晩秋に花開く皇帝ひまわりを仰ぎ見る。天高く伸び、きっと空から夫も眺めていると信じて。
そんな中、キャリーバッグを引いて孫娘が来た。「昨夜から何も食べていない」と元気がない。歩いてきたようで、すわっ、「家出か」と胸が騒ぐ。高校2年、文武両道の自慢の孫である。娘に電話すると「うん、ちょっとね」と言葉を濁す。母親と感情的にぶつかったらしい。2日程寝食を共にし、本人曰く「“山村留学”楽しかった」と帰って行った。
ひまわりも一層輝きを増し、皆を見守っているかのよう。
出水市 伊尻清子 2013/11/17 毎日新聞鹿児島版掲載
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