港区まち創り研究会(まち研)ブログ

港区まち創り研究会の活動の状況やまちづくりについての様々な情報をお伝えします。
海外の街あるきの報告もあります。

スタンレー・キング氏の「コ・デザインによる参加のプロセス」の翻訳が完成しました

2013-07-03 15:27:48 | カナダの街から
スタンレー・パーク著「コ・デザインによる参加のプロセス」の西山葉子さんの翻訳が完成しました。西山さんのブログをごらんください。スケッチを見るだけでも楽しいです。西山さん、ブログのご紹介ありがとうございます。
 アドレスは
http://codesignca.exblog.jp/

 コ・デザイン(Co-Design、「一緒にデザインする」の意)とは、コミュニティーの中で人々が協力的かつ共同作業的に考えを寄せ合ってデザインする、というものです。コ・デザインの作業では、基礎的なスケッチと視覚化の技術を用い、市民を招いて都市計画のためのワークショップを開きます。本書「コ・デザイン、デザイン参加のプロセス」は、デザインに関わるすべての人々がアイディアを視覚的に共有することによって、都市計画者、建築家、デザイナー、そしてコミュニティーが確かなコミュニケーションを取れるようになるプロセスを示唆します。
このブログは、まさに街のデザインをしようとする都市計画家、建築家、行政関係者、教育関係者、一般市民などすべての人々に必見です。
 197回、1万人を対象にワークショップによる街づくりの計画を行ってきたスタンレー・キングさんの経験やノウハウが詰まっています。
 日本ではワークショップによる計画手法は発展途上にあり確立したものはまだありません。行政側も半信半疑でワークショップの手法を使っていますが、計画の反映の仕方もばらばらで、そのプロセスも見えない場合が多いです。
 最近では、伊東豊雄氏が被災地陸前高田市で集会所「みんなの家」をワークショップで計画した手法が成功例です。
 スタンレー・キングさんは、アメリカ、カナダでワークショップのコ・デザインの手法を用いてまちづくりの計画を行い、いくつも実現しています。
 ワークショップの手法は、その国の文化やコミュニティの熟成度により違いはありますが、日本でも大いに参考になり応用できることがいっぱいあります。

 スタンレー・キングさんの手法はオープンで進め方にいくつか特徴があります。
 ・ワークショップは時間をかけ、参加者が食事をしたりして楽しみながら参加ができます。
・参加者のアイディアを専門のアーティストがいてスケッチの絵にまとめていきます。
 絵を見ることで誰でも理解でき、絵を見ながらさらにアイディアを膨らますことができる。言葉だけでなく、目に見える絵にしていくことがこのワークショップの大きな特徴です。参加者は自分のアイディアが絵になっていく課程が面白く、参加の意欲を増しています。
 ・子どもから高齢者まで幅広い年代層が参加しています。
・参加者が多くても、いくつかのテーブルに分けて作業することができます。

ワークショップのスケッチ画の例

ワークショップのスケッチ画の例

とにかく、西山さんのブログをぜひごらんください。


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まちづくりワークショップの新しい手法  カナダ在住の葉子さんのブログから

2013-01-30 09:27:40 | カナダの街から
このブログにコメントをいただいたカナダのバンクーバー在住の葉子さんのブログは、まちづくり、エコロジーなどの視点で示唆に富みとても参考になりました。ぜひ、みなさんもご一読ください。
アドレス http://codesignca.exblog.jp/
このブログの中で新しい市民参加型のまちづくりのワークショップの手法が紹介されています。
イギリス人の建築家スタンレー・キング氏が開発した手法で、バンクーバーの市民参加型のまちづくりに多く使われているようです。ぜひ港区まちづくりにもどこかで行ってみたいと思いました。
私が惹かれたのは、次のような点です。
1 誰でも参加できる
 野外にテントをはって実施するので、通りがかりの人、誰でも参加できます。子どもでも参加できます。

 いくつの段階ごとにテントが並んでいます

テントの風景

2 開放的である
 野外で行うため、開放的な雰囲気で行える

3 ワークショップに一定のルールがある
以下が3つのルールです
・「私たちは」ではなく、「私は」と言う。例えば、妻や子の意見を聞きもせずに夫が「うちの家族はこう思います」と言ったりしていることがあるのです。そういうふうに言うことで、自分ひとりの意見じゃない、自分の意見には何人分もの重みがあるんだ、と印象づけようとする人は少なくありません。
・解決策を見出そうとしない。あるアイディアと、それがもたらす結果だけに焦点を当てる。
・他人の出したアイディアに対して批判を加えない。制約や問題点は後からゆっくり考察すればいいのであって、まずは各人が自分の個人的な希望を自由に出すことが大事なのです。

