幾つかの大病を経験しながら運良く生き延びて来て、八十余歳。
人は、「これほど大病をしたのだから、もうそろそろあの世へ行ったらどうかい」と思うかもしれない。
しかし当の本人は、それほど諦めがいいわけでもない。
せっかく生まれて来たのだから、神様や仏様が邪魔だとおっしゃるまで、もう少し頑張ってみようと思っている。
「自動車は年寄りマークを付けて走れ」とか、「塩分は一日6グラムが限度」とか言われて窮屈だが、その程度のことなら我慢しよう。
それにしても私は素直でない。早く寝ろと言われれば言われるほど、頑張ってしまうのだから困ったものだ。
頑張る理由なんてない。意地を張って命をを落とす気かい?
こんなでは、白薔薇の白に食い殺されるかも。
明日からは早く寝よう。
白薔薇のひとを殺めむ白さかな ひよどり 一平