2010年9月7日、尖閣諸島付近をパトロールしていた海上保安庁の巡視艇「みずき」が、日本領海内で違法操業をしていた中国漁船を発見し、日本領海内から退去するように命じた。
ところが不当にも、日本の巡視艇2隻に衝突を繰り返し、逃げようとした。
だから海上保安庁は、同漁船の船長を「公務執行妨害」で逮捕し、石垣島へ連行して取り調べを開始した。尖閣事件の発端である。
日本の領海内で起きた「公務執行妨害」だから、これは当然のことであった。
「これでこそ法治国家だ」と、私は海上保安庁の措置に同感できた。
にもかかわらず、中国国内で「フジタ」の社員4人が身柄を拘束されたら、日本側の対応に大きなブレが出た。
拘束していた船長を、処分保留のまま釈放してしまった。
「あーあ、やっぱり日本はダメだなァ」
あらためて、日本政府の腰の弱さを知らされた。
「現場の映像を公開すべし」
国会において、そのような論議が繰り返された。その結果、3時間に及ぶ映像の中から抜粋して、数分ものに編集した映像が、「予算委員会理事」にのみ見せた。
菅総理は何を怖れたのだろうか。仙谷官房長官は何を考えたのだろうか。
あの段階でいち早く映像を世界に公開していれば、余分なことを言われずに済んだはず。いや仮に言われたとしても、国民は政府の対応に納得したはずだ。
日本政府の弱腰を見越して、中国政府は言いたい放題だった。
そこへ降って湧いたような形で、44分余の映像が、YouTubeから公開された。
政府の目は、「流出させたのは誰だ?」という犯人(?)探しに移った。国民の視線をも作為的に、そちらへ向けた。
あの段階で問題だったのは、「誰が流出させたか」ではなく、「なぜ公開しなかったか」だったのだ。
すったもんだの結果、柳田法務大臣が辞任し、仙谷官房長官と馬淵国土交通大臣の問責決議が、参院で可決された。
日本を取り巻く国際情勢の中では、「東シナ海においては、領土問題は存在しない」なんぞと、他人事のような言葉ではダメなのだ。
「尖閣諸島は、従来から日本固有の領土である」。そのように言うべきだ。
今回の尖閣諸島事件は、あらためて日本人に重大な問題を突きつけた。
「國を守る」ため、日本人は何をなすべきなのか。
「領土問題はない」などとお題目を唱えるのではなく、あの土地に日本人が住んでいなければ、北方領土と同じになってしまう。
民間人ではいきなり生活が成り立たないだろうから、いっそ自衛隊の駐屯基地を置いたらどうか。私は真剣に提案したい。
実効支配をしていなければ、いつの間にか、中国人が住んでしまいます。
こんなことは、実は政府も知っている。しかし、中国が怖くてできないのですね。
何が怖いのか、私には分かりません。
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