港区まち創り研究会(まち研)ブログ

港区まち創り研究会の活動の状況やまちづくりについての様々な情報をお伝えします。
海外の街あるきの報告もあります。

今年の公開講座

2011-07-26 16:20:28 | 港区まち創り研究会
今年度の公開講座の予定


 kissポート財団の自主企画の支援を受け、以下のスケジュールがきまりました。

 テーマは「先進自治体の市民グループの活動を学ぶ」です

 第1回 2011年11月5日(土)午後1時半から  赤坂区民センター会議室  世田谷区の市民団体2グループ
 第2回 2011年12月10日(土)午後1時半から  赤坂区民センター会議室  練馬区の市民団体2クループ
 第3回 2012年2月18日(土)午後1時半から 赤坂区民センター会議室  横浜市の市民団体2グループ

 世田谷区は、世田谷まちづくりファンドで助成を受けている団体
 練馬区は  練馬福祉のまちづくり基金で助成を受けている団体
 横浜市は  ヨコハマ市民まち普請事業で助成を受けている団体

 それぞれ、コンクールで勝ちとった団体なので、ユニークで面白い活動をしており、港区の区民活動団体の
 参考になります。また、詳しいご案内はいたしますが、どうぞ、ご参加ください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界の街から10 韓国ソウル清渓川(チョンゲチョン)の再生

2011-07-25 06:56:04 | 韓国の街から
●韓国ソウル清渓川の再生

ソウルの中心地区を流れる清渓川(チョンゲチョン)の再生は、川の上の高速道路を撤去して、河川敷5.8kmを造景し、川を甦らせただけでなく、ソウルの街を一新させた大プロジェクトである。
清渓川(チョンゲチョン)の上にあった高速道路は1971年に建設されている。
2000年代に入り、清渓川の復活の市民運動が始まり、老朽化が問題となっていた高速道路を2003年から2005年にかけて撤去された。
また、河川の清掃や地下水の放流を行い、水質が改善され、動植物の生息の種類も飛躍的に増加した。
また、高速道路の撤去に伴う交通問題を解消するため、周辺の道路の拡幅を行ったり、都心に入る高速道路にバス専用レーンを整備し、通勤の交通量を減らすなど様々な政策を実行し、高速道路撤去による交通問題は生じていない。韓国の都市政策の実行力に頭が下がる。高速道路を地下に埋設したボストンと並ぶ都市再生プロジェクトである。
河川敷は楽しそうに歩ける様々な仕掛けがあり、大勢の市民が歩いていた。
緑も多く見られる場所もあった。
橋が22も整備されていて、河川敷におりられる階段がいくつもあり、比較的容易に河川敷と道路の上下ができる。

市民の憩いの場やイベント会場になっている

滝など楽しませる仕掛けをつくっている

造形的な橋

緑が多いところもある

造形的に細工されている

ベンチもおかれている

美しい景観


●港区での古川再生の可能性
高速道路で覆われて暗くて醜い古川の景観

 港区で唯一の川、古川があり、古川橋、天現寺橋に至る区間の大部分が高速道路に覆われている。この区間の高速道路が見えなくなれば、古川は都心のオアシスになるだろう。この高速道路は首都高速目黒線と呼ばれている。
高速道路を見えなくする方法は二つある。ボストンのような地下埋設かソウルのような撤去かである。私は、古川では撤去の可能性が高いと思う。
その理由として
① 目黒線の建設は1964年と古く老朽化している。
② 目黒線は高速道路の枝線で一の橋から荏原の間の短い区間を連絡し、首都高速道路の中で、最も交通量が少ない。
③ 今後、石油価格が高くなることが予想され、次第に車のトリップが他の交通手段に置き換えられる可能性がある。
④ ヨーロッパの都市のように、将来、車の都心への乗り入れを制限される可能性がある。
⑤ 地下埋設に比べて、撤去は格段にコストが低い。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みどりのカーテンの水やりが始まりました

2011-07-23 08:44:02 | 高輪地区のできごと
みどりのカーテンは港区全体で行われており、今年は3年目です。
私(安藤)も区民協働の高輪区民センターのみどりのカーテン事業に参加して3年目になります。
みどりのカーテンは高輪総合支所の施策「高輪みどりのプロジェクト」のひとつになっています。
高輪総合支所、高輪図書館、レストランキフキフ、公募の区民が協働で、みどりのカーテンづくりに取り組みます。
今年は2階がゴーヤ、3階が琉球あさがおです。
7月22日、初めて区民が水やりを始めました。
3階の琉球あさがおは元気がよく、たくさん花をつけて豪華です。
2階のゴーヤは今年は少し成長が遅く、ちょっと心配です。昨年も出だしは、あまり元気がなかった
のですが、暑くなってからすごい成長をして、ゴーヤがたくさん収穫できました。
今年も暑くなれば、元気になることを期待します。
高輪地区で、ゴーヤの苗を配布しているため、みどりのカーテンに取り組んでいるお宅が増えていると思います。
今年から、さらに「ダンボールdeコンポスト」の試みも始まり、堆肥づくりの実験が行われます。


