kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

トヨタvsテスラ

2023-02-10 06:51:15 | 日記
9日市場注目のトヨタが決算を発表しました。通期の営業利益は2400億円を据え置きました。
既に発表になっているデンソーなど取引先企業が下方修正したことから警戒感もありました
が、それは杞憂に終わりそうです。いつも慎重な見通しを出すトヨタですから今後上方修正
されるのではないかという期待もあったようです。

そのカギはトヨタ・レクサスの生産計画は前期比6%増の910万台と、従来(920万台)から
10万台引き下げましたが、市場では900万台まで引き下げるという見方もありました。まずは
計画通り910万台の生産を出来るかどうかです。

経済紙のネット記事では「トヨタ自動車の稼ぐ力が資材高を受けて弱まっている。2022年
4〜12月期の原材料高の負担は前年同期から1兆1000億円増え、お家芸の原価低減や車の値
上げが追いつかない。電気自動車(EV)専業の米テスラは純利益でトヨタを猛追。1台あた
り純利益ではトヨタがテスラの5分の1にとどまる。」との掲載がありました。

もっともトヨタは取引先の原材料高を肩代わりしたこともありコストアップが円安効果を消
したことや半導体不足で生産が計画通り進まなかったことも考慮しなければなりません。
確かに昨年はテスラに収益力で大きく水をあけられましたが、生産が正常化し値上げが効果や
原材料価格が落ち着けば余程の円高にならない限り稼ぐ力は回復しそうです。

トヨタは昨年の生産台数はテスラの7倍です。ガソリン車からHVそして燃料電池車やEVまで
幅広い約50車種を展開する世界最大の車メーカーです。一方テスラは4種車でEV専業です。
テスラが今後生産台数を増やすうえで車種も増えていきます。その場合でも現在のような利
益率を維持できるかどうかはまだ判断できません。

またテスラはEV市場で高いブランド力を獲得してました。昨年は原材料高を相次ぐ値上がも
実施し高い利益率を保ちました。しかし昨年中国市場ではBYDが猛追しテスラの独り勝ちで
に陰りが出てきました。テスラは一転値下げで対抗しました。値下げで販売が回復している
ようですが、この勢いが今後も続くかはまだ分かりません。値下げで今度はブランド力の低下
という負の部分も出てくるかもしれません。

今年以降世界の大手自動車メーカーは続々とEV市場に多くの車種を投入します。場合によっ
ては一気に競争激化が進みEV市場はブルーオーシャンからレッドオーシャンに変わってしま
うかもしれません。序盤戦はテスラやBYDの先行勢有利でしたが、中盤戦にどこが抜け出す
のかはまだ分かりません。
コメント
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