港区まち創り研究会(まち研)ブログ

港区まち創り研究会の活動の状況やまちづくりについての様々な情報をお伝えします。
海外の街あるきの報告もあります。

「アメリカの都市計画の誕生」という本から

2012-01-31 17:31:12 | アメリカの街から

昨年、12月に発行された分厚い「アメリカ都市計画の誕生」(鹿島出版会)という本を読んだ。かなり、専門的な固い本なので、その一部をご紹介したい。
アメリカで最初に都市計画のきっかけとなったのが、1902年のワシントンの「総合都市計画」である。マクミランという上院議員が建築家とタイアップして、広いモール(百周年大通り)を中心に官公庁施設を配置する案を提案した。見事に描かれた鳥瞰図で示している。現在のワシントンの街並みの原型となった。
 また、1897年から1902年にかけて、アメリカ各地のいろいろな団体で都市美運動が広がっていた。自治体芸術、村落改良、公共空間改良、野外芸術を推進する組織同士が交流しあい、アイディアを共有しあい始めた。都市美運動がアメリカ全土に広がり、マクミランの計画を歓迎した。
 その一つのモデルがハリスバーク市の運動である。最初の取り組みは婦人団体からで、家庭園芸、清潔な街路、公共ごみ箱、河岸でのごみ廃棄の禁止など様々な目標を掲げて活動した。マイラ・ロイド・ドックという婦人活動家が「都市美」について、あちこちで講演会を開いて、啓発活動を行った。これらの運動から「ハリスバーク自治体改良連盟」が組織され、市議会に起債限度の引き上げ、計画案を実施する公共事業委員会を創設することに成功した。さらに、改良事業に着手し、公園緑地システム、河岸散歩道、広範囲の街路舗装、上水道濾過、洪水防止などを行った。ハリスバークの計画が全国に広がっていった。
 私が感銘を受けたのは、アメリカの都市計画の出発がまさに、市民運動から始まっていることである。市民運動のさらに発端となったのは、婦人団体というのがうなずける。
 普段、地域のこと、生活のことをきちんと考えているのは、女性だからである。
 日本の場合、都市計画は役所主導で、さらに男性が主体となって計画している。日本の場合、市民団体の活動の歴史が浅くまた貧弱である。
 ワシントンの場合は、一人の政治家と一枚の鳥瞰図が人を動かしたといえる。
 日本では、このようにビジョンと実行力を持った政治家が少なかったと言える。
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生活安全・環境美化協議会の道路・公園専門部会が開催されました

2012-01-30 22:59:34 | 高輪地区のできごと

道路公園専門部会の役員と高輪地区総合支所の各担当課の方、国土交通省東京工事事務所、東京都第一建設事務所の方が出席しました。以下の議題で話し合いをしました。
1 国道1号線の高輪三田共同溝工事と放射3号線(目黒通り)の整備工事の進捗状況の説明が国土交通省東京工事事務所と東京都第一建設事務所からありました。
 高輪三田共同溝工事については、平成25年2月には終わるとのこと。その後、歩道の拡幅工事を行うとのこと。歩道は2.5mから4mに拡幅されるとのこと。
 目黒通りについては、日吉坂上歩道橋周辺の街築工事が6月までに、東大医化研から都ホテルまでの歩道舗装等の整備は夏頃までに完了するとのこと。
 目黒駅までの街築工事や交通島改修工事はその後になるそうです。

2 公園については、高輪森の公園改修計画案の説明があり、今年の10月から来年2月まで工事をし、来年3月に開園となる予定です。
 ざくろ坂からのアプローチ道路の整備や公園のフェンスの設置、トイレの改修、ふじ棚、ベンチの設置などが行われるそうです。

3 森の公園で実施されたプレーパーク事業の報告がありました。12月4日には483名が来場したそうです。
 3月24日(土)午前10時から午後4時、3月26日(月)午前10時から午後4時まで、森の公園でまたプレイパークを開催するそうです。
 3月25日(日)午前10時から正午まで、高輪いきいきプラザ地下1階でトークセッションが開催されます。
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国際交流のつどいのご案内