このルールを示しているスタンレー・キングさん

4 アイディアがだしやすい
 字でも記号でも絵でも何でもポストイットに記入すればよい


5 アイディアを絵に描いてくれる専門家がいる
 アイディアをその場で絵にしてくれる画家がいて、具体的に議論できる。これは素晴らしいですね。




6 食事が用意されている
主催者の費用で軽食が用意され、食べながら話もはずみます


参加している人は楽しそうではないですか
詳しくは葉子さんのブログをご覧ください。
コメント (1)
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世界の街から78---カナダ バンクーバー

2012-12-29 09:24:42 | カナダの街から
バンクーバーはカナダ南西部に位置する人口64万人、都市圏人口では200万人を超える大都市である。母国語が英語でない人が50%を超える多民族都市である。中華料理の店や日本料理店も多い。
私(安藤)が訪れたのは5月であったが、快適な気候であった。住んでいる人の話では、夏はよいが冬は雨が多く晴れた日が少ないので陰鬱になると言う。バンクーバーは住みやすい都市ランキングによく登場するが、気候的には必ずしもそうではないようだ。
 バンクーバーの街は、ここ40年位で形成された街で比較的新しい。高層ビルが林立しているが、土地利用のコントロールがしっかりしていて、高さが整い都市景観は美しい。私が特に感心したのは海の景観の生かし方である。海の魅力をこれほど都市景観にとりこんでいる都市は他に知らない。日本の場合、台風、津波があり海と都市とが接する場所をこれほどうまく利用することはできないだろう。
 海際を歩いていてもほんとに美しく楽しくなる。海に接する公園スタンレーパークも自転車で回遊でき素晴らしい公園である。
 街を歩いていても、歩行者のことを十分に考えられた街で歩道も広く、所々に美しい花が飾られている。
 なんでも、バンクーバーは世界一グリーンな街、つまり環境、交通、建物などで温室効果ガスの排出量を少なくするエコロジー都市を目指しているそうだ。市長は自転車で通勤し、車の1車線を自転車専用レーンにしてしまうほど、環境に配慮している。
 こんなビジョンがはっきりした市長がいる都市がうらやましい。
 グランビルアイランドは、工場地帯であった場所を工場の建物を利用しながら商業地としてよみがえらせたウォーターフロントの再開発の好例である。小劇場やアートギャラリーもある楽しい空間となっている。建物を取り壊すことだけが再開発ではないことを示している。
 ギャスタウンは、1867年、イギリス人船長が初めてこの地に酒場を開き、1930年代までは活気にあふれ新しいライフスタイルを発信する基地であった。大恐慌のあおりを受けて衰退し、忘れられた街になり、ハイウェイの建設で取り壊される予定であったが、市民から保存すべきという反対運動が起こり、1971年史跡に指定され、歴史地区として保存されるようになった。今では、結構賑やかで歴史を感じさせる素敵な街になっている。

バンクーバー市街地図 道路の基本は碁盤目状

バンクーバー 俯瞰写真 海の景観を生かしている

海を望む景観がすばらしい 水上飛行機の発着場になっている

海岸遊歩道

海に接する公園 スタンレーパーク 自転車で回遊できる

スタンレーパークの自転車道

市街地の景観

ハンギングフラワーがあちこちにある

フラワーボックスが並んでいる

花が美しい

壁面緑化されたビル

工業地の再開発 グランビルアイランド

既存の建物を生かして魅力を持たせている

ビルとビルはデッキでつないでいる

ウッドデッキの広場で演奏

ギャスタウン 歴史的町並みの再生

ギャスタウン 歩道を広げて、車がスピードがでないように工夫している

時計塔から蒸気がでている

海から見たバンクーバー市街地 カナダプレイスの建物が印象的
コメント (7)
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世界の街から--カナダ・ヴィクトリア

2011-06-29 05:23:35 | カナダの街から
筆者(安藤)が今まで訪れた世界の街を少しずつご紹介していきます。
ガーデンシティヴィクトリア
 カナダの西、バンクーバーに近いヴィクトリアは、街中花にあふれた庭園都市です。
 温暖な気候に恵まれ、イギリスの伝統的なガーデニングを受け継いでおり、住宅地
 はもとより、街のあちこちに花が飾られています。

日本の庭と違って自分が楽しむだけではなく、外を通る人のためにつくられています。
そのため、住宅地全体が花で飾られ調和のとれた美しい街に仕上がっています。

住宅地だけではなく、商業施設でもハンギングのフラワーボックスがふんだんに飾られています。


 また、この街には世界的に有名なガーデニングのテーマパーク「ブッチャードガーデン」があります。
20ヘクタール、起伏を生かし花と庭園だけのテーマパークです。日本庭園、イタリア庭園などいろいろなゾーン
に分かれており、ほんとに、一日過ごしても飽きません。

もともとは石灰岩の採掘場だったところをうまく活用しています。

「ブッチャードガーデン」を訪れるために、世界中から観光客が集まります。
日本人ももともと庭園や花を好む人が多いです。こんなヴィクトリアの街も日本でもできるのではないでしょうか。
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