はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

志布志事件

2016-11-03 12:00:28 | はがき随筆
 志布志事件とは、2003年に行われた県議選において、曽於地区(当時)で初当選した議員の買収容疑事件である。
 志布志町の市街地から遠く離れた山間地の10戸にも満たない同一集落で、4回の買収会合が行われ、現金191万円が授受されたとして、13人が逮捕・起訴されたものである。鹿児島地裁は07年に、あるはずもない事件で、自白した供述調書は、どう喝や脅迫によるもので信用性がないとして全員に無罪を言い渡し、賠償金を支払うよう命じた。事件が起きて13年が過ぎ裁判は終結したが、私は今も、この事件の発端がわからない。  
志布志市 一木法明 201611/3毎日新聞鹿児島版掲載鹿児島版掲載

天国の伯父に

2016-11-03 11:40:20 | はがき随筆
 私が11歳の頃、自宅近くの野菜畑で弟2人と遊んでいた。畑にミカンの木があり、食べごろの実が鈴なりになっていた。食べたい一心で弟たちは木によじ登った。すると、枝や葉が揺れて騒がしい音に。伯父が気付き、大声で怒鳴りだした。きっと収穫を楽しみにしていたのだ。あわてた2人は落ちそうになった。そのとき助っ人なるか、クマバチが伯父の顔に突撃した。「アイタッ」。痛さに耐えられず、腰を曲げて退散。空に響く容赦ない笑い声。子供心を察してと。今では天国で在りし日の笑い話にして、おいやめいを見守ってください。
  肝付町 鳥取部京子 2016/10/31 毎日新聞鹿児島版掲載