3階図書館前の琉球あさがおです。よく花をつけています。

琉球あさがおはこんな花です

2階レストラン前のゴーヤです。ちょっと元気がないです。

それでも一つゴーヤの実をつけています
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界の街から9  デンマーク コペンハーゲンを歩く

2011-07-21 07:01:36 | デンマークの街から
コペンハーゲン・タウンウォッチング(1995年)


 コペンの航空写真(グーグルアースより)
1 タウンウォッチングの魅力
 初めて訪れるまちをぶらぶら歩きながら、次々と変化する情景を楽しむのは胸躍る体験である。
 この面白さは、まちをつくりあげてきた背後の生活、文化、社会、歴史などを垣間見ることができるためであろうか。
 タウンウォッチングは私の趣味であり、新しく訪れるまちを見ると、自然に足が動いてしまう。
 コペンハーゲンの建築博物館で買った一冊の地図が私の街歩きの意欲をさらに助長させてしまった。この地図には、4つの町並み・建築視察コースが示されている。それぞれのコースは赤いルートとポイントになる地点の写真と簡単な説明が示されているだけのものである。コペンハーゲンで1日半の自由時間があったので、半信半疑ながら地図に沿って歩くことにした。
 4つのコースのうち、中心市街地南北コースを選び、朝9時にアーン・ヤコブセンのナショナルバンクを出発し、地図の指示通り歩き始めるとすぐ、ルートの構成の見事さに驚いた。大きな建物をくぐり抜け、さらに左に折れると、いきなり国立図書館の見事な庭園が現れ感動した。さらに、行くとクリスチャンボー城デンマーク国会の建物が広場を通して、よいアングルで見ることができる。

国立図書館の庭園

デンマーク国会の前の広場
 地図のルートは、点と点を結ぶ単純なものではなく、道の選び方が十分に吟味されている。多分、都市計画・建築を志すものが練りに練ってつくられたコースなのであろう。歩くと、作者の説明が聞こえてくるように、見るべきものが現れてくる。それは、遠くに見える教会の塔であったり、建物のファサードであったり、中庭であったり、広場であったり、建物の壁面のつたであったり、多種多様である。映画のドラマを見ているようで、あったという間に3時間であった。

結局、それぞれのコースを1日半で3コースを歩いてしまった。点から点へと移勤する観光とは違った、連続する空間体験であった。
コペンハーゲンタウンウォッチングで感じたことをいくつかあげてみたい。

2 中庭の空間
 街区のほとんどは道路側に面して建物があり、残された部分が自然と中庭になっている。中庭は、都市空間の一般的なパターンとなっている。ルートの中には、中庭を見たり、中庭を通り抜けたりする場面が多かった。中庭の空間は確かに、面白い。中庭が商業空間、広場、駐車スペースになっていたり、集合住宅では公園、広場、サービスヤードになっていたり、様々な使い方をしている。しかし、この中庭は、公共空間なのが私的空間なのかはっきりしない。中庭の入り口に扉のついているものが多く、扉がしまっていて、中に入れない時もあった。しかし、ほとんどの中庭は通り抜けができ、通り抜けても文句を言われることはなかった。

中庭その1

中庭その2

中庭その3
3 歩行者・自転車のまち
 運河に囲まれた旧市街地は、幹線道路が少なく、ほとんどが歩行者の道といってよい。歩いていても、車の危険を感じたことはなく、駐車場はほとんど見あたらなかった。
コペンは、世界で初めて歩行者商業モールを実現した都市である。おそらく、都心部へ乗り入れる車の制限を行っているのであろう。
 車の代わりに自転車が多く使われているのだろう。幹線直路には必ず自転車専用レーンが整備されており、また、自由に乗り捨てできるレンタサイクルシステムがある。

