はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

天国の伯父に

2016-11-03 11:40:20 | はがき随筆
 私が11歳の頃、自宅近くの野菜畑で弟2人と遊んでいた。畑にミカンの木があり、食べごろの実が鈴なりになっていた。食べたい一心で弟たちは木によじ登った。すると、枝や葉が揺れて騒がしい音に。伯父が気付き、大声で怒鳴りだした。きっと収穫を楽しみにしていたのだ。あわてた2人は落ちそうになった。そのとき助っ人なるか、クマバチが伯父の顔に突撃した。「アイタッ」。痛さに耐えられず、腰を曲げて退散。空に響く容赦ない笑い声。子供心を察してと。今では天国で在りし日の笑い話にして、おいやめいを見守ってください。
  肝付町 鳥取部京子 2016/10/31 毎日新聞鹿児島版掲載

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