kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

低PBR株物色

2023-02-12 09:25:40 | 日記
9割の企業が決算発表をすませました。11月、12月と急激に円高への揺り戻しもあり
市場予想以上の業績下方修正に追い込まれる企業が例年よりも多いように感じます。
一方逆風にも拘わらず好調な決算を発表するようなサプライズもあるようです。

例えば景気減速と円高への反転で警戒されたセクターでは機械・電機セクターでファ
ナックやDMG森精機は海外売り上げが高いにも拘わらず円高のマイナスをカバーする
ように業績好調で株価は一段高になりました。

多くの輸出企業が円高への反転で下方修正に追い込まれる中で好調な企業は市場シェア
の高さや競争力の強い製品で値上げが通りやすいなど優位性を発揮したようです。円安
なら輸出関連セクターが丸ごと買われるとか反対に円高傾向なら売られるとか株式市場
は時として一律に判断して動くようですが、今後は益々個別企業の調査が重要になりそ
うです。

先週は大日本印刷の急騰から同業の凸版印刷や神戸製鋼などPBR1倍割れ銘柄の一角が
人気を集めました。神戸鋼の人気の背景には低PBRだけでなく業績好調も影響していま
す。鉄鋼セクターは大手2社でも明暗が分かれました。

業界トップの日本製鉄(PBR0.62倍)は業績好調を背景に年初来高値を更新しています。
一方JFEホールディングスは(PBR0.42倍)業績下方修正で48%利益が減少するという
決算発表で急落しました。低PBR物色と言ってもどんな改善が見込めるのかで評価に差
が出るようです。

大日本印刷は3000億円を超える政策保有株があります。その中でもリクルート株は1700
億円を占めます。これまで持ち株を圧縮してきましたが、改善余地がありそうです。持ち
合い売却で成長投資に振り向けたり自社株買い期待が人気の背景です。

1月には米著名アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントが同社株を保有
していることが伝わっています。会社側も早々に対策を発表しました。25年度を最終年度と
する3カ年の中期経営計画策定に向けた基本方針を公表し、資本効率の改善に向け株主還元
を強化すると明言しました。

株価への短期的なインパクトがある大規模な自社株買いへの期待は否応なしなく高まってい
ます。低PBR銘柄でも極端に本業が不振な銘柄や直ぐに現金化できない資産を抱えている銘
柄は投資対象からやはり避けられるようです。もっとも低PBR銘柄物色は相場の手詰まりを
表しているようです。テーマ株買いや業績相場での上昇が目先期待できないということのよう
です。

次回の更新は14日を予定しています。
コメント
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