自転車の利用がさかん

4 管理の行き届いた公園
 散策ルートの中で、フレデリックスペア庭園、植物園、その他近隣公園クラスの公園を2ケ所訪れた。どれも、手人れが行き届き、きちんと修景された美しいものであった。フレデリックス庭園の並木や植物園の花壇は、映画のワンシーンになるような劇的な空間であった。これらの公園は市街地を環状に幾重にも取り巻くように配置されている。これらの公園で気がついたことが二つある。一つは、管理に相当金をかけているらしいということ。どこでも管理人がいて、忙しそうにゴミなどをひろったりしていた。木の剪定や花壇などを維持していくのは、大麦な労力なのではないか。もう一つは、公園の周囲に柵と門があり、夜間などは、人れない仕組みとなっているのであろう。公園がホームレスのすみかにならないようになっている。
 税全の高いといわれる北欧の国々は、公園や道路など都市の維持管理に多くの費用を費やしていると考えられる。

公園その1

公園その2
5 運河や港の水辺空間
 コベンは、貿易で栄えた国際商港部市である。中心市街地をほぼ環状に連絡する広い運河がある。過去に運河は、輪送路として重要な役割を果たしたと考えられるが、現在は、一部埋め立てられ、海と連絡していないため、公園・修景としての機能のために存在しているのであろう。運河の背景となる都市のスカイラインは情緒があり、美しい。運河の水際は並木や遊歩道が整備されており、ここも公園と同じようにきちんと管理されている。
この運河以外にも、コペンには楽しい水辺空間がいくつかある。
 港に沿ったアマリエバーヴェン公園から、港に沿った遊歩道の景観も素晴らしいし、ニューハウン地区の商業地も細い運河沿いの空聞をうまく利用している.ヨットや船の姿力匍区の雰囲気を盛り上げている.
 コペンハーゲンだけでなく、北欧の都市は水辺空間が際だっている。例えばストックホルムの海辺の水辺空間は、歴史的な建造物を背暴に世界でも有数の美しい都市空間となっている。

美しい運河の景観




アマレバーヴェン公園からの遊歩道

ニューハウン


6 変化の多い都市空聞
市街地中央部は、ほとんど新しい斬新な建物は見当たらなかった。クリスチャンハウン地区やニューハウン地区などの再開発もクリアランス的なリニューアルでなく、修復、改善を主体にしたもので、周辺の町並みと区別がつきにくいものであった。市街地中央部のほとんどが歴史的建造物の集合といってよい。
 しかし、町並みは、地区毎にその景観の姿を変える。都市の年綸を見るように市街地が形成された時代の姿を現わしているのであろう。特に、印象が深かった地区をあげると、城塞周辺のニューボーダー地区の歴史的な黄色い住宅建物群、象の柱脚を通り披ける力-ルスバーグビール工場周辺の異様な空間、計算された広場空間として大理石教会と宮殿の周辺、ストロイエ通りの裏側のまちなみ、微妙にパステルカラーで塗り分けられた共同住宅と力-ブした路地空間、運河の西側の集合住宅池など際限がない。
 また、歴史的建造物である教会及び広場がそれぞれの地区の景観のシンボルとなっており、変化ある都市空間を構成しているのが記憶に残る。

ニューボーダー地区の歴史的住宅群

宮殿周辺広場

パステルカラーのカーブした路地

カールスバーグ工場周辺象の門

7 おわりに
 北欧の都市ストックホルム、ヘルシンキ、コペンハーゲンはどれも清潔で、管理が行き届いた美しい都市であった。スロープが整備されバリアフリーに配慮していること、公園の管理がすばらしいこと、サービスハウス(高齢者住宅)が都市のよい場所を占めていることなど、都市づくりでも学ぶ点は多々ある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界の街から8 --小さな歴史都市チェスキー・クルムロフ

2011-07-19 17:12:40 | チェコスロバキアの街から
小さな歴史都市チェスキ-・クルムロフを訪ねて(2002年)                              

 チェスキ-クルムロフは、チェコの南端部でオ-ストリアとドイツの国境近くにある小さな歴史都市である。

13世紀に豪族の城が建設され、16世紀に都市は繁栄の頂点に達し、その時代の建造物がそのまま、今も残されている。

1992年世界遺産に指定され、画家エゴン・シ-レが一時期過ごしたことでも有名で、世界各国から観光客が訪れる。

 オ-ストリアの国境近くのまちから、チェコの鉄道に乗り換えて、チェスキ-・ブデヨヴィチエに向かう。チェコの列車は古いロシア製のもので、オ-ストリアの列車に比べて、恐ろしく貧弱に見える。列車はがらがらであった。列車が国境付近にさしかかると警察官税関の役人、車掌が来て、パスポ-トや切符のチェックをする。チェコの警察官や役人は無愛想で権威的である。