2012-01-30 08:40:23 | 高輪地区のできごと
国際交流の集い
~港区在住・在勤外国人との交流会~

日時: 2月4日(土) 15: 00~16:50
場所: 東海大学 1階  4102教室
主催: みなトーク会
    無料


港区の人口は20万、その1割の2万人が外国人です。
こんなに大勢なのに、中々お付き合いするキッカケがありません。
今回は、港区在住・在勤の方々にお話を伺い、楽しく交流したいと思います。


・お話いただく方
シシリア・アンダーソンさん(アメリカ)   
マリアンヌ・ビランドさんとルイーズさん(スウェーデン) 
アンキット・チャヴラさん(インド)

シシリアさんは、駐在員の奥さんとして港区での生活約6年。日本の織物、特に着物や帯が大好きで、趣味は布を集めることです。
マリアンヌさんは、スウェーデン大使館2等書記官、港区での生活約3年。
お嬢さんのルイーズさんが、スウェ―デンの伝統楽器Nyckelharpaニッケルハルパを
演奏してくださいます。
アンキットさんは、日本のIT関連企業にお勤めです。
日本勤務約5年。最近結婚されたとか、インドの結婚式のお話など、
伺えるかもしれません。
皆さんに、日本での暮らしの感想や、故郷の話、観光ではわからない
取っておきのお話などを伺います。会場の方たちとのお話タイムもあります。

その後、地下食堂にて懇親会があります。ワイン、おつまみとお菓子がついて、600円です。


申し込み先=安藤(まりえ)  adtk278oak@yahoo.co.jp
   「みなトーク」会事務局  minatalk22@gmail.com
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祝い 5万アクセス突破

2012-01-29 09:07:43 | 港区まち創り研究会
祝い 5万アクセス突破!

 ブログ開設291日目でアクセス数が50269になりました。
 ご高覧ありがとうございました。
 これからも港区にかかわるまちづくり、開発、環境、建築、イベントなどの話題を掲載したいと思います。
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港区まち創り研究会 1月の定例会が開かれました

2012-01-27 23:04:44 | 港区まち創り研究会

集まる場所を私が勘違いをしていて、白金コミュニティカフェに行ってしまい、連絡がありあわてて芝コミュニティはうすに行くことになり開始が1時間遅れてしまいました。
 今回も新しい方が入られて、毎回、会員が少しずつ増えてきそうなのは、心強いです。
 今日の議題は、3つあり一つは、2月18日開催の市民参加のまちづくり研究の講演会についてで、ほぼ事前の準備はできており、後は参加者を集めることです。
 二つ目の議題は、3月8日の若手のファイナンシャル・プランナーの天野統康さんの講演会の打ち合わせで、「これからわたしたちの生活にかかわるお金はどうなるのだろうか」というテーマでお話をしていただけます。年金、ローン、貯金、保険、投資など生活に密着したお金のこれからをずばりお話していただけます。午後6時半から芝コミュニティはうすです。ちらしができましたら、ご案内します。
 三番目の議題は、バス停調査の進め方で、いろいろな話がありました。八木さんは、都バスの停留所の一覧表とまとめ方の提案をしていただきました。バス停の向きが一定でないことの指摘がありました。バス停で待っている方に、区にベンチを置くよう要望してもらうなどの提案もありました。調査の分担の仕方などうち合わせをしました。これからの成果を期待したいです。
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高松桜まつり第2回の打ち合わせをしました

