鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

みんなの党の渡辺喜美代表よ、1億円もする熊手があるものか、そのセンスを疑いたい

2014-03-28 | Weblog
 みんなの党の渡辺喜美代表が化粧品会社ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長から8億円を借りていた問題で27日、会見に応じ、「選挙資金ではなくあくまでも個人的にかりたものだ」と釈明し、「猪瀬前東京都知事と違い、すべて銀行口座を通じて行っており、やましい点はない」と疑惑を全面否定した。が、8億円ものカネを一体何に使ったのかについての説明はほとんどなく、疑惑は晴れていない。渡辺代表は次期安倍内閣の改造で大臣に起用されるなどのうわさもあるでけに安倍政権にとっての影響は避けられないだろう。
 事の発端は2日前に発売となった週間新潮にDHCの吉田会長の手記が発表されたからで、丸1日経ってからの釈明会見だったわけで、日頃公務員制度改革や行政改革に熱心に取り組んできた渡辺代表から一体どんな説明があるか、とかけつけた報道陣に対して、通り一辺の説明に終始し、見事に期待外れに終わった。8億円の借金があることは認めたものの、すべて個人的な使用として借りたものだ、と言い張った。しかし、8億円ものカネをどう個人的に使うのか、だれしも疑問に思うのは避けられないところだろう。
 8億円ものカネの使い道について問われ、答えに窮したのか、渡辺代表は「酉の市で買う熊手のようなものに使った」と答えたが、数万円ならともかく億にものぼるカネを熊手に使うものなのか、代表のセンスを疑いたくなってくる。
 貸した吉田会長も個人的なカネとして8億円もの融資に応じたのか、そんなうそはすぐにばれるに決まっている。借りた時期も4年前の参院選前や2年前の衆院選だったことを思い合わせると、渡辺代表の言い逃れにすぎないことは一目瞭然である。
 渡辺代表は今回の件については党の倫理委員会にすべての調査を委ねるようなことを言っているが、ことはみんなの党だけでは終わらない。渡辺代表自身が国会の政治倫理審査会などしかるべきところに出向き、一国会議員としての説明責任を果たすことからまず始めるべきだろう。渡辺代表はこれまで終始、行政改革に取り組み清廉なイメージでみんなの党を立ち上げ、それなりの党に仕立ててきたのに、実はおカネにクリーンではないことは暴露したことになり、渡辺代表個人のみならずみんなの党にも致命的な打撃を与えようとしている。
 昨年末の特定秘密保護法案の審議過程において、渡辺代表は終盤に安倍首相と直談判して、法案の修正協議に入り、法案成立の後押しをし、それまで与党に対して反対の立場をとっていたのににわかに政権にすり寄るような姿勢を見せていた。だから一部では次期安倍内閣の改造では大臣になるとの声すら出ていた。こうした代表の姿勢に対して、みんなの党の設立時のスタンスからかけ離れているとして、結いの党が結成されたわけである。
冷静に考えて、自民党を割って出て、たった1人で新党、みんなの党を立ち上げ、わずか4年そこそこで野党のなかでもそれなりの位置を占めるにまで成長させた手腕は並み大抵のものではないことだろう。新党立ち上げにあたっては人には言えない苦労なり、時には法律すれすれのことすら行われたことは想像に難くない。DHCの吉田会長との間で取り交わされた他人には言えないような約束もあっただろうし、吉田氏から借りたおカネの使い道でも黒いようなものもあったかもしれない。
 渡辺代表として吉田氏がこんなに早く公表するとは思いもしなかったことだろうし、2人の間に一体何があって、こんな事態に至ったのかもわからない。先月、黒子の大学教授に作曲を依頼していたとして記者会見に応じた佐村河内守さんみたいにどこかで真相を明らかにすることも考えられるが、政治家としての死命がかっているだけにしばらく右往左往することになりそうだ。
 いずれにしろ、クリーンなイメージで売ってきた渡辺代表が実は並みの一政治家に過ぎなかったことは今回の事件は語っており、いかなる結果となろうとももはやみんなの党は崩壊に至るしかないことだろう。
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