港区まち創り研究会(まち研)ブログ

港区まち創り研究会の活動の状況やまちづくりについての様々な情報をお伝えします。
海外の街あるきの報告もあります。

世界の街から46---スペイン マドリッド

2012-08-01 08:00:35 | スペインの街から
マドリッドは人口325万人のスペイン一の大都市である。
マドリッドは一部を見た印象だけを記す。
 地図を見ると中心部を囲む環状道路がしっかりできているようだ。その中央部を南北に連絡するカステリャーナ大通りが通っている。サッカーのリアルマドリッドが勝つとこの通りを凱旋するとのこと。この都市の顔とも言える道路は街路樹や芝生がきれいに管理されていてほんとうに美しい。プラド美術館もこの通りに近い位置にある。
ブラド美術館でベラスケスやゴヤなどの名作を鑑賞した後、ソフィア王妃芸術センターでピカソのゲルニカ、ミロ、ダリなどの20世紀の近代絵画を見る。
特に印象に残ったのは、ベラスケスの絵ラス・メニーナスである。遠くから見ると3D画像のような立体感に驚く。ゲルニカもいろいろなシーンが組み合わせているがそれぞれのシーンから訴える迫力がすごい。
ソフィア王妃芸術センターの新館はフランスの建築家ジャン・ジャック・ヌーベルの作品である。
超高層建築物は中心部にはあまり目につかず、市街地周辺部にあるようだ。
 スペイン最後の夜はフラメンコのショーを楽しむ。男性も女性も精力的な足さばきに魅了される。


スペイン広場 ドン・キホーテの銅像がある。

カステリャ-ナ大通り

カステリャーナ大通り

カステリャーナ大通り

大きなバス停 ベンチがおしゃれ

市街地周辺部にある超高層建築物

ソフィア王妃芸術センターの新館(ジャン ヌーベル)

フラメンコショー
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世界の街から45----スペイン トレド

2012-07-31 08:41:11 | スペインの街から
古都トレドは、ローマ時代に既に都市となっていたようである。6世紀の終わりに西ゴート王国の首都になっている。8世紀にはイスラム教徒に支配されたが、キリスト教徒、ユダヤ教徒も共存していた。16世紀には統一されたスペイン帝国の首都となり繁栄する。16世紀末には首都はマドリッドになるが、スペインカソリックの中心としてあり続けた。現在人口は約8万人である。
 遠景から見ると、城や大聖堂を中心とした歴史ある都市の形態がそのまま残されている。
都市の内部は、外敵を防ぐために迷路的な路地の構成となっている。さらに道に起伏があり、変化する複雑な空間を楽しめる。画家エル・グレコが気に入りここに住みついた理由もわかる。フランスのゴシック様式を基本にした大聖堂が素晴らしい。スペインの富の蓄積がうかがえる豪華な内部空間である。イスラム文化の影響を受けたのかきめ細かな装飾がほどこされている。
 サント・トメ教会に行きエル・グレコの最高傑作といわれる「オルガス伯の埋葬」を見る。地上で亡くなっているオルガス伯を取り巻く光景と天国でキリストたちが伯爵を迎える光景を同時に描いている構図が面白い。グレコ独特の色づかいがよい。一枚の絵で一つの物語を語っている。


トレドのまち全景

道の中央に塔が見える

迷路的空間

路地

高低差を生かした空間

ブリッジのある建物

趣のある路地

市街地を展望する

カテドラル

装飾的な内部空間

豪華な内部空間

聖書の場面を絵にしている

宝物殿

宝物殿の天井
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世界の街から44----スペイン コルドバ