2012-01-25 19:14:35 | 高輪地区のできごと
今日、高松桜まつり第2回の打ち合わせをしました。
4町会の方、高輪子ども中高生プラザ館長、高輪総合支所の方が出席されました。
1町会の方は体調が悪くて入院されているそうです。
イベント会場は、高松児童遊園(くじら公園)に決まりそうです。
イベントの内容もほぼ決まってきており、出演者と交渉することになります。
高輪子ども中高生プラザからは、ヒップホップのダンスをしていただけることになりました。
4月7日開催予定ですが、ウェーザーマップの予想では今年の桜の満開は4月2日ごろということで
十分見ごろの範囲です。後は天候がよいと素晴らしいと思います。
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久しぶりの新年会

2012-01-24 20:02:02 | 高輪地区のできごと
正月以来、体調を崩して、各種団体の新年会はパスしていましたが、やっと今日、「高輪消防協働団体合同新年祝賀会」に出席しました。消防関係の団体の新年会です。150人を超える大きな新年会でした。町会関係者は、20人程度と比較的少なかったです。
 高輪地区は丸の内地区とともに、昨年、東京都で唯一焼損面積が0の地区だそうです。
 焼損面積が0ということは、建物の被害はなく、家具とかゴミとかが燃えた程度だということです。火災はなかったといってもよい数字だそうです。
 丸の内地区は、人がほとんど住んでいないのに、高輪地区は多くの人が住んでおり、かつ、就業者も多いので、特筆すべきことだと思います。
 しかし、救急車の出動回数は前年比5%以上も増えています。簡単に、タクシー代わりに救急車を呼ぶ人もいることに起因するかもしれません。
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世界の街から34------ベルギーブルッセルのグランプラス広場

2012-01-22 22:46:34 | ベルギーの街から
ベルギーのブルッセルはEUの首都である。その中心にあるのが、グランプラス広場である。
ヴィクトル・ユーゴーが世界一美しい広場と称えたのがこのグランプラス広場である。
ユーゴーが世界で最も美しい広場と称えた理由はなんだろうかと考える。
まず、広場の周りの建物の高さと広場の大きさとの関係で、建物が高すぎもせず、視覚的にもまとまりがあるがあるからであろう。広場の大きさは110m×70mと長方形であるが、広すぎもせず、全体を把握できる大きさである。
次に、周りの建物の美しさであろう。一番目立つ市庁舎は15世紀のゴシック建築で、きめ細かな装飾が施されていて、壮麗な建築である。また、王の家は、16世紀に建てられたもので、プロポーションが美しい。その他、ギルドの家がいくつかあり、広場と調和している。周りの建物と広場が醸し出す全体の雰囲気が美しさを表現しているのであろう。
広場に接してガラスの屋根のショッピングアーケードがある。ミラノのショッピングアーケードより、やや小さい。
また、広場に通じる小路が何本かあり、観光客をターゲットにしたレストラン街やお店がある。小路の一つを行くと、有名な小便小僧の像がある。広場を中心として、観光客をひきつける様々な仕掛けがある。夜の建物のライトアップも美しい。
 2年1度開かれるフラワーカーペットは有名で、グランプラス全体色とりどりのベゴニア百万鉢で敷き詰めるのである。写真でしか見たことがないが、圧巻である。
 私が訪れた時も植木市やピエロのパフォーマンスなどがあり、結構楽しめる。
広場というのは、ただあればよいというのではなく、周りの建物との関係、広場に通じる道との関係、中で行われるイベントなど、総合的な観点からその広場の価値が決められるのであろう。グランプラスを見てそんな印象を受けた。


市庁舎



王の家

ガラス屋根のアーケード

ピエロのパフォーマンス

植木市

レストラン街

広場の石畳

ベルギー名物のワッフル


幸運の女神像
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世界の街から33---イギリスのミルトン・キーンズ

2012-01-20 16:42:19 | イギリスの街から
・計画都市ミルトン・キーンズ
 ミルトン・キーンズはロンドンから70kmの距離にあり、計画人口25万人を目指したイギリス最大のニュータウンである。1970年に計画が発表され、着工された。詩人ミルトンと経済学者ケインズの名前を合わせて命名された。その後、人口は順調に定着し、現在およそ20万人の都市に成長している。住宅だけでなく、工場・オフィスも誘致され職住一体型の都市である。筆者がこの街を訪れたのは、およそ10年前である。

