港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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私たちの家計についての講演会が開催されました

2012-03-09 10:59:12 | 港区まち創り研究会
3月8日、港区まち創り研究会、後援の「私たちの家計について」の講演会が開催されました。
以下が講演の内容です。
天野統康さんの講演は、わかりやすくあまり知らされていないお金と経済の仕組みを明快に解説してとても収穫があった。天野さんはファイナンシャル・プランナーとして、一般市民の相談役になることを目指しているとのこと。
 特に、興味深かった話をいくつか紹介する。
・お金はお金を創る側とお金を使う側にはっきり分かれている。
・お金を創る側は、中央銀行(日銀)と民間銀行、使う側は国、企業、個人である。
・国はお金を創る側ではない。
・国の意向ではなく、中央銀行の意向で通貨の発行量が決められる。
・今、国は借金づけであるが、国が破綻することはない。借金が円建てになっているから、円をどんどん発行すればよい。しかし、中央銀行が円を発行することに賛成した場合で、
賛成しない場合は破綻することもありうる。
・中央銀行は、国の利害だけで動く訳ではない。グローバル経済の中で他の国の意向により動くこともある。
・経済成長は、発行する通貨量により決まる。バブル以降、日本の発行する通貨量は一定横ばいになっており、経済成長もずっと横ばいである。
・リーマンショック以降、アメリカ、欧州などの国はどんどん通貨を発行していったが、日本は影響が少ないため通貨の発行量はおさえられた。
・その結果、発行通貨の量が少ない円の価値が上がり、円高になった。
・円高になったのは、中央銀行の政策の失敗である。
・借金が増えると通貨の量が増え、借金を返すと通貨の量が減る。
・国民がたくさん借金をし働いて返そうとすると経済が成長する。
・これから何が起こるかわからないので、投資は分散した方がよい。
・投資であまりもうかると思ってはいけない。
・これからAIJのような金融詐欺に近いようなことが多くなるのではないか。
・経済はお金を創る側の論理で動いている。などなど

詳しくは天野さんの著書「あなたのお金のしくみはこうして騙されている」5次元文庫。680円をお読みください。
我々が経済を語る時、お金を創る側のことをあまり考えていなかったのは、意識的に情報が流されていなかったとも言える。
NHKの特集のシリーズで「なぜ人類だけが地球上に繁栄したのか」は面白かったが、最後の回はお金の話だった。メソポタミアで人口が急に増え都市ができたのは、実は通貨ができたからであるとのこと。その通貨は、小麦だった。持ち運びが簡単で誰にも交換できる価値があるものができ、それが交換の道具となり交換の範囲が広がり、分業化が進み経済が発展して人口が増えた。ローマ帝国があれだけ発展したのは、ローマ帝国が信用の高い通貨を発行したおかげだそうだ。
 経済成長は一定の段階まで必要かもしれないが、これからの経済は人類が何を目指すのかによって、決められるのではないだろうか。成長がすべてではないように思う。
コメント
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