職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★学校のルールを優れた教育思想に高める(教師修業シリーズ・職員室通信)

2014-06-25 14:17:20 | 僕のモンマルトル日記

 

職員室通信
★学校の「ルール」を優れた「教育思想」に高める
2014
06.25

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  ◆「ここまで来ることができた、ここでいいんだよ」ときちんと評価する  

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★〈教務週報11号 6/09~6/13――各分掌のコメント〉
 ・総務部=市中体に向けて緻密な計画を。事故・ケガは土壇場にやってくる。
 ・教務部=黒板に向かってしゃべらない。
 ・研修部=短く具体的な作業(音読・ノート・グループ活動等)から達成状況の確認
 ・生徒指導部=けがのない安全な生活を(廊下を走らない・部活動メニューのチェック)
 ・保健部=体調管理に気をつけさせましょう。

 僕のコメント=〔①ビバーク地点(註①)→②目標→③方策〕=情報共有。留意点①ルール設定・厳守②役割分担

 僕のコメントは、なんだか暗号のようになってしまったm(_ _)m。
 生徒や保護者にみられてもいいように意図的にやった。
 同業者なら、このコメントがなにを言っているのかわかるかもしれない。
 特別に手厚い保護が必要な子どもたちへの対応に関する「暗号」だ。

★註①=ビバーク地点
 苦しい状況にある子どもについて、問題解決というゴールをめざして取り組んでいる。
 でも、なかなか思うように前進できない。
 その際、その停滞地点を、ゴールに向かうための「ビバーク地点」ととらえる。
 ひとつ間違えると、さらに滑落したかもしれないではないか。
 今、ここに在ることを、ここに至れたことを、子どもと喜び合おう。
 この喜びを、保護者や他教職員と共有しよう。

 「ビバーク地点(ここ)」の例――
 ①家庭訪問して保護者と定期的に面談できるようになった。
 ②家庭訪問して生徒と定期的に面談できるようになった。
 ③生徒が1週間に1度、保健室に通うようになった。
 ④保健室に毎日通うようになった。
 ⑤職員室近くの小教室に通うようになった。
 ⑥学年棟の小教室に通うようになった。
 ぜんぶ、ビバーク地点だ。

 僕にもこんな体験がある――
 ある朝、いつものように学年棟の小教室に行ったら、その生徒は通学リュックを背負ったまま椅子に腰掛けている。
 「リュックを下ろして朝自習の準備をしようよ(*^_^*)」(僕)
 「わたし、きょうから教室に行くことにしました」(生徒)
 もちろん、こういう日が来ることを願っていろいろ手は打った。
 しかし、こういう日が来ることもあるし、来ないこともある。
 来なくても、ここ(学年棟の小教室)に至り、ここに在ることがラッキーだ……という気持ちが大切だ。
 これが次の一歩への力になる。

 苦しい状況にある子どもには――
 ①「ここまで来ることができた、ここでいいんだよ(ビバーク地点として)」ときちんと評価する。
 ②(そのうえで)われわれが、今後の目標、方策を具体的に検討→実行する。
 ビバークは不本意かもしれないが、「拠点」のひとつだ。
 「拠点」として明確に位置づけることにより、ビバーク地点からの前進が可能になる。
 また、あるいは、意味のある後退も可能になる。


  ★学校の「ルール」を、すぐれた「教育思想」に高める  

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★4校時主任会の話題から――

(1)中途半端で、あいまいな表現を廃す。
 僕の発言を「発言記録」で読み返すと――ま、発言中に自分でも気づいているのだが――あいまいな表現が多い。
 特に文末。
 自信がないからか?(←たぶん)
 性格のきついブタと思われたくないと思っているからか?(←それもあるかもしれない)
 断定すべきところは断定しないと、地域の人々、保護者、生徒等に、いい加減な、ヘラヘラしたヤツという印象を与える。
 例――
 ×「~ようです」→○「~です」。
 推定とか比喩とかで使うならいいが、そうでないなら「~です」と言い切るべきだ。
 ×「~したいと思います」→○「~します」。
 ほとんどの場合、この「思います」に意味がない。
 ムダなことばだ。
 ×「~させていただきます」も、内容的に適切な場合はいいとしても、そうでない場合はいっさいやめるべきだ。
 この言い回しの頻発は、ヘラヘラとした印象とともに、相手を不快にさせる。
 
