WALKER’S 

歩く男の日日

大河ドラマ

2015-03-19 | 日記

 女性を主人公にした大河ドラマはおんな太閤記(81年)いのち(86年)春日局(89年)花の乱(94年)利家とまつ(02年)功名が辻(06年)篤姫(08年)江(11年)八重の桜(13年) と近年その割合が多くなっていますが、今年の主人公が吉田松陰の妹だと聞いたときには首を傾げざるを得ませんでした。第一松陰に妹がいたことすら知らなかった。大丈夫かなと見始めたのですが、その杞憂は一発で吹き飛ばされました。めちゃくちゃおもしろい、こんなにおもしろい大河ドラマはあったろうかと思うほどです。あまりにおもしろくて本当に久しぶりに司馬遼太郎の「世に棲む日日」を読み返しています。
 「世に棲む日日」は「花神」とともに77年の大河ドラマ「花神」の原作になりました。「花神」の主人公は大村益次郎、それだけでは不十分と見たのか吉田松陰と高杉晋作が主人公の「世に棲む日日」を合わせて描くことにしたと思われる。歴史の中では大きな役割を果たした3人ではあるけれど、薩摩や土佐の英傑に比べるとどうしても地味な活動しかしていないと見られるのか、視聴率は過去3年が24%だったのに対し19%とふるいませんでした。翌年、翌々年は26%だったからこの年だけが如実にへこんでいます。幕末維新は2年おき3年おきで描かれていますが、長州がメインで描かれることはこの年以来一度もなく「花燃ゆ」が実に38年ぶりのことになります。

 野山獄を出るとき、最後の句会で高須久子(井川遙)は獄中にいて句も詠まなかったのですが、「世に棲む日日」では、久子も参加して「鴫立って あと淋しさの 夜明けかな」 という句を詠んだと紹介されています。