サリンは副交感神経を過大に刺激する毒物だそうです。
P.149 生理的範囲を超えた縮瞳や、毛様体筋の過剰な収縮させたり、
(中略)眼瞼けいれん、眼球運動障害などがあり、
(中略)サリンによって中枢神経の伝達系に生じた障害と考察。
P.152 サリン事件から何年も経過してから症状が出現したり、
悪化したりするケースもある(=晩発異常)
このような未知の中毒が生じた場合、本当は予断を許すことなく、
虚心坦懐に症例を診て、訴えの主体は何なのか探求することが
医師の真の使命であると思います。
ところが残念ながら、臨床で経験したり、本で勉強したり
したことには強い意志も未知のものは苦手なのか、
拒絶的だったりする傾向があります。
診ても短絡的に「異常なし」とか「気のせい」といって軽視し、
その使命を放棄してしまっていると思われるのです。
それでは被害者は救われないし、
外傷医学、中毒医学の進歩も望めません。
という訳で、不運にも未知の症状を伴う事件に巻き込まれてしまったら、
よっぽど頑張って、色々な治療法を試みてくれる<良心的なお医者さん>を、
自分で探す必要があるようです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます