港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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世界の街から10 韓国ソウル清渓川(チョンゲチョン)の再生

2011-07-25 06:56:04 | 韓国の街から
●韓国ソウル清渓川の再生

ソウルの中心地区を流れる清渓川(チョンゲチョン)の再生は、川の上の高速道路を撤去して、河川敷5.8kmを造景し、川を甦らせただけでなく、ソウルの街を一新させた大プロジェクトである。
清渓川(チョンゲチョン)の上にあった高速道路は1971年に建設されている。
2000年代に入り、清渓川の復活の市民運動が始まり、老朽化が問題となっていた高速道路を2003年から2005年にかけて撤去された。
また、河川の清掃や地下水の放流を行い、水質が改善され、動植物の生息の種類も飛躍的に増加した。
また、高速道路の撤去に伴う交通問題を解消するため、周辺の道路の拡幅を行ったり、都心に入る高速道路にバス専用レーンを整備し、通勤の交通量を減らすなど様々な政策を実行し、高速道路撤去による交通問題は生じていない。韓国の都市政策の実行力に頭が下がる。高速道路を地下に埋設したボストンと並ぶ都市再生プロジェクトである。
河川敷は楽しそうに歩ける様々な仕掛けがあり、大勢の市民が歩いていた。
緑も多く見られる場所もあった。
橋が22も整備されていて、河川敷におりられる階段がいくつもあり、比較的容易に河川敷と道路の上下ができる。

市民の憩いの場やイベント会場になっている

滝など楽しませる仕掛けをつくっている

造形的な橋

緑が多いところもある

造形的に細工されている

ベンチもおかれている

美しい景観


●港区での古川再生の可能性
高速道路で覆われて暗くて醜い古川の景観

 港区で唯一の川、古川があり、古川橋、天現寺橋に至る区間の大部分が高速道路に覆われている。この区間の高速道路が見えなくなれば、古川は都心のオアシスになるだろう。この高速道路は首都高速目黒線と呼ばれている。
高速道路を見えなくする方法は二つある。ボストンのような地下埋設かソウルのような撤去かである。私は、古川では撤去の可能性が高いと思う。
その理由として
① 目黒線の建設は1964年と古く老朽化している。
② 目黒線は高速道路の枝線で一の橋から荏原の間の短い区間を連絡し、首都高速道路の中で、最も交通量が少ない。
③ 今後、石油価格が高くなることが予想され、次第に車のトリップが他の交通手段に置き換えられる可能性がある。
④ ヨーロッパの都市のように、将来、車の都心への乗り入れを制限される可能性がある。
⑤ 地下埋設に比べて、撤去は格段にコストが低い。
コメント (1)
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