・歩車分離の徹底と碁盤目状の道路パターン
 この都市の計画の最大の特徴は、道路の速度により、道路構成を行っていることと歩車分離の徹底である。一方、専用化された道路は、碁盤目状に配置され、大きな交差点はロータリーになっているので準高速道路並みに走行できる。道路の沿道に、街路樹がびっしり配置されあまり景色が見渡せることができない。一方、住宅地内の道路は、車の速度を落とすような設計となっている。確かに、交通渋滞はほとんどなく、歩行者と接触する危険はない。車の利用を前提として、つくられた都市である。バスもあるようだ。

碁盤目状の車専用道路(高速で走れる)

全体都市図(機能が分散配置している)

高速道路(上)と低速道路(下)の分離

センター地区からのびる歩行者路

・低密度都市と農村集落の取り込み
 この計画区域に人口約4万人の農村集落があったが、保存しながら計画の中に取り込んでいる。この点は評価できる。都市全体は27戸/haと低密度である。
 広い公園・緑地もあり、自然豊かである。しかし、実際歩いてみると、農村のような風景でこれが都市だろうかと疑問を持つ。最初に行った住区は、大きな湖があり、湖からたくさんの水鳥が道の上を歩いており、人間は一人も見えなかったのに、ショックを受けた
イギリス人の理想は、農村に住むことという話を聞いたことがある。そんなイギリス人の嗜好が計画都市に現れているのかも知れない。日本人の感覚からすると、あまりにも寂しいという気持ちになる。老夫婦になった時に、どんな生活になるのだろうかとぞっとする。
 実際、自殺者が多いという裏話を聞いたことがある。

水鳥ばかりで人間の姿が見えない

戸建て住宅地はこんな感じ

集合住宅も低層である。当時、1戸300万円位で買えるといっていた

既存の運河を計画に取り込んでいる

緑道だが、寂しい

職場ゾーンのオフィス

・センター地区
 唯一、都市らしいところで、大きなショッピングセンターがあり、人もかなりいたが、にぎわうという感じでもない。シネマコンプレックスの建物もとなりにある。しかし、都市生活を楽しめるという雰囲気はない。

ショッピングセンター

シネマコンプレックス

・まとめ
 イギリスのニュータウンを代表する計画都市として、交通、住宅、自然、景観などよくできた都市と言えるだろう。
 頭で考えた機能的都市として完璧なのかも知れないが、都市の楽しさ、魅力はあまりないと言わざるを得ない。都市全体、寂寥感が漂う。住みたくない都市の一つである。
 建築評論家松葉一清氏もこのミルトン・キーンズを訪れてやはり相当がっかりした様子が著書「失楽園都市」に書かれている。失楽園都市はミルトンの叙事詩「失楽園」にかけている。
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港区後期基本計画に寄せられたパブリックコメントから

2012-01-19 21:52:26 | 港区のできごとあれこれ
港区後期基本計画に47人のパブリックコメントが寄せられているが、バス停に関わるものがあったのでとりあげてみた。
「私の自宅前の道路は都市計画道路に指定されているにもかかわらず、道路整備が先延ばしされ、歩道もない坂道に都バスのバス停があり、バス待ちの危険なこと、港区のちいばすも増え、我が家の車庫スペースはバス乗り場と化し、大変迷惑している。
ただ今東京都、港区にバス停の移動をお願いしている。この問題も道路整備して歩道をきちんと造れば何の問題も起きなかったと考える。」

 歩道もないところにバス停をつくれば当然こんな問題が起きる。この人のご指摘の通り、危険この上ない。大勢の人が利用するバス停の環境を全く考えていないことがわかる。こんなバス停を今度の調査で拾い上げて、一つ一つ解決策を考えていきたいと思う。
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