はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

朝はどこから

2013-11-21 21:06:00 | はがき随筆
 朝はどこから来るかしら。あの山越えて、野を越えて……。朝はカタカタ野菜を刻む音から始まる。真心こもったおみそ汁をこしらえる。父さんの朝食は食パンと牛乳、目玉焼きに果物と、私はできたてのおみそ汁、白飯一膳をいただく。
 「至福のひととき」。いつも明るい台所の家庭から朝が来る。近所のごみ収集場にごみを置く。空に目をやると、スズメたちが電線を貸し切ったように横一線にはばかっている。楽譜の五線上に“フラット”が並列に……。スズメたちよ、朝は山や川や電線から来たのだろう。おはよう、おはよう!
  姶良市 堀美代子 2013/11/18 毎日新聞鹿児島版掲載

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