 車外の景色はオ-ストリアを国境を越えると一変する。オ-ストリアの豊かな農村風景から、今にも倒れそうな家、ぼろぼろの車があるチェコの農村風景へと変化する。

 車窓の景色から国の経済力の差がこれほどはっきり示されるのに驚かされる。

 チェスキ-・ブデヨヴィチエに着く。ここからバスでチェスキ-・クルムロフに行くのだ。駅前の町並みはみすぼらしい。歩いている人も暗い感じで、笑っている人はほとんどいない。服装も粗末な感じを受ける。昭和30年代の日本のような気がする。

駅前のバスタ-ミナルはすぐみつかったが、どのバスバ-スがチェスキ-・クルムロフに行くのかがわからない。英語がまったく通じない。バスを待っている人からなんとなく探り出したバスバ-スで待つ。

30分後、やっとバスがくる。バス料金は、ガイドブックより高い値段を取られる。どうも荷物の持ち込みの料金をとられたらしい。バスは満員であるが、乗っている人で観光客はほとんどいないように思える。地元の通勤客が家に帰るのに、利用されているようだ。車がまだ、個人であまり利用されていないのであろう。

満員のバスにゆられて40分ほどで、チェスキ-クルムロフに着く。バス停から、少し歩くと、中世の町並みが突然現れる。

クルムロフとは、ねじれた川の草地という意味だそうで、川沿いにまちが形成されているので地形の低い部分に建物が集積している。そのため、上から見下ろす角度でまちなみを見ることができる。

クルムロフ城が遠くに見え、手前にオレンジ色の屋根の建物が重なり合っている。新しい建物は、視界から全くみえない。インフォメ-ション・センタ-でホテルを紹介してもらう。朝食込みで1泊2000円である。こちらはとても物価が安い。

ホテルは町中にあり、古い住宅を改造したものらしい。中庭を囲んで三階建ての建物となっている。やや古いが中庭を通って奥の部屋に案内される。部屋もこじんまりとしているがそこそこきれいで、シャワ-等の設備をしっかりしている。

外に出て、レストランで食事をとる。ビ-ルが安くまた、うまい。さすがにチェコはビ-ル発祥の地である。


 1 街の構成

  
 ヘアピンカ-ブが連続するようなヴルタヴァ川沿いにまちができているので、川をはさんで3つのゾ-ンによるまちの構成となっている。
北のゾ-ンがクロムロフ城や教会を中心としたゾ-ンとなっており、クロムロフ城は一番高い位置にある。
 真中のゾ-ンは生活中心地区で、町のメインのアプロ-チともなっている。主に公共施設、ホテル、レストラン、店舗、住宅などで構成されている。このゾ-ンの中央に大きな広場がある。
南のゾ-ンは、川沿いの大きな公園とわずかな市街地がある。
 なぜ、曲がりくねった川すじにまちが出来たのであろうか。多分、川が軍事の際、敵の侵入を防ぐ自然の要塞となるからであろう。川をはさんで城がある都市はヨ-ロッパに多い。今回の旅行で訪れたザルツブルグ、プラハ、ブダペストが皆そうであった。 車はところどころで、駐車しているが、町に中でほとんど行き会うことはない。安心して、歩き回ることができる。多分、一定の時間だけ車の通行を行っているのであろう。


2 建造物と町並み景観 
建造物は、14世紀頃の形を基本としており、オレンジ色の屋根のある3階建の切妻のものが多い。ファサ-ドは様々な装飾がほどこされており、色やデザインも多様である。ルネッサンス風のものも多く残されている。建物は比較的きちんと修復されており、歴史的な町並みの壊すようなデザインの建物は見られない。町並みは、ベルギ-のブル-ジュのように、隅々まで磨かれた観光地という感じはしないが、素朴で田舎じみた所が別な魅力となっている。
地形に高低差があるので、道のところどころで町を俯瞰できる場所があるのが素晴らしい。城や教会の塔が町並みのアクセントになっている。


3 路地空間と広場

  曲がりくねった路地空間


  路地の正面に城の塔が見える
  道は、あまり広くなくまがりくねっているので見通しはきかない。地形が複雑なので高低差が多く、階段や坂道となっている道もあり、立体的な迷路のようだ。突然、道の正面にクロムロフ城を遠くに現れる場所が何ヶ所もある。これは、町の道の構成が城を望むように計算されたものだろうか。もしそうだとすれば、城から、敵がまちに侵入した場合発見しやすいようにしたのか、あるいは住民が城をまちの象徴として意識させるようにしたのかもしれない。

 
 スヴォルノスト広場とまちなみ

まちの中央にスヴォルノスト広場という大きな広場があり、広場に面して、町役場、教会等があり、まさに広場が生活の中心となっている。あちこちに小さな広場空間がある道の幅が広がって広場のようになったところもある