(2)危機管理の基礎・基本を再点検しよう(各校務分掌)。
 僕は危機管理に弱い。
 僕だけではない。
 教職員というのは、危機管理に弱い人種だと思っている。
 危機管理は粗く、①「予知・予防」の段階と、②(事が起こってからの)「対応」の段階に分けられる。
 同僚を観察していると、次の4タイプ分類できる。
 A型=①予知予防に強い。②対応に強い。
 B型=①予知予防に強い。②対応に弱い。
 C型=①予知予防に弱い。②対応に強い。
 D型=①予知予防に弱い。②対応に弱い。
 おおざっぱに「教職員というのは、危機管理に弱い人種だ」といったが、よくよく観察すると、たしかにA型は少ないけれども、B型やC型の人は結構いる。
 ま、D型もいるけど……。
 だから、違うタイプの人同士で、危機管理に関してディスカッションすることが大事だと感じている。
 この観点で日常の会議のやり方も改善しなくてはいけない。
 事があったとき「こうすべきだったのでは?」「こうしていれば起きなかったのでは?」と問い返し、後悔し(あるいは、問われ、立ち往生し)学校が危機に陥ることは絶対に避けたい。
 なお、僕はC型だ。
 予知予防には極端に弱いが、正面突破の対応策なら自信がある(^_^)v。

(3)指導力向上の5原則②=「指示・発問は全員に、短く限定して述べる」の再点検。
 言いにくいことを言うけれども、一部の教職員に不適切な指示の仕方・指示の内容がある。
 毎年4月に定期異動があり、転入教職員があるのだからこれは当然だ。
 しかし、放置していると、確実に学校危機に至る。
 教師修業も、昨年度の成果のうえに新年度の修業内容を積み重ねるという発想と同時に、念のために「原点」からスタートするという発想も。→今年度の修業内容の組み替え。

(4)髪の指導の徹底。
 触角ヘア厳禁。

(5)窓の開閉ルール――開けるときはガラス窓を真ん中にそろえる――を通して、知性を育てる。
 空き教室時の整理整頓、戸締まりも同じ。
 「ルール」を、すぐれた「教育思想」に高める。
 関連して、本校の体育館・音楽室が常に、隅々、整理整頓されている。
 この「常に」というのと、「隅々」というのが、スゴイと思う。
 こういうことが、学校の安定と品格につながる。

(6)卒業生の高校生活の状況。
 ①順調→順調(中学校時代「順調」だった子どもが、高校でも「順調」にやっている……という意味。)
 ②不調→順調
 ③不調→不調
 ④順調→不調
 これらの分析結果をつぶさにみると――
 ②と③は、その理由がおおよそ見当がつく。
 この「認識」を全教職員で共有し、現生徒の指導に生かす。
 ④は、やはり心底、ショックである。
 高校側と連携して、原因を探らなくてはいけない。
 また、③④の生徒に対しては中学側として具体的な対応&支援策を検討しよう。

(7)本校の「経営の重点」について。
 経営の重点は次の5つだ。
 ①学びの喜びと確かな学力の保証をめざし、知的で楽しい授業を創る基礎・基本の修業を徹底する。
 ②学校・家庭・地域が協働できる教育システムづくりをめざし、小・中PTAを核にすこやかみなみネット事業を推進する。
 ~ 保・幼・小・中の連携(垂直軸)に依拠した学社連携・融合(水平軸)の推進 ~
 ③自他のよさや可能性を認め、互いに高め合う生徒の育成をめざし、生き方の原理・原則を重視した心の教育を充実する。
 ④安全・安心な学校をめざし、危機管理の基本を踏まえた安全管理と事故防止を徹底する。
 ⑤朝、起きたとき、どの生徒も「行きたい!」と思う学校をめざし、豊かな教育環境の創出に努める。
 ズバリいうと――

 ①「知的で楽しい授業」については、各種データから一定の成果を確認することができる。

 ②「学校・家庭・地域が協働できる教育システムづくり」については、①の2倍くらい荷の重いターゲットだが、①を5段階評価の「5」とすれば、「3の上」くらいの成果が上がっている。
 PTA幹部、地域リーダーにめぐまれた結果だと思っている。
 なお、念のためにいえば、すこやかみなみネット(地域教育コミュニティづくり)と、教委が展開しつつある「地域密着型」とは、似て非なるものである。
 教育思想がまったく異なっている。(詳細は、後日、号を改めて記述する。)

 ③と⑤は、わたしたちの力不足から、ずっと見通しが立たない状態だった。
 「生き方の原理・原則を重視した心の教育」は、単なるお題目だった。
 また、「朝、起きたとき、どの生徒も『行きたい!』と思う豊かな学校環境」についても、歌声が響く学校という財産に甘えすぎて、次の手が打てていなかった。
 これが、今年度になって、各分掌の努力によって、かすかな光が見えてきた。(この「かすかな光」については、本日は、時間的、肉体的な余裕がないため、詳細は、後日、号を改めて記述する。)

★画像=6月初旬、本校を会場に開催されたminami小・MINAMI中連携研究会の様子。
 今年度は、これまでの教育課程外連携・融合にくわえ、教育課程内連携・融合でもはっきりとした成果――連携・融合してこの実践を継続していけば一定の成果が得られるというはっきりとした実践の「カタチ」――に至れそうだ。



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