職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★これがプロ教師とアマの差だ(教師修業シリーズ・職員室通信)

2014-06-23 18:31:45 | 僕のモンマルトル日記

職員室通信
★教員採用がドラフト制なら競合が予想されても僕は彼を1位指名する
2014
06.23

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◆「業務」を支える「感じ」メモ

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★なぜか、とんでもなく早い時間に起床。
 TVのリモコンをカチャカチャやっていると、ある局で、昨日のライオンズ対DeNA戦の7回裏、DeNA山崎のセカンドゴロが内野安打になる間に、3塁ランナーがホームイン、決勝点をあげる場面をやっていた。
 セカンドが金子ではなく、うまいセカンドだったらアウトではないかと思った。
 金子は2回裏にも3回連続ミス――①ライナー捕球ミス(記録はヒット) ②ゴロ捕球ファンブル ③ゴロ処理もたつき――ミス1回につき1失点、計3失点にからんでいる。
 TVニュースが次の試合に移ったので、僕はキッチンに入った。
 あいにくコーヒー豆がきれていた。
 普段だと、即、手鍋焙煎をやることになるのだが、どうせやるのだったら、この不快な気分を切り替えたいし、ま、時間もじゅうぶんあることだし……ということで、ここ2、3日、頭の中で構想していた「新型手鍋焙煎器」をつくることにした。
 ニッパーで金属製ザルの補強ワイヤーを切り、下部のフレームと補強ワイヤーを取りはずす。
 上部のフレームは残す。
 それを手鍋の内側にセットする(画像参照、上=焙煎終了、下=焙煎開始)。
 ザルの底と鍋の底のスキマは1センチ。
 手鍋だけで焙煎をやると、ガス火の熱が豆の凸凹の凸の部分に伝わり、全体に通りにくい。
 網を敷くことにより、まんべんなく熱が通るかもしれないという発想だ。
 マンデリン80グラム、グアテマラ20グラム、モカ20グラムをザルに入れて焙煎スタート。
 通常、手鍋焙煎は軍手をはめ、手鍋の豆をカシャカシャ振りつづけるのだが、今回は、鍋を五徳の上に置いたまま、網の上の豆をカレー用のスプーンでかき混ぜながらやった。
 トロ火で蒸らし(水抜き)→中火で1ハゼまで→やや火力を落とし2ハゼ少々。
 いつもより1ハゼが短かった。
 水抜きが完璧だったということか?
 これは、よくわからない。
 飲んでみた。
 香りは変わらない。
 しかし、味は微妙に違う。
 ただ、これは昨日、ライオンズの、12球団中もっともみっともない敗戦で気分が落ち込み(←異常な状態)、今、さらにニュースで念押しをされた直後……ということが影響しているかもしれないので、現時点で、味の詳細は記述しないことにする。


★教員採用がドラフト制なら競合が予想されても僕は彼を1位指名する

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★6/16(月)、乱氏Tに誘われ、大学生――先日の教育実習生の模擬授業研修で紹介した彼等のうちの1人――の授業を観にいった。
 模擬授業で指摘した「黒板に向かってしゃべらない」ということが完璧にできている。
 下手な俳優は、親が息子の首根っこを押さえ「この親不孝者が!」とぶつ場面で、「セリフ」と「ぶつしぐさ」を同時にやってしまうが、上手な俳優はセリフのあと、そのセリフにこめられている幾種類かの思いをこめて、きっちりとぶつ演技をするといわれる。
 授業者が、板書事項を指して語る(説明する)場面もこれに似ている。
 きっちりと「指し」つつ、きっちりと生徒と目を合わせ、きっちりと「語」らなければならない。
 きょうのT実習生は、これが出来ている。
 感心、いや、感動に近い気持ちで眺めた。

 T実習生には、やや失礼な言い方になってしまうけれど、「黒板に向かってしゃべらない」という、たったこれだけの努力で、瞬間、瞬間に限定しての話だが、黒帯のプロ教師に見える。