4 川沿いの景観
 曲がりくねった川沿いの景観は、まわりの建物と調和して美しい。川の景観を眺めるために、アウトドアの庭やデッキのあるレストランが多くある。このレストランの一つでコ-ヒ-を飲む。このまちではやや値段が高い。川沿いがベストポイントになっているのであろう。


5 クルムロフ城

このまちの圧巻はなんといっても、クロムロフ城である。クルムロフ城は40の建物と5つの中庭と幾何学的な庭園から構成されている。建物が複合された大規模な建築物は、東西に細長く、一つの町並み景観を形成している。連続する要塞のように見える建物と塔の構成の外観は美しい。夜はライトアップされており、光に照らされより塔の美しさを増す。階段で塔に昇ることができ、塔から見下ろすと、まちなみが一望される。まるで、お伽の国のような景色である。

   クルムロフ城の夜景

 塔の上から見たお伽の国のような町並み
 クルムロフ城の中は見学することができる。一つ一つの部屋は大きくまた、優美な装飾や壁画がほどこされており、町並みのように質素な印象は受けない。内部は主にルネッサンス様式となっている。
 付属する幾何学的な庭は、花などがあまり植えられておらず、ウィ-ンのシェ-ンブルン宮殿の庭と比べるとさびしい感じがする。


6 おわりに
 チェスキ-・クルムロフのまちのほとんどは、ホテルとレストランとみやげものの店である。つまり、町全体のほとんどの人が観光で生計をたてていると考えられる。それと引き換えに、人類にとって大切な世界遺産を守っているのである。こんな町は世界でも数多くある。小さな歴史都市の生き方の一つのありかたを示している。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界の街から7 イギリスのニュータウン テームズミード

2011-07-16 22:01:01 | イギリスの街から
計画的な街の一つの例として、イギリスのニュータウン、テームズミードのご紹介をします。私がテームズ・ミードを訪れたのは、およそ40年前でちょうど完成したばかりであった。(写真はその時撮影された古いもので恐縮ですが。)
テームズ・ミードは、ロンドンの南およそ10km、テームズ川沿いの位置にあり、計画人口60,000人、1970年に完成された。建築家により計画的につくられた日本でいうベッドタウンである。歩く部分と車の走る部分を立体的に分離し、2階の広いデッキはすべて歩く人に開放している。イギリス流の歩車分離を徹底した街である。
世界にはこんな素敵な街があるのかと感動したのを今でも覚えている。


テームズミードのマスタープラン。3期に分けて建設された。
・のびのびとした安全な歩行空間

車と人の立体分離

子供が安心して遊べる広いデッキ

乳母車も快適に走行できる

近隣店舗地区
 2階の広いデッキは完全な歩行者のための空間となっていて、子どもが遊んでいても不安を感じないし、乳母車なども快適に走行できる。このデッキは都市全体をつないでいる。
 歩行者と車の立体分離の考え方は、その後、日本にも駅前広場の整備などにもとりいれられている。

・集合住宅の多様な形態とデザインの質の高さ






 40年前の日本の集合住宅のデザインは、いわゆる公団アパートの形態が主流であったため、このニュータウンの集合住宅の多様な形態とそれぞれのデザインの質の高さに目をみはるような驚きであった。

・水を生かしたデザイン





 テームズ河の水を都市に引き込んで広い池をつくり、その水辺空間が都市の魅力となっている。日本では、安全のため、なかなか実現できないと思われる。

・ニュータウンのその後
 最近、あるブログでこのテームズ・ミードを訪れた記事があったが、近年、かなり荒廃しているようだ。あちこちに落書きがあり殺人事件も起きている。人口も減っているようだ。イギリスの複雑な社会事情などが背景となっているようだが、都市のコミュニティが育たず、管理がうまくいっていないことに起因している。
 どんなよい器があっても、住むのは人間であり、きちんとしたコミュニティが育たなければ、都市は崩壊する危険があるということを感じた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

