職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★50点、40点、30点しか取れない生徒を出す授業はリコールの対象(プロ教師塾シリーズ・職員室通信)

2014-06-17 11:51:45 | 僕のモンマルトル日記

 

職員室通信
★50分間の授業に自分の人生がある。彼等の感想は僕等の人生への応援だ
2014
06.17

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  ◆「業務」を支える「感じ」メモ  

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★しばらくHP&BLOGの更新ができなかった。
 体調を崩していた。
 だるい。
 頭が痛い。
 ディスプレイに向かうと目の焦点が合わない。
 しかし、HPの更新ができないほど悪いわけではなかった。
 理由は他にもある。
 いろいろあった。
 体調不良も含め、その「いろいろ」が僕にダメージを与えたのだ。
 「いろいろ」をぜんぶ列挙したい衝動にかられる。
 でも、それをやるとBLOGが重く沈んでしまう。
 主なモノだけを挙げる――
 ①HPのコンセプト崩れ――「断念の上に、なお語りつづける職員室通信」と言いつつ、断念前と断念後とで「職員室通信」の内容が変わっていない。
 偽コンセプト。
 この気づきがいちばんの打撃だった。
 ②(しかし)この偽コンセプトに替わる新コンセプトの構築がどうしてもできない。
 考えようとすると、頭がぼんやりした。
 どうしても集中できなかった。(今も同じ。)
 ③伊原ライオンズの崩壊。
 この崩壊と、崩壊に至るライオンズの一戦一戦が、体調を崩すきっかけだった。
 伊原ライオンズは僕のメインエンジンだった。

★新コンセプトがはっきりしないからといって、旧コンセプト(=偽コンセプト)で再開することはできない。
 それをやるくらいなら、HP&BLOGは破棄したほうがいい。
 実際、BLOG(職員室通信:魂の表現形式として)は破棄した。
 でも、だからといってこのままだと「野垂れ死に」の恐れもある(ノ△・。)。
 そうだ、苦しみつつ、大切なことを思い出した。
 たしかに「職員室通信」のコンセプトは崩壊した……伊原ライオンズも崩壊した……が、「HPのカタチ=僕の存在のカタチ」という永遠のコンセプトは生きている。

 ま、体調も復活したこともあり、「僕の存在のカタチ」に関わる「更新」だけは再開することにした。

 今、「新コンセプト」のカケラ、断片、パーツを、必死で集めている。
 このことについては次回に書くことにする。

★画像=けさの散歩の光景。


  ★模擬授業者は、このBLOGでおなじみの乱氏T  

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★6/4(水)本校で、県教育委員会主催の「初任者研修会」が開かれた。
 参加者は、今年度、本市や近隣の町村の中学校に採用された「先生」たち16人。

 まず、冒頭、「知的で楽しい授業を創る基礎・基本の修業 ~プロ教師への道 ~」(本校の第1モットー)と題して演習。
 本校の教師修業のメインである「模擬授業」だ。
 場所は、先日、教育実習生が模擬授業をやった、校舎2階の、校庭に突き出した特活教室を使った。
 校庭に人影はない。
 プールも静寂に包まれている。
 ヤマボウシが満開だ。

 模擬授業者は、このBLOGでおなじみの社会科・乱氏T(題材=「日本の都道府県」)と家庭科・都島T(題材=「健康で快適に住むために」)が、10分間ずつ、新採用の先生たち16人を生徒役にして授業を行った。
 通常は、模擬授業10分間のあと、指定発言者コメント2分間(1人1分)、生徒役コメント1分間、講師コメント2分間、計15分間でやる。
 今回は、模擬授業10分間のあと、残りの5分間をぜんぶ「生徒役コメント」にあてた。
 ①「おお! これはスゴイ!」という点と、②「わたしだったらここはこうする」という点(代案)について、こちらから列指名・個人指名するカタチで発表してもらった。

 やはり、僕らの普段の模擬授業とは雰囲気が異なる。
 新採用者だから……というのではなく、模擬授業に慣れていない初々しさがあった。
 なお、教育実習生は、教室の後ろで県教委スタッフといっしょに、距離を置いて参観した。
 実習生の目に、きょうの光景はどんなふうに映るのだろうか?

★初任者といっても、今年3月に大学を卒業して採用になった人は16人中2人だけだ。
 他はみんな講師経験がある。
 講師経験が14年間、11年間という人もいる。
 だから、代案にもキラリと光る内容があった。
 充実した時間だった。
 当初の予定では模擬授業終了後、僕の十八番「学校の教育独占体制(丸抱え体制)を糺す」について5分間、高言を吐く(*^_^*)つもりだったが、時計をみると、時間がまったくない。
 「ふしぎだなぁぁ? そんなはずはない……」と思っていたが、あとになって、教委のスタッフが僕たちに割り当てられた時間のうちの5分間(も)使って僕たち3人(乱氏T・都島T・僕)の紹介に充てていたことに気づいた。
 反則である。
 僕らは通常、1分1秒を強く意識して学校運営をやっている。
 信じられない弛みである。