 指示・発問・語りのリズムもいい。

★生徒への説明の過程で、重要部分や重要単語を押さえて、一斉音読させる場面について。

(1)「音読はパワー、いつでも音読、なんでも音読」。
 T実習生の指導者である研修主任・公麿Tが得意とする手法である。
 これを短期間でよくマスターしている。

(2)プロの教師がこの手法を取り入れている授業場面ではなく、実習生が取り入れている場面を見て、ポイント音読の学習効果の高さを再認識した。

(3)「住居」を、生徒が「ジュウイ」と読む場面があった。
 欲をいえば、(ま、国語教師からすると)、ここは、正しい読み方を教えた上で、一斉音読させ、さらに「念のために」と、もう一度、一斉音読させてほしい場面だった。
 いってみれば、社国連携だ。
 国語科でやっている。
 社会科でもやっている。
 おそらく理科や技術家庭科など、他教科でもやっている可能性があるし、これはまた「話す力」や「聞く力」などについてもいえる。
 複数の教科が連携&融合することによってこそ、これからの社会で求められる「言語力」が育成できる。
 本校の「教科企画書」――教科で現在、取り組んでいる学習内容を、職員会議で他教科の教員に提示し、具体的な連携&融合を働きかける――のねらいはここにある。

(4)生徒が一斉音読のときの発声と、個人音読のときの発声の区別ができていない。
 個人で音読の指名を受けたときは、1人で学級全体に聞こえるように読むのだという気合い、ギアチェンジが必要だ。
 ギアチェンジができる生徒に。
 本校の課題だ。
 これができるようになると、本校はさらに変わる。

★次にT実習生の課題(=代案)を列挙する。

(1)逆接ではない、中止法の「が」は、指示場面では使わない(論文でも使わないほうがいい)。
 ×「教科書には※※※が書いてあるんですが、~ページを開きましょう」
 ↓
 ○「教科書には※※※が書いてあります。~ページを開きましょう」

(2)①発問し→②個人指名し→③解答を発表させて→④「はい、正解」とやるケースで、①発問が全体のものになっていない。
 ③④「解答」が全体のものになっていない。
 全体のものにできるか? できないか?
 プロとアマの差だ。

(3)さらに、④正解の生徒に対して「がんばりの認め方」がワンパターン。
 「いいですね」とほめるにしても、最低、3通り、いや、5通りはもちたい。
 「すごい」だって、同じ。
 ひとりひとりをほめる短い言葉を、たくさんもっていて、それを瞬間、瞬間、ポンポンと発する指導者になってほしい。
 ほんの一言の、ことばがけが、子どもを成長させる。
 変容させる。
 ま、これは僕の課題でもある。
 MINAMIの教師全体の課題でもある。

(4)上記の解答場面について。
 達成状況がチェックできていない。
 問題が3つのテーマに別れ、そのテーマごとに小問がいくつかあるという構成。
 僕だったら、テーマごとに「全問正解した人?」「4問正解した人」とやって、達成状況をチェックする。(時間の関係もあるから、全テーマについて、やる必要はない。)

(5)授業はいくつかの段落で構成されている。
 この「段落」の輪郭がぼんやりしている。
 新しい段落に移るときに、前段階をまとめ、次段階の目標を提示し、さあ、ここから新しいステージへいくんだという意識づけ、切り替えが必要。
 合わせ技として、同時に、机を整とんさせたり、姿勢を正させたり……ということもある。
 授業の「段落」がぼやけると、授業はたるむ。
 重くなる。
 ここもプロとアマの差が大きく出た。

(6)作業させるとき、当然、時間を指定する。
 授業者のほうから一方的に時間を指定している。
 授業者が一方的に「2分」とやるのではなく、生徒自身に「自分だったら何分でできるだろう?」「先生は何分っていうんだろう?」と考えさせる――考えさせるだけでいい。
 この――一瞬の間がやる気につながる。

(7)実習生が筆順がまちがえて板書した漢字がある。
 瞬間、国語教師である僕は、構造的責任を感じてしまったm(_ _)m。(課題、以上)

★もちろん、プロ野球のピッチャーが9回完投するように、50分完投というわけにはいかなかったが、テレビドラマを撮るときのように、カット、カットでやると、いいドラマになるという感じの授業だった。
 すばらしい才能だ。
 教員採用がドラフト制だったら、かなりの競合が予想されても、僕は彼を1位指名する。
 ただ、こういう超・優れた人材は公立学校の「教師」という職業を選んでくれないかもしれない。

 彼の今後に明るい光が射すことを祈る(^_^)v

★画像=上からT実習生、授業風景、乱氏T。



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