港区地区まちづくりルール認定審査会委員会が開催されました

2011-07-16 16:02:36 | 港区まち創り研究会
港区地区まちづくりルール認定審査会委員会が開催されました

7月15日、委員会の今年の初会合でした。私(安藤)も5人の委員の一人として初めて参加しました。地区まちづくりルールは、港区まちづくり条例に基づく制度で、自主的にまちづくりのルールを定める団体を区が支援するものです。
石黒会長、小澤副会長を選任の後、議論に入りました。
今回、議論のテーマは、「六本木三丁目東地区まちづくり協議会」と「赤坂通りまちづくりの会」2地区です。それぞれの団体から活動報告があり、その後、現地視察をしました。
「六本木三丁目東地区」は、南北線六本木一丁目駅に近く、開発圧力の高い地区で、ディベロッパーによる二つの大きな再開発地区に挟まれています。
 もう、狙われているようで、地上げも少しずつ進められている厳しい状況の地区です。
 ディベロッパーが案を提示してくる前に、自主的に案をつくり対抗しようとするけなげな姿勢に好感が持てました。
 提案している7つのまちづくりビジョンも納得できるものでしたが、議論の論点は自主的に進められるまちづくりがどのようなものになるかということに集中しました。
 各委員の一致した意見は、ディベロッパーによる大規模開発と同じものを目指すのではなく、地区の個性を生かし、ビジヨンに沿った整備ができれば一つのモデルとなる、それには、相当区の支援が必要ですという意見でした。
 「赤坂通りまちづくりの会」(旧日大三高通り)は、赤坂らしい景観づくりを目指すということで、旧料亭の空き店舗を生かす、竹が多いのでそれを生かすなど、目的がはっきりしているので、そんな難しいことではないのではないかいうのが会長のご意見でした。
歩道の整備など道路環境の整備の仕方も課題となるでしょう。
 私のこの2地区の感想は、ディベロッパーにまかさないで自主的にまちづくりを行おうとする団体の姿勢はすばらしいと思いました。説明された方もそれぞれしっかりされていて頼もしく感じました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タウンフォーラム第1グループ提言

2011-07-15 06:45:55 | 港区まち創り研究会

タウンフォーラムの第1グループの提言は以下の通りです。

――区民誰もが安心、安全、快適に住み続けられるまちづくりを目指して――

1-1 高さ抑制策
“地域の環境と調和した高さの街並みに!”
●施策への提言
①地域の環境と調和した街並みを誘導するために、都市計画法上の高度地区により、絶対高さの制限を設定する。
総合設計や緩和型の地区計画も高度地区の絶対高さ制限の適用除外としない。
②地区計画や景観法の手法も合わせて、街並みを適切にコントロールする。

●提言理由
①港区では高さ60mを超える高層建築物が250棟を超えている。高層建築物は、日影、風害、電波障害、眺望阻害、圧迫感、見下ろし、周辺道路の混雑、交通事故、駐車場の騒音・排ガスなど、様々な市街地環境の悪化や近隣トラブルの発生、都市景観の混乱などの問題を引き起こしている。
東京23区のうち、新宿区など10の区で既に、高度地区による絶対高さの制限を行っている。
②高さを制限する保全型の地区計画は、港区では少ない。また、景観法を活用し、高さの規制を行う手法もある。

●提言を実現(推進)するための具体的な事業提言
①地区の特性を踏まえ、住民の意向に基づき、適切な高さを定める絶対高さ型高度地区の指定を行う。その際、総合設計や地区計画に基づく建築物についても絶対高さ制限の適用除外としない。延床面積1万㎡以上の建物についても、東京都に対し、区の絶対高さ制限に対応した高さを守ることを要請する。
②景観計画における景観形成基準で地区の特性に合わせた高さを定める。
住環境を保全する地区計画の推進を図る。



1-2 まちづくりについての住民参加と行政
“住民参加が活発になる仕組みづくりと区民に開かれた議会や審議会を!”

●施策への提言
①各種審議会に学識、有識者だけでなく区民委員を増やし充実させる。
②区議会や各種委員会、審議会などの様子を様々な手段によりできるだけ公開する。
③区民主体のまちづくり活動をする団体をできるだけ多く支援し、地域に根ざしたまちづくりを促進する。

●提言理由
①現在の審議会は区民委員が少なく、区民の意見が十分反映されているとは言えない。
②また、区議会や各種審議会の様子を区民はあまり知る機会が少ない。議会傍聴者も少なく、一般区民は関心が薄い。
③現在あるNPOパートナーズ基金は、主にNPO団体を対象とし、事業費の半分を団体が負担しなければならない。支援を受ける団体の数も少ない。基金の額も世田谷区や練馬区などと比較して少ない。任意の区民のまちづくり団体を助成する制度がない。

●提言を実現(推進)するための具体的な事業提言
①各種審議会で区民委員の枠を増やすとともに、区民委員の意見も反映できるよう民主的運営に努める。
②区議会や各種委員会、審議会をCATVやネット中継などの手段でできるだけ公開する。また、誰もが傍聴できる開かれた議会を開催する。
③現在あるNPO港パートナーズ基金を拡充し、任意のまちづくり団体も助成できる港区まちづくり基金制度を発足させる。基金積立額の目標を60億円とし、多くの団体の支援を行う。助成団体の審査も区民が行う。


1-3 総合設計制度について
“地域社会に貢献する総合設計制度を!”

