はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

5時40分の空

2006-10-16 17:17:30 | はがき随筆
 9月もいよいよ終わり秋もたけなわとなる。待っていた割には、秋は短くあっけなく終わってしまうが、他の季節と違った優しさと寂しさがあって好きである。今5時40分の空が美しい。毎朝4時前に起き、5時半に外に出てみるが、5時40分前後の空は素晴らしい。空が夜と朝の接点を見せて、美しい色に染まり肌寒い風がまた心地よい。毎朝見ているが同じ空は二度とない。人間の知恵をはるかに超えた自然の美しさである。空にみとれてしばらく歩く。私の一日はいつもそこから始まる。残り少なくなった人生を有意義に過ごしたいものである。
   志布志市 小村豊一郎(80) 2006/10/16 掲載