山田洋次が選ぶ100選は清水宏監督の
『風の中の子供』でした。
坪田譲治の原作を戦前に映画化しています。
多分、原作が発表されて間もないころでしょう。
今では有名な原作ですが当時はどうだったのかなあ?
それほどでもないとすると清水宏の批評目も鋭い。
坪田譲治の世界をとても上手く映画化している作品
ですね。ストーリーだけを追うわけではありません。
映画でしかできない表現で原作の世界を再構成するのは
相当な才能が必要でしょう。
叱られるかもしれませんが、もし清水監督が早世して
いたら、早くに有名になっていたでしょう。
○
小津とはほぼ同い年ということですが、年齢が近い監督
としては外国にヒッチコックやジャン・ルノワールがいます。
今回久しぶりに清水の『風の中・・』を見た印象は
ジャン・ルノワールのビビッドな世界に似てるなあ。
(私はルノワール大好き!)
『風の中』が1937年の映画で、ヒッチコックは渡米する前。
彼は『バルカン超特急』を38年に撮っています。
ルノワール(=あの印象派のルノワールの息子)は
36年に『ピクニック』39年『ゲームの規則』ですから
清水も同時期、それらに負けない作品を作っていたのですね。
国内でいえば小津が37年『淑女は何を忘れたか』
これは残念ながら数段映画の出来が落ちます。
この年は山中貞雄の『人情紙風船』が有名です。
○
昔の映画ですから制約が多い中、いかにして「らしい」
シャシンを撮るかは大きな課題です。
清水監督はロケや移動撮影を自在に駆使して
伸びやかな日本を見せてくれます。
昔はこんなに美しい日本もあったのです!
盛り上がる場面でカメラが前方に移動する、まるで
ヒチコックのような撮り方をしていたり
スラップスティックのようなカットをしたり
自在ですが決して外国カブレでないところがgood
中でもサーカスの場面。
見世物小屋としての入り口の空気=イッパツで伝わります。
猥雑で魅力的で美しく、かつ悲しさもある
そんな世界をワンカットで見せるなんぞ
・・もう息ができないほどでしたね。
○
いや、書くことがたくさんありそうですが
今日も忙しいので、また、ね。
PS
トラックバックをしていただいちゃった。
ラベル、結構良い出来ですね。
それにしても凄いブログ
近ごろ珍しく感心しちゃった。
『風の中の子供』でした。
坪田譲治の原作を戦前に映画化しています。
多分、原作が発表されて間もないころでしょう。
今では有名な原作ですが当時はどうだったのかなあ?
それほどでもないとすると清水宏の批評目も鋭い。
坪田譲治の世界をとても上手く映画化している作品
ですね。ストーリーだけを追うわけではありません。
映画でしかできない表現で原作の世界を再構成するのは
相当な才能が必要でしょう。
叱られるかもしれませんが、もし清水監督が早世して
いたら、早くに有名になっていたでしょう。
○
小津とはほぼ同い年ということですが、年齢が近い監督
としては外国にヒッチコックやジャン・ルノワールがいます。
今回久しぶりに清水の『風の中・・』を見た印象は
ジャン・ルノワールのビビッドな世界に似てるなあ。
(私はルノワール大好き!)
『風の中』が1937年の映画で、ヒッチコックは渡米する前。
彼は『バルカン超特急』を38年に撮っています。
ルノワール(=あの印象派のルノワールの息子)は
36年に『ピクニック』39年『ゲームの規則』ですから
清水も同時期、それらに負けない作品を作っていたのですね。
国内でいえば小津が37年『淑女は何を忘れたか』
これは残念ながら数段映画の出来が落ちます。
この年は山中貞雄の『人情紙風船』が有名です。
○
昔の映画ですから制約が多い中、いかにして「らしい」
シャシンを撮るかは大きな課題です。
清水監督はロケや移動撮影を自在に駆使して
伸びやかな日本を見せてくれます。
昔はこんなに美しい日本もあったのです!
盛り上がる場面でカメラが前方に移動する、まるで
ヒチコックのような撮り方をしていたり
スラップスティックのようなカットをしたり
自在ですが決して外国カブレでないところがgood
中でもサーカスの場面。
見世物小屋としての入り口の空気=イッパツで伝わります。
猥雑で魅力的で美しく、かつ悲しさもある
そんな世界をワンカットで見せるなんぞ
・・もう息ができないほどでしたね。
○
いや、書くことがたくさんありそうですが
今日も忙しいので、また、ね。
PS
トラックバックをしていただいちゃった。
ラベル、結構良い出来ですね。
それにしても凄いブログ
近ごろ珍しく感心しちゃった。