『素数ゼミの秘密に迫る』

2010-07-24 15:30:54 | 本の話
今風の本の作り方です。
内容はそこそこ難しい処もありますが
写真も図版も絵本なみに大きく多く、カラフルで楽しい。
分かり易い本づくりを、という姿勢がよく分かります。
(残念ながら校正ミスがあるけれど)

吉村仁著『素数ゼミの秘密に迫る!』
ソフトバンククリエイティブのサイエンス・アイ新書です。

従来の新書といえば活字ばかり、図版も少なくかつ
分かりづらい。
一般読者向けと言いながらテクニカルタームの羅列には
文章の工夫が要るのでは?と思いますね。

この本は違います。
中学生でも手に取りたくなるような仕上りに見えます。

これからの本はきっとこう変わってゆくのでしょう。
制作する方はタイヘンでしょうね。

電子書籍になれば更に分かりやすい本づくりが可能。

自由に写真や図版を参照し、音も聞け、3Dにもでき
脚注なども読者のレベルで引っ張れる
そんな時代がそこまできているんですね。

大人も子供もそれなりのレベルに合わせて一冊の本を
読めるようになります。(たぶん)

古典も読みやすくなるでしょう。


著者の吉村仁さんは数理生態学。

少し前、ベストセラー『素数ゼミの謎』を出版され
オールカラーの絵本で大人も子供も読め、評判でした。


以下、本から引用します。
誰もが思っていることなのに現実はなかなか良くならない
子供の勉強の仕方についてです。

『日本では、大学受験を中心に記憶重視の入試のため、
子供たちは小さいころからとてもたくさんの暗記を強い
られています。理解をせずに暗記をすると、その暗記し
たことは信心として、つまりその人には真実として記憶
されてしまいます。そうではなく、1+1=?から理解
を積み重ねて、考えていくことが重要です。』

『小学校から習ってきた理科や数学も、覚えるのではなく、自分が
納得する、つまり理解して自分の中で体系化することが重要です。
逆にもっともまずいのが、覚えることなのです。なぜなら覚える
ことは、考えずに信じることになるからです。そこには理解はあ
りません。算数や数学では、1つの原理を理解すると、その原理
はいろんな場面で自由に使えます。ところが、覚えているとそう
はいきません。・・』

とはいえ多くの塾では覚えて対応させようとしています。
タテマエは違っていても本音では、ね。

テストの数字が直ぐに上がらなければ塾を変わられそうで。

かといって、長く行かせて結果が出ないのも悲惨だし。


来年は13年ゼミの羽化する年にあたるそうです。
初夏、アメリカに行って見られますか?

P.S.
昨夜散歩をしていたら近くの山ではまだ多くのセミが鳴き
その中に、もうツクツクホウシの声が聞こえました。

つい先日には、カナカナが聞こえていたのに。


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