★演習のあと、次の7つの授業を公開した。

 国語(3年4組)=広告・宣伝文を作ろう
 社会(1年4組)=世界の姿と様々な地域
 数学(1年3組)=正負の数~四則の計算~
 理科(3年3組)=運動とエネルギー
 英語(2年3組)=プログラム2 過去進行形
 美術(1年2組)=レタリング
 保体(3年1・2組)=救急法

 この7つの授業について、授業後、本校で使用している保護者用「授業改善のためのアンケート表」および生徒用「授業評価票」を参観者に配り、記入してもらった。
 ほとんど「激甘」のコメントだが、たまにはこういうコメントもうれしい。
 それに「甘」えて、気に入ったコメントをコピー。

 社会の授業――
 〈MINAMI中の「授業力向上の5原則」をわたしも生かしていきたい。
 きょうはの授業は特に「1人1人のがんばりに気づき認める」という点ですばらしく、生徒を「社会の授業を受けたい」という気持ちにさせる。〉

 理科の授業――
 〈発問に対して答える生徒がとても生き生きしていた。
 みんなが手をあげるし、積極的に実験に参加していた。
 教師の話を聞く姿勢、板書をすぐにノートに写す態度もすばらしい。
 雰囲気がとてもいいのが印象的だった。〉

 〈生徒がしっかりと授業者の方を向いて話を聞いていて、とてもよい雰囲気の授業だった。
 発問に対して答える生徒もとても生き生きしている。
 テンポがよく、生徒の興味を引きつける工夫がされている。〉

 〈生徒の教師の話を聞く姿勢がいい。
 板書をノートに写すスピードがすごい。
 驚いた。〉

 〈授業者と生徒のコミュニケーションがとてもうまくとれていて、こちらも引き込まれて参加した。
 一方的に教え込むのではなく、実践的に問題解決をしながら課題を追究していくところが参考になった。〉

 国語の授業――
 〈授業の展開にメリハリがあった〉
 〈テンポのよい授業だった〉
 〈生徒たちに課題解決能力が身につく授業だ〉

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  ★授業は学校の命。さらに正確にいうと、授業が学校の命  

★さらに、「演習」&他の感想も、いくつかピックアップ。
 感想文から、演習の様子等を想像していただきたい。

 〈MINAMI中学校の雰囲気に感心した。
 明るいあいさつ。
 授業での意欲的な姿勢。
 朝と帰りの会でのすばらしい合唱。
 大阪野郎T(註①)は「学校は3日でよくなる。しかし、3日で壊れる」とおっしゃっていた。
 教師集団がその気になることと、一瞬一瞬を大切にしていくことが大事なのだと考えた。〉

 〈MINAMI中学校の雰囲気が落ち着いていると感じられるのは、やはり教師が授業を大切にしているからだと思いました。
 「授業以外でいい学校をめざそうとすると落とし穴に落ちる」という大阪野郎Tのことばは絶対に忘れません。〉

 〈10分間の模擬授業を2つ拝見したが、どちらの授業も「えっ? どうして?」と感じ、その答えを知りたいと思う授業だった。
 また2人の先生が「え~っと」や「あの~」や「~と思います」というムダなことばが一切ないことが非常に印象的だった。〉

 註①=大阪野郎Tは「僕」のこと。

★もちろん、県教育委員会主催の研修会であり、かつ会場校の授業に対して辛口の感想は書きにくいだろう。
 大甘な感想である。
 しかし、やはりほめられると教師もうれしい。
 僕たちが教師という職業を選択したのは、生きる糧を得るとともに、「教師という仕事に自分の人生がある」「50分間の授業に自分の人生がある」と思ったからだ。
 彼等の感想は、僕等の人生への応援だ。
 新しく教師になった人たちの批評を真摯に受けとめ、プロ教師として、あるいはプロ教師をめざして、これからも教師修業を継続していきたい。

 最後に最後に、「授業以外でいい学校をめざそうとすると落とし穴に堕ちる」というのはホンマである。
 絶対に忘れないでほしい。

 授業は学校の命。
 さらに正確にいうと、授業が学校の命。
 授業の質(授業中のつまずきに対する授業後の処遇も含む)に関わる危機こそが、学校危機の本質だ。
 学校の危機というと、事故によるケガや外部からの侵入者による事件、あるいは「いじめ」などが注目されがちだが、授業そのものの「品質」、すなわち、授業でていねいな指導がさなれているか? きちんと学力保証がされているか? 生徒の権利が守られているか?……等々が、いちばんに問われなくてはならない。
 50点、40点、30点しか取れない生徒を出す授業(つまずき処遇を含む)は、自動車ならリコールの対象だ。

 ただし、このことに関しては、本校にも課題はたくさんある。
 たとえば、授業中につまずいた生徒に対して、放課後、適切な処遇をしようとすると、当然、他の活動(主に部活動)とぶつかる。
 今年の1、2月の教育課程編成会議でも議論したが、展望はつかめず、審議未了になっている。
 はっきりいうが、僕らは「ディスカッション能力」が弱すぎる。
 最重要課題に対して議論ができない僕等。
 学校の危機だよ。



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