秋の彼岸の入りである。
彼岸と言えば春と秋にあり、
普通に『彼岸』と表記した場合は春の彼岸をさすというのが季語の世界で、
秋の彼岸の場合は「秋彼岸」とか「後(のち)の彼岸」と表される。
梨腹も牡丹餅腹も彼岸かな 正岡子規
さびしさは秋の彼岸のみづすまし 飯田龍太
彼岸と言えばこの時期に決まったように咲き始める「彼岸花」。
秋に花を咲かせ、花が終わってから葉を出して冬を越し、
春には枯れてしまうと言う変わった花だが、
やはり特徴的なのは遠くからでもそれとわかる真紅の美しい花である。
彼岸花は曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも言われ、
梵語の「曼珠沙華(マンジュサカ)」は「天上に咲く赤い花」という意味がある。
「マンジュシャカ」といえば、
阿木燿子が作詞し、山口百恵が歌った「曼珠沙華」
と言う曲目では「まんじゅーしゃかー」と唄っていたのである。
歌詞の内容的には「女の情念」のようなものを歌っていて、
吉岡治作詞、石川さゆり歌の「天城越え」を髣髴とされる歌詞なのである。
この記事に使われている写真はすべて昨年10月1日に撮ったものだが、
昨年は「猛暑」と言うこともあって開花がやや遅れ気味だった。
今年も少しは遅れるのかもしれないと思っていたが、
今日の通院途中、武蔵野線車窓から草叢の中に赤い花を発見した。
この時期に草叢に咲く赤い花と言えば「曼珠沙華」しかない。
曼珠沙華抱くほどとれど母恋し 中村汀女
今週は田舎に帰り両親の墓参りをする予定ですが、
母が元気だった頃は連休と言えば外国に遊びに行っていて、
なくなってから毎年欠かさず彼岸の墓参りしている私です・・・・・