長い道のりを歩いてきた。
今のところ、まだ歩くつもりではいるが、明瞭な道のりは知らされていなかった。だから、 単に惰性で歩いているような一面はあった。
そうだ、そうだ、間もなく誕生日が巡って来る。
誕生日だと言ったところで、特別な感慨も感激もない。が、よくもまあ、飽きずに歩いてきたものだ。
待てよ、ひょっとしたら、一人でとぼとぼ歩くところに、この道のりの価値があるのかもしれないな。
俄然、ファイトが湧いてきた。
猫じゃらし八十路なかばの道ひとり ひよどり 一平
(ねこじゃらしやそじなかばのみちひとり)