里いも

　里帰りした折、夫の母より自慢の里いもをたくさん頂く。この量を２人で腐らせずに食べきるにはどうしようか……と、じ－っと見つめていると、嫁いだ娘の言葉が浮かんできた。
　「ばあちゃんから里いもをいっぱいもらったから、ゆでて冷凍にしたヨ」。そうだ！　その手があったと早速、大鍋でゆでて皮をとる。半分くらいの量になったそれを小分けにして冷凍庫へ。煮物に汁物にと、すぐに食べつくしてしまった。
　泣き虫だった娘も今では家族６人の胃袋を守る立派な主婦。困ったときは彼女の知恵も拝借させてもらいましょうっと。
　　鹿児島市　浜地恵美子（54）2010/3/5　毎日新聞鹿児島版掲載

夢のタマゴ

　「あなたの夢は何？」。運良く今までにこう聞かれたことはなかったし、聞かれることを恐れていた。理由はもちろん私に夢がなかったからである。今年の私は違う。「夢のタマゴ」のようなフワフワした望みが私の心に芽生えている。それは「自費出版」。ハガキを二回り大きくしたサイズの本に、この２年　回で毎日新聞に掲載していただいた文章（はがき随筆、男の気持ち、みんなの広場、毎日俳壇・歌壇、脳トレ川柳）を挿絵人りで盛り込む。大切な知人、友人に読んでもらうために……。
　だから今年の小生はいささかアグレッシブなのであります。
　　霧島市　久野茂樹(60)　2010/03/05　毎日新聞鹿児島版掲載