玉肌日記

【四万温泉（群馬県中之条町）】
16年は特に台風による雨の多い印象にあるも、その大雨の中、中之条にある同温泉を訪問。中之条なる街は関越自動車道の渋川伊香保から半時間程度の距離にあるも、この先の草津に行くにはさらに半時間多く走らねばならないことを考えると、適度に至近で良い温泉が散在している好地。その中で四万温泉は最北にあり、中之条の中心部から車でさらに20分程度であるが、その奥座敷に意外なる温泉街があり、中之条の中でもかなり有力な温泉地なのだが、その分、バブルの爪痕も生々しく、今回の訪問は「温泉三昧」を謳う施設ながらも、温泉浴槽は合計6カ所と、全てを回ると結果として湯疲れにてグロッキー気味ともなるバリエーションの豊富さを誇るものの、その広大さの為に所要するメンテや人件費を抑制した結果なのであろう、明らかにケア不足であり、豊富なる温泉資産に慢心しているのか、それとも危機的状態なのか判然としない状態。そして温泉だが、泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉でpH6.3と中庸ながらも温泉感は充分。湧出温度は64.5℃で全ての浴槽が源泉そのままということながら、湧出地ではかなり強いタマゴ腐臭がするのに対して各浴槽ではほとんどその臭気がないのは、入浴適温まで自然放熱させる過程で温度だけでなく、匂いまで抜けてしまったということか。浴槽によっては、無色透明である湯もあれば、細かい茶の湯の華成分が混じる湯もあり、バラツキあり。前回訪問時の印象が良かっただけに期待値が高過ぎたせいもあろうが、ややランクダウンの様相。