2012-07-30 06:29:14 | スペインの街から
 コルドバは人口約30万人の都市である。ローマ時代には一つの州の首都であり、イスラム時代の8世紀にも首都であった。10世紀ごろには人口100万人となり、コンスタンチノープルと並んで世界最大の都市であった。13世紀ごろからキリスト教徒に支配された。
 コルドバでメスキータとユダヤ人街を見た。暑い。寒暖計は45度を示していた。
・メスキータについて
 メスキータはモスクという意味である。 
スペインの一つの特徴として文化の多層性があげられる。高度なローマ時代の文化がイスラム文化により破壊されつつ蓄積され、さらにキリスト教の文化がイスラム文化を破壊されつつさらに蓄積された。その象徴となる建物がメスキータである。多様な文化の様式が一つの建物に混在する世界での類をみない不思議な建物である。
この場所に6~7世紀、西ゴート王国の教会があった。ローマ文化の様式のイオニア式の柱の遺構を利用しつつ、8世紀にイスラム人がモスクにした。それから何度も拡張工事を重ね10世紀に現在の形の巨大なモスクになっている。13世紀にイスラム人がカトリック教徒に征服され、カトリック教徒が一部改造しつつ教会に転用した。
 内部の柱は600本もあり、柱と柱は2段重ねのアーチ状の梁で屋根が支えられている。
アーチ状の梁はローマの水道橋を参考にしたと言われる。柱とこの2段アーケードの構成の内部空間は圧巻である。中央部にはカトリック教会のゴシック式のカテドラルができている。
多様な様式の混在が建物の空間の変化を与え、よりドラマチックにしている。
・ユダヤ人街の花の小径 
ユダヤ人街は細いまがりくねった道で迷路のような構成になっている。夏の直接の日ざしを避けるためと外部からの侵入者を迷わせるためといわれる。
 お店の看板や大胆な色を使った壁、花の鉢などどれもセンスがよくおしゃれである。
 花の小径の鉢の花は満開ではなかったが、それでも道を盛り上げている。
 小径からメスキータの塔が見える構成になっている。チェスキー・クルムロフでも小径から城の塔が見えたのと同じで、計算されたものと考えられる。
 ユダヤ人街はドイツ、イタリア、スペインなどの各都市あちこちに見られるが、ユダヤ人の民族の特殊性からくるものか、日本人には理解できにくいことである。
・新幹線に乗る
 コルドバからマドリッドまで、新幹線で移動した。当初、スペインは日本の新幹線の技術を導入するはずであったが、EUに加盟することになった時、フランスからEUの国から技術を得るべきという意見がでたので、フランスの新幹線技術を導入した。
 新幹線はあまり揺れず乗り心地はよかったが、スピードは日本の新幹線より遅い感がした。座席は向かい合わせで、座席は回転しない。座席を回転させる技術は日本の特許だそうである。


川の対岸からメスキータを望む

メスキータの塔

2段アーケードの内部

圧巻の内部空間

内部空間

後から増築されたカテドラル

カテドラル部分

ユダヤ人街

ユダヤ人街

ユダヤ人街

ユダヤ人街の邸宅

花の小径 塔が見えます

大きなバス停です

新幹線です
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世界の街から43--スペイン セビージャ(セビリア)

2012-07-26 16:46:59 | スペインの街から
セビージアはスペインアンダルシアの州都で人口約70万人、スペイン4番目の大都市である。古代ローマ時代紀元前8~9世紀ごろから都市が成立している。8世紀ごろからイスラム勢力の支配下になりセビージャ王国として栄えた。
13世紀ごろからイスラムに代わりキリスト教徒のカスティーリア王国の首都として繁栄を極めた。それは、セビージアが新世界との交易貿易権を独占したからである。
16~17世紀ではスペインで最も人口の多い都市であった。オペラ「カルメン」や「セビリアの理髪師」の舞台にもなった。
午後2時過ぎには40℃を超える気温であるが、夜や朝は20℃位になるのと湿気が少ないので東京のような暑さよりは過ごしやすい。
世界的建築家カラトラバ(以前このブログでミルウォーキー美術館の建築作品を紹介)のアラミロ橋を見ることができて感激した。吊り構造の緊迫した形態が美しい。この橋は1992年セビリア万博の時、建設された.
まず、スペイン広場から見る。かつてサン・テルモ宮殿の一部であったスペイン広場は1929年の博覧会の会場として造られたもので、比較的新しいものである。広くまた半円形の建物に囲まれている。
スペイン一の大きさを誇る15世紀のカテドラルと97mの高さのヒラルダの塔がこの街のシンボルである。ヒラルダの塔に登りセルージアの市街地を上から見る。個人の家の屋上にプールがあるのが面白い。カテドラルの内部は広くスケールの大きさに圧倒される。
 カテドラル東部にあるサンタクルス街を見る。かつてのユダヤ人街である。細い曲がりくねった路地や黄色など大胆な色づかいの壁が印象的である。暑いので日陰をつくるために細い路地にしたとも言われている。
バスから市内を流れるグアダルキビール川に沿って快適そうな遊歩道・自転車道が見えた。バイクシェアが行われているようで、美しいバイク・ステーションをバスから見えた。また新しい流線型のLRT(路面電車)も見ることができた。
また、観光用に馬車が使われており、車の数はすくない。ゾーン毎に車の通行を規制しているのかも知れないが、正確な情報はわからない。


カラトラバのアラミロ橋

スペイン広場

スペイン広場の各県の特徴などをタイル絵にした

カテドラルとヒラルダの塔

カテドラル

塔の上から見たセビージャの市街地 屋上にプールがある家が数軒見えた

カテドラルの内部の天井

カテドラルのステンドグラス

黄金の塔と自転車道

サンタクルス街

サンタクルス街 迷路のような細い路地

サンタクルス街 中庭のあるレストラン

サンタクルス街

サンタクルス街

川沿いの自転車道(バスの車窓から) 車止めがおしゃれ

美しいバイクステーション(バスの車窓から)

LRT(路面電車)

LRTの駅

観光用の馬車が走っている

アルカサル(王宮)と団体

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世界の街から42-----スペイン コスタデルソルのミハス

2012-07-25 14:00:27 | スペインの街から
ミハスは人口35000人のイスラム教徒が16世紀末につくった白い村である。地中海に面し街全体が白い壁とベージュの屋根でつくられている。日がぎらぎらして暑い。暑さを防ぐために白い壁にしたという説もある。
 見事に統一された街並みであるが、特に条例などで規制はしていないようだ。
 街全体は起伏のある地形で、道は狭い曲がりくねった路地と広場で構成されている。
黒い窓格子やフラワーボックスでアクセントをつけている。
 別荘地にもなっており、イギリスのサッカー選手ディビット・ベッカムの別荘もあるという。

白い壁が続く

お店がびっしりのところもある

鉢や黒の格子がアクセントになっている

曲りくねって先がみえないのが面白い

小さい広場もある
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世界の街から41---グラナダとアルハンブラ宮殿その2

2012-07-24 05:51:07 | スペインの街から
続いてアルハンブラ宮殿に入る。アルハンブラ宮殿は13世紀前半以前からあった城塞を補修・拡張し14世紀後半に現在の姿になっている。水を巧みに使い、建物の中に取り入れている。
我々日本人にとって、この宮殿は理解しやすい。というのは、ヨーロッパの建築は圧倒的なスケール・大きさや金銀宝石をちりばめその凄さを誇示しているものが多い。もちろん、この宮殿も贅をつくしているのだろうが、一つ一つの部屋がなじみやすい大きさ、細部まで計算された心地よい空間になっている。中庭を配置しながら内と外の繋がり明と暗の空間の構成や連続性を確保している。池とそれに映る建物などすべて計算された配置と形態となっている。アルハンブラ宮殿こそが繊細で高度なイスラム文化の空間技術を堪能できる建物である。(文責安藤)

城塞であった建物

城塞であった建物

内部の繊細な装飾模様

装飾模様

窓と景色の見せ方

中庭

アラヤネスの中庭

豪華で繊細な天井の模様

ライオンの中庭の回廊

ライオンの中庭

ライオンの中庭

アルバイシンを望む

装飾的な天井

花と塔
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世界の街から40---スペイン グラナダとアルハンブラ宮殿その1

2012-07-23 06:27:04 | スペインの街から
グラナダは人口30万人の中規模な都市である。最後のイスラム王朝の首都であり、その王宮がアルハンブラ宮殿である。
 グラナダの街は残念ながらホテルのまわり以外にはほとんど歩く時間はなかった。それでも、素晴らしい散歩道を見つけた。道路に挟まれた遊歩道で札幌の大通り公園のような
もので、大勢の市民が夕方散歩を楽しんでいた。港区にもこんな道があったらなあと思う。
 例によってお洒落なバス停を見つけた。バス停には人がいっぱいいる。
 翌日、アルハンブラ宮殿を見にいく。二度目の訪問であるが、感動を新たにした。成熟したイスラム文化の凄さを実感する。どこを撮っても絵になるので写真が多くなった。
2回に分けて紹介する。
王の夏の避暑のための離宮であったヘネラリフェ庭園から見る。
水を巧みに使い植栽を人工的に剪定し、シンメトリーで幾何学的な庭園に仕上げている。内と外の空間の繋がりが巧妙でドラマティックである。花を生かしたり外の遠景を見せたり様々な工夫がほどこされている。(文責安藤)

