『文明崩壊』

2013-06-25 17:30:05 | 本の話
ジャレド・ダイアモンド著『文明崩壊』
草思社文庫

上下で合わせて千頁を越える分厚さです。

しかも活字がびっしり、1頁に段落がひとつあるかなしか
ですから「読みごたえ」は十分すぎるほどですね。

買って暫くは手をつける気にならなかったのですが
読み始めると、さすがジャレド・ダイアモンド
読み飛ばせないほど内容が濃く、面白い。

とはいえ、まだ(上)の半分しか読んでいないのですが。

筆者の姿勢が良いですね。
できるだけ偏らないようにとされているようです。

大ヒットの『銃・病原菌・鉄』は面白く分かり易くしようと
沢山の内容をコンパクトに著し、結果、多少ながら
乱暴な印象が残りました。

この『文明崩壊』はじっくりと書き込んでありますね。
第2章「イースターに黄昏が訪れるとき」で約80頁
いままで多少は知っていたつもりのイースター島を
総合して捉えられる気がします。

しかも現代の地球人に繋がる問題として。

引用します。

「イースター島と、総体として見た現代の世界とのあいだには
瞭然たる共通点がある。・・・
イースター島社会は、わたしたちの前途に立ちはだかりかねない
ものの隠喩として、最悪のシナリオとして・・」

ここだけを示せば極端な印象がするかもしれませんが
地球の抱える問題として十分に納得できることが書いてあります。

自分たちを支えてくれているものは何か、自覚が浅いまま
それを壊したとき、ただ一個の孤立した世界は
崩壊に向かうしかないのですね。

地球温暖化であるとか、ないとか
CO2が原因だとか、違うとか
異常気象だとか、いや気候変動の範囲内だとか
・・研究は大切ですが、答えが出るまで何もせず
結論がでたときに手遅れになっていたらどうします?

ごちゃごちゃ言わずに出来るだけの事をする必要があります。
しかもサステイナブルに=持続可能なように。

ニーズから考えるのではなく、リスクから発想すべき時代です。

電気が要るから原発、というより
万一、事故になったらを重要視すべきでしょう。

勝ち組は現状を変えたがりません。
原発被害のリスクが小さい地点に立っていられるから。

日本は、文明の崩壊に向かったイースターと似てないか?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