2010年3月 4日 (木)
岩国市 会 員 稲本 康代
この季節、あちこちの庭や川土手にうつむきがちに咲いている花が見られる。私の大好きなニホンズイセンである。控えめな姿もかわいらしいが、その香りは心を落ち着かせる。
昨年、知人の案内で上関町のスイセンの群生地を訪れた。小高い丘の一面、スイセンのかれんな花々が咲き満ちて、言葉に表せない感動である。と眼下に原発問題でゆれる祝島があった。反対派と推進派に二分されている町。こんな優しい花があふれている丘の下で……。
言いようのない感情が渦巻いた。今年もまた、スイセンたちは海風に吹かれながら祝島を眺めているだろう。
(2010.03.04 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 稲本 康代
この季節、あちこちの庭や川土手にうつむきがちに咲いている花が見られる。私の大好きなニホンズイセンである。控えめな姿もかわいらしいが、その香りは心を落ち着かせる。
昨年、知人の案内で上関町のスイセンの群生地を訪れた。小高い丘の一面、スイセンのかれんな花々が咲き満ちて、言葉に表せない感動である。と眼下に原発問題でゆれる祝島があった。反対派と推進派に二分されている町。こんな優しい花があふれている丘の下で……。
言いようのない感情が渦巻いた。今年もまた、スイセンたちは海風に吹かれながら祝島を眺めているだろう。
(2010.03.04 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載