01逢いたや2015秋(1)

2015-12-01 | 海外蒸機
水沼先生の01逢いたや2015秋『最終章』をお送りします。
   ドイツへ行かれたのは水沼先生で、写真も勿論全て水沼先生です。



1.オーバーヴェーゼル:

2015年も秋になった。
ドイツに留学中の松岡秀樹君からメールあり、10月3日のドイツ統一記念日にバイエルン鉄道博物館の01が走るという。 今年久々に復活した 01 066 と 01 180 の2台らしい。

01 066 は東ドイツの原形機関車で4年前ドイツのTV番組“アイゼンバーンロマンティック”主催のツアーで会った機関車だ。 01 180 は西ドイツ型の機関車でスイスの富豪の個人コレクションとして、どこか奥に保存されていたが2012年にネルトリンゲン鉄道博物館で動態に向けて修理が始まった。 予算のせいかなかなか修理は進まなかった。 博物館の機関士デトレフ メゴウさんが来年は動くと毎年のたもうたが4年目の今年の春についに復活した。 2015年の春のドレスデン蒸気機関車祭“01祭”に2台とも参加したのだった。 しかしこの2台は期間中機関区から一歩も出なかった。 大活躍する 01 118 や 01 1066 を尻目にターンテーブルで回るばかりだった。

しかし今回はこの2台が主役だ。
現在勤務する病院の退職が2週間前に決まり、最後の学会がウィーンで開かれた。 帰りはフランクフルトで飛行機を降り‘鉄’をすることにした。 しかしフランクフルト近辺で2日間‘鉄’をするも全くやる気がしない。 定年とはこういうものか、仕事ばかりか‘鉄’分も失せる。

秋晴の続くライン川河畔をInter Cityに乗り食堂車でビールを飲む。 コブレンツで降り、再び各駅停車でオーバーヴェーゼルへ向かう。 古い塔の前を次々と列車が現れる。









しかし1時間も過ぎると飽きてしまった。
帰りのフランクフルト行き列車は1時間以上待つ。 うんざりしながら時の経つのを待つ。 いっそ早く日本へ帰ろうと思いホテルの予約サイト“Booking com”を見るとキャンセル不可になっている。 何と前日から100%チャージだ。 大した額ではないがキャンセルはもったいない。 やはり最後は01に会ってからにしよう。 仕方なく木曜日は予定どうりネルトリンゲンの駅前のホテル“アム リンク”に泊まることに決してフランクフルト空港でレンタカーを借りることにした。 今回はコンパクトカーで節約と思ったが、フォードをみるといかにもつまらない。 いつもの様にポルシェにするか? しかし週末は松岡君ともう一人の日本人が合流する。 カメラや三脚等の重装備が入らない。 仕方無くベンツを借りる。 現れた車はCクラスのワゴンだ。

工事で大渋滞する中いつものようにアウトバーン3号線から7号線へ移る。 そしてバイエルンの広大な日没を見ながらネルトリンゲンへ向かった。

ベンツCクラスはスピードが出ない。150km/hからの加速がとんでもなく遅い。 シートが911のようにバケットシートになっていないからカーブ毎に体が揺れる。 おまけに180km/hで追い越し車線にいるとバックミラーにBMWやらアウディやら、新型のポルシェ911があっというまに追いついてきてミラー一杯に写る。 その度に、あわてて走行車線に移る。 結局、平均時速は150kmくらいでポルシェのより1.5倍の時間を掛けてネルトリンゲンに着いた。


DSGの旧型食堂車


01 180


01 066


01 066




S3/6は去年と同じ位置に留まっています。


01 180


01 180


01 066


高性能ボイラーに載せ替えられ、エプロンも撤去されたゼロイチ 01 180 はウィッテデフも似合って精悍で格好良いと思います。 ただし現役時代は下回りが赤いかどうかも分らない程汚れた状態で使われていましたので精悍という言葉は掛けて貰えませんでした。


ネルトリンゲン駅


ホテル“アム リンク”

宿泊のホテル“アム リンク”は去年井門さん、林先生らと楽しく過ごしたが今回は一人だ。 食堂で夕飯を黙々と済ます。 それでもビールで良い加減になってふらふらと駅へ向かう。 機関区に煙は上がっている。 01だ!

罐に火が入り運転室では誰かが夢中で作業している。 急に明日が楽しみになった。