蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

べにちょう  湯沢町

2014-06-13 22:36:11 | 日本料理
週末の湯沢に、夜も遅めに到着した。稼ぎ時の冬場とちがい、開いているお店は多くない。
数年前に、こちらが一足先に注文したにもかかわらず地元客の握りを優先された事があり、それ以来訪れていない店だが、近頃の評判は悪くないので、あえて訪ねてみる事にした。


お店の内装は20年前とたいして変わらない(20年前とではお店の名は変わったが)。
何を注文しても、たっぷりとしたもりで出してくるのは、以前と変わらない。それでいて安価で嫌な材料は使っていないようだ。




それではと、注文したのは鯨の味噌漬け。
鯨の脂身を味噌漬し、タマネギをお供に食べる。鯨の脂身は新潟人の好物で、夏場にみそ汁に入れたりするようだ。脂身は熱々のみそ汁に溶け出し、お汁の上部に脂の層を造る。これにより、お汁がさめにくくなる。
これは元気の素である。


続いて、鰤の山掛け。山掛けは、マグロを使うのが多いと思うが、新潟では鮮度の良い鰤が大量に捕れるからか、鰤を使う。出汁の味が、もともと味わいの深い鰤を引き立てる。
これも
納得の一皿である。


締めは鉄火巻き。
マグロの赤身と、もっと脂ののった部位を組み合わせて、なかなかまねの出来ない味に仕上げてある。
お客が次から次とやって来る冬場は別として、それなりにゆっくりできるお店と思ってもよいのかもしれない。



二宮邸  バラ園

2014-06-12 22:32:41 | 自然
この季節の二宮邸の最大の呼び物は満開のバラである。それを狙って、庭園全体が公開される程である。


表門をくぐって右側、昔の米蔵や味噌蔵がある方向がバラ園である。
母屋前の和風庭園よりも、このバラ園の方が賑わっていた印象がある。


バラの寄せ植えの花壇の背景には、ナマコ壁の土蔵がよく映える。


この日、一番気品を感じた白バラ。
盛りは刻一刻と移り変わるだろう。


もう一つ、バラ園の背景として重要なのは木造の倉。


イギリスで言うハーフティンバードを模した意匠がおしゃれである。


下見張りの壁も残されている。
こちらのバラ園、場所を蔵の間の中庭に限定したのが、実に成功した要因だと思われる。
その場所だから、木造の倉を欧州風に仕立てることも簡単に出来たのだろうと想像する。


二宮家  聖籠町(3)

2014-06-11 22:12:20 | 古民家、庭園
二宮家はバラの盛りに合わせて、毎年5月下旬から6月中旬にかけて和風庭園と、バラ園を公開する。


今年も、その時期にこの庭を訪れた。今年は、日差しがきつすぎると感じられる程の晴天であった。


庭の向こうに見える弁天潟は、かつてはこの家の庭の一部であった。
その借景があまりに見事なためか、家の周りの庭には、それ程凝った造りは見られない。




二宮家は茶事をよく行ったのであろう。母屋つづきの離れやの茶室は網代を外装に使った、なかなか凝った造りである。
弁天潟に突き出した茶室は、見事なロケーションに置かれている。


屋敷の内部は公開されていないが、縁側から奥座敷を見回すだけでも、いかにも凝った造りであることが見て取れる。






季節限定で公開されるにしては、訪れる人で中がごった返すような事もない。ゆっくりと、この時期の庭園を楽しむ事ができた。


泰眞  長野県須坂市

2014-06-10 21:48:52 | 蕎麦
地元で人気を博しているお店である。蕎麦は基本的には信州の山間の蕎麦の伝統を受け継ぐ田舎蕎麦。太打ちで平打ち。




口当たりは本当に滑らかで、しかも蕎麦の香りが口の中にふわっとわきたつ。


こちらのお店の売りはもう一つある。揚げきりの見事な天婦羅である。蕎麦に天丼を付けるコースもあるが、ゴールデンコンビだけあり、なかなか手を出せない。


ごく普通に通う蕎麦屋さんとして、ベストのお店だろうと思う。
おそらく、飽きがこないだろう。

武陽山 能仁寺  飯能市

2014-06-09 21:37:21 | 古民家、庭園
開創は16世紀のごく初期、室町中期である。江戸中期には雲水が50名程もいる、大きな曹洞宗の禅寺として栄えた。しかし、1868の秩父戦争そのほとんどを消失した。


