新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

15年後のSちゃんへ(その8)

2010年03月03日 07時23分00秒 | 身辺雑記

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 今日は平成22年3月3日の雛祭りです。

 15年後のSちゃん、今年のお雛様は、あなたが一人で飾り付けをしたのですか。

 それとも、お父さんと一緒に飾ったのでしょうか。

 例年は、お父さんとお祖母ちゃんが飾っていたのですが、今年は、私たちが手伝わなくとも、すでに出来上がっておりました。

 お祖母ちゃんが腰痛だったので、お父さんが一人で飾ったのでしょうね。

 あなたのお母さんは、初節句の数ヶ月後、病気で亡くなってしまいました。

 だからあなたには、お母さんと一緒の雛祭りが、記憶にないと思います。

 残っている写真では、お父さんとSちゃんの二人が写っています。

 あなたはどの写真でも、ニコニコと「V]サインをしてくれていました。

 もうあなたは20歳。どのようにして写真に写っていますか。

 私が元気なら、当然私はカメラマン。

 90歳を越えたカメラマンなので、きっと頼りなくなっているかもしれません。手が震えて、「手ブレ補正」では間に合わないと思います。

 去年の雛祭りに、私は俳句を詠みました。

    今宵こそ誰(た)ぞであれかし雛の客

「お雛祭の宵であればこそ、幻でいいから、お母さんに来て欲しい」

 そんなつもりの俳句でした。

 今年も詠もうと思ったのです。ところが、一句も詠めませんでした。

 雛祭りの句は、当分の間、私には作れません。

 15年後のSちゃん。この句が、15年前に詠んだ私の俳句です。

 来年になれば、新しい俳句ができるかもしれませんが、今年は、去年詠んだ句を残します。

    今宵こそ誰ぞであれかし雛の客   鵯 一平

       (こよひこそたぞであれかしひなのきゃく)

 15年後、「お祖父ちゃん、どうしてこんな俳句を作ったの?」と、あなたと笑い合えることができるでしょうか。

 今日は15年前の雛祭りでした。

 Sちゃん、15年後のSちゃん。

 思うところがあって、春のお彼岸を最後に、あなたへの手紙は終わりにします。

 その後は、別な形で何かを残します。

 別館として、写真俳句ブログの「ひよどり草紙」を開いてます。

 ご覧いただけると嬉しいです。

   → こちら

 

コメント (18)
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