定年退職を機にすべての肩書きを捨て、ゼロの地点に立ちたいと思った。そこから世の中をじっくりと見たいと思った。
そこで、まず見えてきたのは何と急ぎすぎて欲張って生きて来た、こっけいな自分の姿であった。目からウロコ、とはこのことだ。自分の欲を捨て去った時、初めて素直になり、自由な感覚で真実が見えてくるような気がした。
だが、ひとつだけどうにもならぬものがあった。40年以上も上からものを言い続けてきた妻に対しては、なかなか癖が抜けず、ゼロの地点に立って、ものが言えないでいるのだ。
出水市 中島征士(64) 2009/4/28 毎日新聞鹿児島版掲載
そこで、まず見えてきたのは何と急ぎすぎて欲張って生きて来た、こっけいな自分の姿であった。目からウロコ、とはこのことだ。自分の欲を捨て去った時、初めて素直になり、自由な感覚で真実が見えてくるような気がした。
だが、ひとつだけどうにもならぬものがあった。40年以上も上からものを言い続けてきた妻に対しては、なかなか癖が抜けず、ゼロの地点に立って、ものが言えないでいるのだ。
出水市 中島征士(64) 2009/4/28 毎日新聞鹿児島版掲載