庭に記念樹や果樹、花を植えている。植物は手入れをすると必ず応えてくれる。
寒肥の今、根の周りを掘りながら、今年も咲いてね、実をつけてねとつぶやきながら施肥する。わけても、このバラに施肥する度にふつふつと熱いものを感じる。
9年前、クリスマスの夜、会合で遅く帰宅した夫が、玄関で迎えた私に、ビロードのような深い真紅のバラを「はい」と、はじらいながらくれた。その時の様子が脳裏に残っている。バラは数日玄関に飾った後、挿し木した。運良く根付き毎年美しい花が咲く。咲かせ続けたい。
出水市 年神貞子 2012/2/20 毎日新聞鹿児島版掲載