河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

CKCトリビア(CKC meets EMS)

2009-01-16 | CKCトリビア
EMSというのは筋電気刺激のことである。

今日はたまたま最初で最後の川崎医療福祉大学での非常勤講師の日であった。
なぜ最初で最後なのかというのにはちょっとした事情がある。
もともとは川崎医療短期大学医用工学科(治療機器学)非常勤講師の依頼があり、講義テーマが「治療的電気刺激」であった。
前任の非常勤講師の先生が都合で辞めるときに私を推薦したのがきっかけである。
それで、電気刺激のことを教えるのも自分の勉強になりそうだと思い引き受けて、平成14年度から年に1コマだけ短大へ教えに行っていた。
ところが、昨年から短大の医用工学科が閉鎖されることになり、代わりに隣の川崎医療福祉大学に臨床工学科ができたというわけである。
これまで7年に渡って電気刺激を教えてきたということになるが、今度はこちらの事情で来年度からの講義はお断りすることになってしまった。

そのような事情はさておき、電気刺激には昔から興味があった。
私の古くからの研究仲間(そう言っては先方に失礼かもしれないが)の労災リハ工学センターの元田英一先生は脊髄損傷患者にEMSを行って効果を上げていたし、久留米大学医学部の志波直人教授は電気刺激した拮抗筋の負荷を利用して無重力環境である宇宙での筋トレの研究を行っていたからである。

川崎医療短期大学での非常勤講師は年1回の授業のためにいろいろ勉強してたくさんのスライドを用意し、試験問題も作らなくてはならないという私にとっては見返りの少ない仕事であったが、これが現在の研究に発展してきた。
人間困るとそれにつぶされてしまう人とその困ったことを逆に何かに利用する人がいる。
私は明らかに後者であり、せっかく苦労しているのだから電気刺激の勉強したことを何かに活用しようとした。

無理矢理にCKCとEMSをくっつけて科研費に応募した。
ついでに基礎の培養神経細胞を電気刺激する内容も付け加えておいた。共同研究者のK先生の研究内容を確保するためである。
そしたら何とその課題が採択されたのだ。
さらに、その課題の次に申請した課題も採択された。
現在2匹目のドジョウならぬ3匹目のドジョウを狙ってさらに次の課題を応募しているところである。
私にとってはいまやCKCとEMSの組み合わせは非常に重要な研究になってしまった。

EMSを利用してCKCにおける個々の筋肉の作用を解析しているという話は前回記述したが、現在最も力を入れているのは「荷重立位周期的水平揺動刺激と筋電気刺激による筋力増強法の研究」である。
健常人での研究結果は良好で、現在はACL再建術後患者を対象として臨床研究を行っている。
次のステップは高齢虚弱者である。
電気刺激には研究すればするほど魅力を感じており、運動したくてもできない人、運動嫌いな人には最適な治療法ではないかと考えている。
電気刺激にはどうも単純に筋収縮を引き起こすという遠心性の効果だけでなく、従来よく知られている痙性を抑制するという求心性の効果に加えて、脊髄内あるいは脳内の神経再生を促進する効果もあるのではないかと考えられ始めている(Neuromodulation)。
CKCとEMSを併用すると言うところが私のオリジナルである。


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