はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ハーモニー

2006-10-22 22:31:13 | アカショウビンのつぶやき
 第29回鹿児島県お母さんコーラスが鹿児島市宝山ホールで開催されました。
結果はともあれ楽しく歌ってきました。
参加した57グループの発表を一日で終えようと言うのですから、リハーサルもなし、分刻みの進行でも、終わったのが18時。少々疲れましたが、初めて参加した私には、多くのグループのコーラスを聴くことがとても良い学びでした。衣装も選曲もさまざま、ご高齢の方が素敵なドレスで、椅子に座ってお孫さんと一緒にハモル…素晴らしいシーンもありました。

 初心者の私にとって英語で歌うアカペラの黒人霊歌は、大きなチャレンジでした。本番で音がずれたらどうしよう…、ハーモニーと美しい響きが出せるだろうか…と。

 然し本番は練習以上に歌えたような気がしました。各グループの方々が書いて下さる、メッセージカードでも、お褒めの言葉をいただき感動。
 初心者の私を辛抱強く指導して下さったY先生、いつも足を引っ張る私を励ましてくださったアルトパートの皆さんにも感謝です。歌声のハーモニーだけでなく、お互いの心も響き合う楽しいコーラスのひとときに魅せられてまた来年にむけて頑張ろうと思っています。
一緒に歌おうね! と約束しながらご主人の転勤で鹿児島市内に引っ越してしまったKさんは、サンドイッチと飲物を差し入れてくださり、帰りのフェリーの中で美味しく頂きました。春にはまた2人の団員との別れがありそう…。離れてもいつまでも歌い続けようね。 アカショウビン

別れのとき

2006-10-22 21:39:14 | はがき随筆
 夫が急性心不全であの世に旅立って、25年目に入った。
 まだ帰ってくるような気がして、遺品の多くが手付かずになっている。
 3人の子どもたちが、
 「そろそろ片付けようかねえ」と、口をそろえて言った。
 この本は見ないだろうか。ピアノは捨てがたいなあ。家具は要らないかな。この家には誰かが入らないだろうか。
 子どもたちと相談をしながら始めるが、はかどらない。
 「思い切らないと大変だよ」
 思い出の品々との別れは、風に傷められたコスモスを見る思いがする。
   阿久根市 別枝由井(54) 2006/10/22 掲載