山に囲まれたグラナダ市街地の風景 窓の日よけの色が統一されている

夜9時過ぎでも明るく散歩する人が多い遊歩道

道路から見た遊歩道

デザインのよいバス停

ヘネラリフェ庭園 樹木も剪定している

植栽の窓と池の見せ方が素晴らしい

植栽と水と幾何学的庭園

植栽と建物を一体化した空間

建物の質感

水と花をあしらい

植栽の空間

遠景を見せている

刈り込んだ植栽

植栽による窓と庭の見せ方

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世界の街から39---スペイン ラマンチャの集落

2012-07-20 16:28:24 | スペインの街から
スペイン報告第5回です。
ドン・キホーテの物語の舞台になったラマンチャ地方の集落を訪れました
ドン・キホーテが突進したという風車が今も並んでいましたが、風車は動いていません。昔からあるような素朴な集落で、それぞれの家が白と青に塗られた壁で統一されているのが印象的です。屋根にはスペイン瓦が乗っていました。
周囲には広大なひまわり畑が広がっています。
 古い農家を改造したという趣のあるレストランで食事をしました。
松本幸四郎、松たか子が主演したミュージカル「ラマンチャの男」が日本で公演されてから日本人の観光客が増えたようです。(文責安藤)

セルバンテスの時代からの風車です

白と青の壁の集落が印象的です

古い民家を改造したレストラン

民家のタイル

広大なひまわり畑

遠くに見える風力発電の羽
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世界の街から38----バルセロナところどころ

2012-07-19 16:11:30 | スペインの街から
バルセロナは行政人口160万人でスペイン第2の都市である。ローマ時代から都市が成立し、14世紀に建設された旧市街地と19世紀に拡張された碁盤目状の新市街地に分かれている。市街地の住宅の価格が高いので、安い住宅を求めて郊外に人口が流出している。
あわただしい観光ツアーなので、街をゆっくり見る時間がなく目についた点だけをお伝えする。
・街並みはきれいで整っている
 街並みは高さやデザインが整っており、質が高い。超高層建築物は見当たらなかった。
 集合住宅もしっかりした建物が多く、値段が高いのもうなずける。窓の日除けのキャンバスの色も統一している。


高さが整い、街路樹が植えられた街並み

地下鉄のホームに通じるエレベータ

大きなゴミ箱が道路に設置されている
・バイクシェアリング
 バイクシェアリング(レンタサイクル)の自転車をみかけたが、まだ自転車交通が主流にはなっていない。自転車レーンがきちんと整備された道路もあるが、まだ未整備な地区も多く過渡期の段階ではないかと思う。

バイクシェアリングの自転車を運ぶ車

レンタサイクルを使っている子ども・観光客

自転車・オートバイと歩行者が分けられている道路
・美しく質の高いバス停
 バス停はかならず屋根と椅子があり、デザインも美しく統一し街並みを引き立たせている。これはバルセロナだけでなくスペイン全体に言えることである。
 バス停は街の顔として大事な役割を果たしていることを改めて実感する。日本も見習なくては。

美しいデザインのバス停
・バス・タクシーレーンが設置されている
 スペイン全体の都市で言えることで、バス交通が主役になっている。地下鉄は30万人以上の都市で整備することになっているが、地下を掘るとどこでもローマ時代の遺跡が発掘されるため、地下鉄の建設はあまり進んでいない。
 バルセロナにも地下鉄はもちろんあるが、数や延長がまだ足りていない。
そのため、必然的にバスが交通の主役になりバス・タクシーレーンが設置された道路が多くみられる。

バスレーンが設置されている
・旧市街地の路地空間が面白い
 ピカソ美術館周辺の旧市街地は狭い迷路のような路地で構成されており、路地空間が面白く雰囲気がある。(文責安藤)

旧市街地の路地

旧市街地にあるピカソ美術館 個人の邸宅を改装している
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世界の街から37---スペイン バルセロナ グエル公園

2012-07-18 09:01:21 | スペインの街から
 グエル公園はもともと公園として設計された訳ではない。資産家のグエルが英国式の田園住宅分譲地をつくろうと15haの土地を購入した。その設計をガウディに依頼し1900年から1912年にかけて60戸の分譲地をつくったが、ガウディとグエルの2戸しか売れなかった。事業としては大失敗である。グエルの死後、公園として市に寄付されたものである。随所にみられる自然の形態を模したと言われるガウディのデザインは今見るとユニークで面白いが、分譲地としてはどうだろうかと考えてしまう。
とは言え、地形や見晴らしを上手に生かしたランドスケープや独特の植栽などは素晴らしいものがある。現在では、公園というよりガウディの作品を見る観光スポットになっている。(文責安藤)

公園の全景

独特のランドスケープデザイン

トカゲのある階段

タイル絵のある曲線のベンチ

タイル絵の詳細

自然の形態を模したデザインのひさし

自然の形態を模したデザインのひさし

列柱のある人工土地

人工土地の天井のデザイン

門衛の家


ガウディが一時住んだ家(ガウディ記念館になっている)
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