MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

招かざる訪問者「物言わぬ油蝉」

2011年09月03日 | あらかると

招かざる訪問者と言えば、
新聞の勧誘員、宗教団体の勧誘訪問、不動産セールスマンなどであるが、
応対が面倒なので、インターホンが鳴っても居留守を使うことにしている。
8階に住んでいるために地上から在宅を視認するのは難しく、
約10年ほど居留守を使っているが見破られることは無い。

ベランダ側のガラス戸を開放したままシャワーを浴びて風呂場から出てくると、
居間の方からひときわ高い油蝉の声が聞こえてきた。
居間に戻るとレースのカーテンに止まって鳴いていた。
部屋の中で鳴いているので鳴声も大きいわけである。

普通ならカーテンを揺さぶってお帰り願うのだが、
「あまりにもありえない8階での光景」だったので、記念写真を撮らせていただいた。
撮影後そっと掴んで返そうとしたら、当たり前のようにけたたましく鳴かれた。
が、すぐに鳴き止んで「手のひらの上」から碧空に帰っていった。
まもなく油蝉の季節も終わりを告げる。


今年はなぜか8階まで飛んできて壁や植木の陰で鳴く油蝉が多く、
すでに10匹近くを丁寧に追い返している。
法師ゼミや蜩のような叙情溢れる鳴声ならそのまま聞いてもよいのだが、
近くで鳴く油蝉のけたたましさには耐えられないのである。

今年に限って多くの油蝉の訪問を受けたのはやはり何かが異常なのかもしれないし、
もしかすると蝉は何かを語りたかったのかもしれない。
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