●施策への提言
①総合設計制度の計画の際、公開空地のとり方について周辺住民の意見を聞く。
②総合設計制度の公開空地の使われ方の調査を行う。
③容積の緩和をする条件として、公開空地の面積だけではなく、緑の割合や環境への貢献、地域に貢献する施設(保育所、集会施設等)も条件とする。
延床面積1万㎡以上の建物についても、区の基準を守るよう要請する。

●提言理由
総合設計制度が公開空地の面積の割合により容積の緩和を受け、高層建築物が建てられ、周辺地域に様々な影響を与えている。公開空地の計画は、
①周辺地域の住民と協議してつくられていない。
②公開空地が周辺地域にどの程度貢献しているかは定かではない。
③人口増に伴い、保育所などの施設が不足している。

●提言を実現(推進)するための具体的な事業提言
①総合設計制度による建築物を計画する時は、計画段階から公開空地の取り方など周辺住民と十分協議するよう条例等で定める。
②総合設計制度で建てられたすべての建築物の公開空地の使われ方調査を行う。
この調査から地域に貢献する公開空地のあり方の指針を示す。
③総合設計の容積緩和の条件を、単に公開空地の面積だけでなく、緑化の割合、環境への貢献、地域貢献施設(保育所、集会施設等)の設置割合など多面的な視点から評価し定めることとし、かつ現在の緩和条件を上回ることがないように、条例等で定める。


1-4 再開発について
“再開発事業だけに頼らず、地域みんなで防災に強いまちづくりを考えよう!”

●施策への提言
①準備組合に入っていようがいまいが関係なく、地域に入っているすべての人達に情報提供をする。行政の責任として、指導ではなく、調書の中身も住民に開示する。
②住民が自らコンサルを選び、対案を出すための資金やサポート面での環境整備をする。防災に弱いまちだから再開発をするというのではなく、再開発に頼らなくても防災対策ができるような対案を出し、住民に判断してもらう。

●提言理由
①準備組合に入っていない地権者には、計画についての情報が流れていかない。
②再開発計画は、ディベロッパーが資金を出し、計画を進めるので再開発を前提とした案となっており、ディベロッパーの経済性が優先され地域住民のための計画になっていない場合が多い。再開発を前提としない防災のまちづくりの案の検討がされていない。修復型計画に助成制度はない。

●提言を実現(推進)するための具体的な事業提言
①準備組合に入っていようがいまいが関係なく、地域に入っているすべての人達に区から情報を公平に提供する。
②住民が自らコンサルを選び、対案を出すための資金やサポート面で港区が積極的に助成する。また、再開発事業を前提としない対案を作成する費用を助成し、比較検討しながら話し合いをする。修復型の計画に対する助成も行う制度を考える。



1-5 景観・土地利用
“国際都市港区にふさわしい景観や土地利用を考え、歴史的遺産を生かした
美しいまちにしよう!”

●施策への提言
①歩道に出ている突き出し看板・袖看板・日よけ等の取り締まりを徹底する。
②品川駅周辺は、東京の玄関口の顔となる地区で品格のあるまちなみの形成を図る。
③区内に存在する旧所・名跡を守るための景観形成を図る。

●提言理由
①突き出し看板・袖看板・日よけが道路にはみ出し、醜い景観となっており、安全性にも問題である。
②日本の玄関口、港区の顔となる品川駅周辺で適切な土地利用になっていない。
③港区の個性の一つである旧所・名跡を十分生かしきれた景観となっていない。色彩もばらばらで統一感に欠ける。

●提言を実現(推進)するための具体的な事業提言
①道路にはみ出す突き出し看板・袖看板・日よけについて、罰金をとるなど厳しい条例を定める。
②港区の顔となる地区については、文教地区など特別用途地区で娯楽施設の立地を規制するような土地利用の誘導を図る。
③港区景観計画の景観形成特別地区の形成基準を強化し、建物の形態や色彩の規制を徹底する。旧所・名跡について、景観重要建造物の指定により保存する。



1-6 環境・緑化について
“緑あふれる港区へ!風の道をつくろう!”

