kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

特効薬

2023-02-15 06:08:32 | 日記
市場も予想していなかったシチズンの突然の大幅な株主還元策は手詰まり感のある市場
では大きな注目を集めたようです。13日、発行済み株式総数(自己株式を除く)の25.61%
にあたる7500万株(400億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しました。

大日本印刷が物言う株主対策もあり中期経営計画策定に向けた基本方針を公表し、資本
効率の改善に向け株主還元を強化すると明言したことをキッカケに急騰しPBRが1倍を
大きく下回る銘柄に投資家の注目が集まっていた地合いでこれ以上ない材料を提供しま
した。

東証もPBR1倍割れ銘柄企業には改善をこれまで以上に迫るような政策を打ち出しただ
けに永らく万年割安市場と言われた東京市場でも地殻変動がおきる兆候が出てきました。
第二の大日本印刷やシチズン探しが今年は年間を通して周期的に市場に巡ってくるかも
しれません。

物言う株主の台頭だけでなく機関投資家も個人投資家も持ち株が万年割安株という評価を
覆せない経営陣への苛立ちは募ってきています。政策保有株に対しての風当たりの強さも
ありこれまでの延長線では株主総会を乗り切ることさえできません。上場企業の半分近く
がPBR1倍割れという事態では欧米市場では考えられません。

永くこの状態が続けば買収の対象になったり、経営陣の交代が欧米では当たり前のように
出てきたでしょう。日本企業の持ち合い構造がそれを可能にしていましたが、既に至る所
にほころびが目立ってきました。安定株主の下で大胆な改革を先送りしてきた企業には改
善が待ったなしです。

もっとも大幅な増配や自社株買いは資本効率の短期的な改善には有効ですが、企業が持続
的に成長するためには稼ぐ力を高めなければなりません。成長ストーリーとセットでなけ
れば株高も短期的なものに止まるでしょう。

注目の米CPIは鈍化しましたが、市場予想は上回わりました。インフレの高止まりも警戒さ
れています。一部には3月の0.25%と5月の0.25%それに6月にも利上げにFRBは踏み切るの
ではないかという見方も出ています。市場には年内の利下げ期待がこれまで一定程度ありま
したが、ここにきてFRBが従来示していた利下げは2024年というシナリオに近づいてきた
ようです。

CPIの結果を受けても市場の反応が限定的だったのは事前にある程度予想を上振れるという
見方があったのでそれ程サプライズ感が無かったからでしょうか。ダウは小幅安、ナスダッ
ク指数は小幅高でした。為替が133円台まで円安に進んだことで日経平均は高く始まりそう
です。もっともこの程度の円安では2万8000円手前の水準を超えることは難しようです。
当面は株主還元期待で低PBR銘柄中心に個別物色が続くのでしょうか。

コメント
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