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心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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夏になると

2012年07月09日 | ほんのすこし
スグリ。
可愛い赤い実がぷらんぷらんと。
母の庭で顔をのぞかせている。

スグリを見ると、母の田舎を思い出す。祖父の家先に大きなグミの樹があった。細長く赤いグミが熟すころ よく夏休みいっぱい泊りに行っていたものだ。グミってそんなに甘くなくて、好きってほどじゃなかったけど、夏とあの赤さが妙に頭に残っていて、甘くもないのに 口に入れてみたくなる。
今は そのグミさえ 見ることもなくなった。祖父や祖母が亡くなってから、ずいぶん足が遠のいてしまった。

母の庭にあるスグリは きっと田舎からやってきたに違いない。昔 分けてもらったと聞いたことがある。だからか 母はスグリを大事にしている。
自分の故郷を思い出すもの。思い出の中の人々に会える瞬間。
母は10人兄弟。末っ子は生まれてすぐ亡くなったと聞いた。その兄弟も年々少なくなり、今では母が一番上になってしまった。母と四男の叔父と三女の叔母のたった三人。

寂しいだろうなぁ。

体もあちこち大変になっている母。ときどき訪ねてきてくれる四男の叔父と昔のことを話しているのを見ると、もっと聞きたい!と思う。今の生活からは想像できない生活。野山をかけ 田んぼで遊んだことや、田植えや稲刈りでは本家や分家総出で子供たちも手伝ったこと など、色々なことが出てくる。そういう昔語りができる相手がいつまでもいてほしいと願わずにはいられない。

夏になると 思いだすことがある。
弟とふたり 祖母に連れられて 母の実家に行ったこと。砂利道を子供の足で4キロほど歩いていったこと。でもその道がとても魅力的だったこと。
麦わら帽子をかぶり、ジィーン ジィーンという夏の音を背に 脇水を見つけ飲んだこと。全然 苦にならなかった道のり。今は車で行けば そんなにかからない道、アスファルトに整備されてしまい、あの頃の道はなくなった。周りの景色も少しずつ変わった。でも原風景は残っている。運転しながら通り過ぎるとき、ふとよぎる あの幼いころのわたしたち。
あのとき 一体なにを考えていたんだろう・・・

一日が長く いつまでもあると不思議な安心感があったあの頃。
田舎の家は 祖母と一緒に寝ると 目の先にある板の隙間から星が見えそうだったこと。夜の空は満点の星空だったこと。
なんだか 祖母に会いたくなったよ・・・
祖母のことが大好きで 「自分は年いったら こんなおばあさんになりたい!」って思っていたっけ。
出しゃばらず いつも静かで それでいて そこにその人がいるだけで安心できる そんな人だった。おばあさん もう一度 会いたいな・・・

きっと 母はもっと会いたいんだろうな。
最近 ときどき「歩き方とかじいさんに似てきた」と自分のことをぼやいている。それって わたしも母や父に似てくるってことなんだろうね。年をとると共に 自分の親に似てくること、それが繋がっている証なんだろうね。わたしは 父にも母にも似てたら嬉しいな。

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