己の依るべ 己を捨てて何処に依るべぞ
よく整えられし己にこそ 誠 得難き依るべをぞ 得ん」 釈迦
「仏法遥かに非ず 心中にして近し
真如他に非ず 身を捨て何処に求めん」 空海
第一日目は割稽古と基本点前です。
割稽古では歩き方をご指導頂きましたが、とても難しかったです。
宗家の畳は特別に目が詰まっているそうで、業躰先生が歩くと
「シャラン、シャラ、シャラ・・・」と金属音のような美しい響きがします。
何度もやり直しましたが、金属音どころか汗で裾がからまって
足が思うように運べません。
「足が前に出ない時は少し前かがみにして押し出しなさい。
後ろに反り気味だと歩幅が狭くなります」
基本点前は1番で初炭手前を見て頂きました。
裏千家学園でしたので冷房設備がありましたが、
手に汗びっしょりで袱紗がいつものように捌けません。
炭斗を持つ手、帠紗捌き、羽箒の掃き方、炭の継ぎ方などたくさんご指導頂きました。
昼食はたん熊の懐石弁当で冷房のある広間でゆっくり美味しくいただきました。
日替わりで京都の一流料亭のお弁当が用意され、お心遣い頂きました。
それから、冷たい麦茶も稽古場に用意されています。
午後は茶道会館の心花の間で薄茶平点前をご指導いただきました。
特に位置の決定について厳しくご指摘いただき、有難かったです。
・・・しっ、しかし、暑かったです。
午後になると初日の緊張の疲れもあり、意識が朦朧としてきました。
点前中に熱中症で倒れては・・と、用意された冷たい麦茶を飲むのですが、
飲むとその後が大変で、点前座に座ると汗が一気に噴出してきます。
それでも涼しい顔(本人はそのつもりでも汗が目に沁みます)で 点前に臨みました。
暑さと流れる汗が気にならなくなるには時間がかかりました。
三日目に入ってやっと「心頭滅却すれば火もまた涼し・・」の心境になり、
業躰先生の元、一心不乱に稽古に励む夏期講習会の意義が
実感としてわかりかけてきたのでした。
「一番気候が厳しい夏期または冬期でなくては駄目なのです。
その他の季節だと気持ちが他へ散ってしまいますから・・」
業躰先生のお言葉の数々を今懐かしく、
充実した稽古とともに鮮明に思い出しています。
(夏期講習会 前へ) (次へ)
ずっーと でした
密かに心配してくださった方も多いのでは・・・と思います。
文章にするのはとても難しく、うんうん唸りながら書きました。
京都も連日、最高気温が37℃という記録的な猛暑でした。
夏期と冬期講習会は一番寒暖が厳しい時期に心身の練成のために行われ、
宗家で行われる多くの講習会の中でも伝統のある重要な講習会だそうです。
「その道に入らんと思う心こそ 我が身ながらの師匠なりけり」を
お家元は引用されて
「夏期講習会にあなた方は自分の意志で参加したのですから、
その気持ちを大切に真摯に学んで欲しい・・
それからハッとするようなお出会いの瞬間を大切にしてください」
(・・お家元様、不十分なことで申し訳ありません・・)
というようなお話があり、自らの意志を再確認するとともに
未知の世界へ飛び込む不安と期待でいっぱいになりました。
お話を伺いながら
なぜか四国遍路の折、一番札所霊山寺本堂に掲げられていた
釈迦と空海(弘法大師)のお言葉を思い出していました。
「己こそ己の依るべ 己を捨てて何処に依るべぞ
よく整えられし己にこそ 誠 得難き依るべをぞ 得ん」 釈迦
「仏法遥かに非ず 心中にして近し
真如他に非ず 身を捨て何処に求めん」 空海
第一日目は割稽古と基本点前です。
割稽古では歩き方をご指導頂きましたが、とても難しかったです。
宗家の畳は特別に目が詰まっているそうで、業躰先生が歩くと
「シャラン、シャラ、シャラ・・・」と金属音のような美しい響きがします。
何度もやり直しましたが、金属音どころか汗で裾がからまって
足が思うように運べません。
「足が前に出ない時は少し前かがみにして押し出しなさい。
後ろに反り気味だと歩幅が狭くなります」
基本点前は1番で初炭手前を見て頂きました。
裏千家学園でしたので冷房設備がありましたが、
手に汗びっしょりで袱紗がいつものように捌けません。
炭斗を持つ手、帠紗捌き、羽箒の掃き方、炭の継ぎ方などたくさんご指導頂きました。
昼食はたん熊の懐石弁当で冷房のある広間でゆっくり美味しくいただきました。
日替わりで京都の一流料亭のお弁当が用意され、お心遣い頂きました。
それから、冷たい麦茶も稽古場に用意されています。
午後は茶道会館の心花の間で薄茶平点前をご指導いただきました。
特に位置の決定について厳しくご指摘いただき、有難かったです。
・・・しっ、しかし、暑かったです。
午後になると初日の緊張の疲れもあり、意識が朦朧としてきました。
点前中に熱中症で倒れては・・と、用意された冷たい麦茶を飲むのですが、
飲むとその後が大変で、点前座に座ると汗が一気に噴出してきます。
それでも涼しい顔(本人はそのつもりでも汗が目に沁みます)で 点前に臨みました。
暑さと流れる汗が気にならなくなるには時間がかかりました。
三日目に入ってやっと「心頭滅却すれば火もまた涼し・・」の心境になり、
業躰先生の元、一心不乱に稽古に励む夏期講習会の意義が
実感としてわかりかけてきたのでした。
「一番気候が厳しい夏期または冬期でなくては駄目なのです。
その他の季節だと気持ちが他へ散ってしまいますから・・」
業躰先生のお言葉の数々を今懐かしく、
充実した稽古とともに鮮明に思い出しています。
(夏期講習会 前へ) (次へ)
ずっーと でした