はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

マタタビ

2006-10-28 22:04:24 | はがき随筆
 6月、霧島に行く途中、沿道の木の枝先が白くなったものがあちこち見えた。近づいて見ると、木にはったつるの花序の葉の一部が白く変化したものだった。つるには梅花のような真っ白の花が咲き、芳香を放っていた。この清楚な花はどんな実がなるだろう。
 先日、そのことを思い出し見に行った。鮮やかな白い葉は深緑ににごり、つるには長円形の先のとがった実と、丸くてこぶを集めたような実の2種がなっていたのが不思議だった。高くはったつるを見上げた。まもなく黄葉して秋を彩るだろう。図鑑で2種の実がなるからマタタビの名のことも知った。
   出水市 年神貞子(70) 2006/10/28 掲載
写真は花調べさんよりお借りしました。