●施策への提言
①大規模開発が広域的に及ぼす影響(ヒートアイランド、風の向き、流れなど)を調査する。
②街路樹は低木・中木・高木を組み合わせて植え、低・中木は常緑樹とし自動車の排気ガスの微粒子の飛散を防ぐ。
③まとまりのある緑を海まで連続させて、海から風の道をつくる。
④建物の屋上緑化、壁面緑化の推進を図る。

●提言理由
①大規模開発がヒートアイランドなど地域全体に様々な影響を及ぼしている可能性があり、それを調査することにより今後の開発のあり方の資料とする。
②低木、中木、高木で構成される街路樹は自動車の排気ガスPM2.5などの微粒子を吸着する効果があることが検証されている。排気ガスの微粒子は肺がんやぜんそくを引き起こすといわれている。
③ヒートアイランド現象を防ぐには、海からの風を陸地に入れると効果がある。 まとまりのある緑は、夏の気温を下げる効果があるとともに、風を呼ぶ効果がある。
④屋上緑化、壁面緑化の建物がまだ少ない。

●提言を実現(推進)するための具体的な事業提言
①経年的に港区内100~200地点について、温度、湿度、風向、風の強さ、二酸化炭素濃度などの環境調査を行う。(ドイツの都市の環境調査を参考にする)
②街路樹を植えるスペースがある区道については、低木、中木、高木の構成とし、常緑樹を主体とする。
③海からの風を呼ぶゾーンを指定し、そのゾーン内の緑の保全・緑化、建物の緑化などを行い、緑のベルトゾーンをつくる。
④屋上緑化、壁面緑化助成策の強化を図る。


1-7 交通について
“安心して歩けるまちに!自転車の利用が便利なまちに!”

●施策への提言
①自転車専用レーンを設け、自転車と歩く人の快適な共存を図り、自転車道ネットワークが整備された地区を増やしていく。
②車いすでも通行できる、段差が少なく安全で広い歩道を整備する。
③自転車走行マナーの指導を徹底するとともに、駅周辺施設の駐輪場設置を推進する。

●提言理由
①低炭素社会実現のために、快適に歩ける道や自転車の利用を推進する必要がある。
港区内の交通事故は、車と自転車、人と自転車など自転車に関わる事故が多くみられる。自転車が安全に快適に利用できる環境が整備されていない。
②歩道の広さが十分でなく、段差があったりして、乳母車や車イスが快適に歩行できない道路が多い。
③無灯火走行など自転車走行マナーが悪く危険である。また、駅周辺で放置自転車が多く、街が醜く、また交通の障害になっている。

●提言を実現(推進)するための具体的な事業提言
①自転車専用レーンの整備を図る。
②乳母車や車イスが快適に歩行できる段差が少ない広い歩道を整備する。
また、電線類の地下埋設を推進し、歩道空間を確保する。
③自転車走行マナーの指導や放置自転車対策も含めた港区独自の総合的な自転車条例をつくる。

1-8 防災都市づくりについて
災害に強い防災都市をつくろう!”

●施策への提言
①安心・安全のまちづくりとして、既存建築物の耐震診断と耐震補強を迅速に実施する。
②上下水道の耐震化について、液状化が予想される地域への対応を行う。避難施設だけでなく、住宅等にも対応を検討する。
③震災時、消防車や救急車が機能できるよう幹線道路の緊急車両の通行を確保する。
④津波に対する防災対策を検討する。

●提言理由
①木造建物や昭和55年以前の建築物の耐震診断や耐震補強が進んでいない。
②埋立地などで液状化により、上下水道管の被害が目立っている。
③交通渋滞により、緊急車両の通行が機能しなかった。
④津波による被害の不安がある。

●提言を実現(推進)するための具体的な事業提言
①既存建築の耐震診断と耐震補強を徹底する。
②地盤の液状化が予想される地域について、地盤改良など対策を徹底し、上下水道の耐震化を推進する。
③幹線道路の一車線は緊急車両用道路として、大地震の際、通行止とする。
④津波が押し寄せても倒壊しないよう、重要度係数(用途係数)が高い区有施設を計画的に配置する
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タウンフォーラムの提言式が行われました

2011-07-14 21:53:25 | 港区まち創り研究会

今日、7月14日にタウンフォ-ラムの提言式が行われました。
安藤が第1グループの提言を発表しました。
提言を読み上げることにしていましたが、提言が多い割に5分という時間が
あまりにも短く、うまく伝えられたとは言えませんでした。
他のグループも同様で、内容を深く伝えることはできないようでした。
区長のコメントも、提言の善し悪しについて触れずに終えています。
全体として、物足りない気持ちが残りました。
第1グループの提言内容はこのブログで、明日以降ご紹介したいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

祝  1万アクセス 突破

2011-07-13 07:11:59 | 港区まち創り研究会
祝! 1万アクセス突破

ブログ開設から、わずか3ヶ月でアクセス数10104、閲覧された方は延べ5000人を超えました。
みなさま、ご高覧ありがとうございます。
これからも港区のまちづくりの情報や世界のまちづくりの情報をみなさまにお伝えしていきたい
と思いますので、よろしくお願いします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする