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河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

初期変形性膝関節症に対する治療

2022-09-01 | 医学・医療
表題のWeb Seminarを受講した。

学会以外でWeb Seminarを受講することはめったにないが、私は臨床では変形性膝関節症の患者さんを診ることが多いので、最新の知見を知りたくて受講を申し込んだ。

Orthopedics Web Seminar
初期変形性膝関節症に対する治療

演者
古賀 英之 先生(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 運動器外科学分野 教授)

近年の健康寿命延伸への取り組みによる中高年スポーツ愛好家の増加に伴い、中高年における半月板損傷が増加している。
その特徴として、変性を基盤としていること、内反アラインメントを伴う内側半月板損傷が多いこと、半月板損傷や逸脱がOAを惹起することなどが挙げられる。
このような中高年の初期 OAに対する治療戦略として、関節温存術としての膝周囲骨切り術(AKO)による良好な短期成績が報告されている。
一方、従来高位脛骨骨切り術(HTO)で推奨されている外反位へのアラインメント矯正は外側コンパートメントのOAの悪化、コスメティックな問題、スポーツパフォーマンスへの影響、joint line obliquityによる関節軟骨へのshear stressの増大、患者立脚型評価の低下、骨癒合の遅延、膝蓋大腿関節軟骨の変性などの問題が生じうる。
我々は初期OAに対する治療戦略として、長期成績の向上及び上記弊害の減少を期待し,中間アラインメントを目指したAKOによりアラインメントを整えることにより膝関節の荷重環境を適正化した上で、可能な限り半月板機能を温存することにより膝関節機能を温存することを試みている。


視聴した感想

膝周囲骨切り術(AKO)と同時に逸脱半月板に対する鏡視下centralization法を行うというのは、バイオメカニクス的観点からも非常に優れた手術だと思われる。

鏡視下centralization法とは逸脱した半月板をアンカーを用いて内方化させる方法であり、もともと肩の手術で使われていたアンカーを膝に応用したテクニックである。

中高年者の急性期の半月板損傷が疑われる症例ではX-pでは膝屈曲位で後方から撮影するRosenberg 法で関節裂隙の狭小化を確認すべきで、可能ならMRI検査も行い、逸脱半月板が認められれば、膝周囲骨切り術+鏡視下centralization法も検討すべきか。

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