現在の建物はほとんどが昭和9年以降に再建されたものである。


伽藍は燃え落ちたとはいえ、能仁寺庭園の石組みまでは失われていなかった。
しかし、庭園が再建されたのは昭和9年以降の事だと思われる。






本堂北側の廊下から眺める庭園は、現在では天覧山のかなり上の方までよく手入れされ、京都の寺に来てしまったかと思わさせる静寂が感じられた。


この庭の一つの中心となるのは、天覧山の斜面の途中にある仏像のような先の尖った石組みから発して、池の際の洞窟へと流れる枯れ滝だろう。




石組みは、新緑の中に隠れるように立つが、周囲の樹を刈り込んでもう少し目立つようにしてやると良いように思う。石組みを見守るように、更に高い位置に五重塔が建つ。


洞窟の隣の、枯れ滝が池に流れ込む滝口のあたりにも、なかなかの石組みが見られる。


この庭のもう一つの中心は、亀島に鶴だろう。
亀島は簡単に見つかるが。鶴の役はもしかして亀島の脇の松の木が担っているのだろうか。


亀島の脇を、大きな鯉がゆったりと泳ぐ。




本堂裏の庭園だけではなく、書院周りの庭もなかなか楽しめる。


百日紅  日高市

2014-06-05 21:23:23 | 蕎麦
川越よりも西にも関東平野は広がるのだが、電車の便は非常に厳しくなる。


お店には、昼食時分を少し外して伺ったつもりだったが、お店の前の駐車場は満杯。人気店であることは一目で分かる。


こちらは曜日限定で、凝った蕎麦を出す。
金曜日限定は粗挽き十割。15時閉店のお店に金曜日に伺える訳はない。




土曜日限定は玄碾。
この勢いを感じられる蕎麦が食べられるだけでも、十分に楽しい。
これは、なかなかのお店である。


シンプルなもりそばにも、ようかんのデザートが付く。
蕎麦前と蕎麦で飲んだお客も、この毒消しがあれば食べ終わった口触りはぐっと柔らかくなるだろう。



高麗郷 古民家  (新井家住宅)  埼玉県日高市

2014-06-04 22:29:31 | 古民家、庭園
新井家は江戸末には高麗本郷村の名主を務めていた。


石垣の上にはおよそ千坪の宅地が広がり、そこに建てられた建築の中心となる母屋は明治初期のものである。


建物が公開されたのはごく近年のこと。駐車スペースは、館とは県道15号線を挟んだ場所にあり、高麗川沿いの小道により、県道をくぐってのアプローチになる。


宅地の土留めとなる石垣は、国の有形登録文化財である。


母屋の規模は大きいが、向かって右半分は土間であり、本当に格式が高いのは左半分である。


土間から上段の間までを見渡せば、このような清生とした姿になる。
欄間の細工なども、見事である。


座敷の外側を通る廊下も畳敷き。
この館の格式の高さが感じられる。




母屋の出居の先に、さらに客殿が増築された。
明治39年の建築だと言う。


この屋敷には樹齢を重ねた見事な庭木が数多く植えられている。


軍ちゃん  高田本町

2014-06-03 22:29:56 | 寿司
昼食にしようと高田の町に着いたのは1時を少し回った時刻だった。今までに入ったことの無いお店を試そうと何軒か様子をみてみたが、ガイドブックでは土曜の昼に営業している筈のお店が閉まっていたり、予約がないと相当待たされる状態だったりして、結果として比較的お手ごろな感じのこちらを選択した。


こちらは能生や筒石の漁港からの直送の魚を食べさせるお店である。
ちらし寿司から、焼き魚定食まで、随分幅広い魚の料理をこなす。


お品書きをよく見ると、1巻ずつにぎり寿司も頼めるので、地物握りを注文した。






奥の列は、左から鯛にヒラメにワラサ。






手前は、カワハギ、イシモチ、アンキモ。
握りは、変にネタが大きすぎなくてスマート。
松竹梅のお任せの桶ものでなく、1カンずつ注文できるのが非常に良い。


締めは地物鉄火巻き。
この日は鰤を使った鉄火であった。


林 富永邸  新緑

2014-06-02 23:37:18 | 古民家、庭園
林 富永邸は年に2回、春と秋に公開されるのだが、新緑の姿を見るのは初めてである。


新緑の鮮やかな色合いが、歴史ある館に不思議な力を添える。


南側の廊下は畳敷きの格式の高いものである。
革張りのソファーは、この館のオーナーのお好みの場所のようである。


最も奥の上段の間には、手水鉢の構えのある縁側が専用にある。
その昔は、ごく限られた人しか垣間みることもかなわなかったのだろう。


せいせいと晴れ渡った空ではなかったのだが、新緑が見事に日の光を反射して、とても明るい姿を見せてくれる。秋の姿とは、確かにひと味違う姿である。


苔の庭から見通す借景が、海を思わせる。
今日まで、この借景が保たれているのは奇跡的な事tに思われる。


あまり目立たないように配置されているのが、この庭には由来のありそうな石灯籠が数多く置かれている。


撮影した時には全く気がつかなかったのだが、奥の間のガラス戸に庭の姿が映っていた。
視野の中に不自然なものが写り込まない環境は、見事としか言いようが無い。