新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

15年後のSちゃんへ その5

2009年08月16日 11時51分28秒 | 身辺雑記

 わが家では、今朝早く送り火を焚きました。

 送りの白い烟に乗って、Sちゃんのお母さんが、「遠いお空」へ戻って行きました。

 おじいちゃんとお父さんが手を合わせていたころ、Sちゃんはまだ寝床の中。

 Sちゃん、あなたは、「お母さん、遠いお空にいるの」、と思っています。お父さんからそのように聞いているからですね。

 ご本を読んだり、遊んだりしているとき、「これはね、クマさんのお母さんなの」とか、「これはメダカのお母さんよ」と、よく言っています。

 今のあなたには、子供がいてお父さんがいてお母さんがいることを、十分に理解しているようです。

 また、お友達のお母さんの存在も知っています。

 そんなあなたは、自分のお母さんが遠いお空にいることを、どのように思っているのでしょうか。

 いつごろになったら、本当のことを知るのでしょうか。

 今回、あなたがわが家へ来たのは8月8日の午前中でした。私とおばあちゃんが迎えに行ったのです。

 それからのあなたは、わが家の小さな女王様。

 おじいちゃんにとっても極楽でした。

 だから、「あーあ、極楽、極楽」と言っていたのです。

 お食事もお散歩も、入浴もトイレも、みんなおじいちゃんの役目。

 勝手気ままに振る舞うあなたなので、そりゃあ大変だった。

「我が儘にしてはいけない」とは思いながら、お母さんがいないSちゃんを思うと、私には叱ることはできません。叱るのはお父さんの役目と決めていました。

 今日16日は、あなた達の帰る日。

 さっきあなたは、お父さんと一緒に、タクシーで帰って行きました。

 窓からこちらを見ていたSちゃん、にこにこ笑って手を振ってくれた。正直のところホッとしましたよ。

 この前までは、別れ際が淋しそうだったので、私もおばあちゃんも、とても辛かった。

 今日、Sちゃんが笑ってくれても、私はやはり涙がこぼれそう。やっぱり、別れるのは辛いんだよねえ。

 おばあちゃんも同じでした。目には涙がいっぱい。

 来週はまた会えるのに、ダメなおじいちゃんとおばあちゃんなのです。

 Sちゃん宛のこの手紙を書きながらも、涙がにじんでしまうのだから、年寄りは変だねえ。

 15年後にこの手紙を読んでいるSちゃん、あなたのそんな15年前を思い出せましたか。

 夕べのSちゃんとの花火で、私の夏は終わりました。

 もう今日からは、どんなに暑くとも、私にとっては秋です。

 この手紙を読んでいるSちゃん、これが15年前8月16日のあなたでした。

 15年後の今、私はどんな姿でいるでしょうか。

 送り火の烟に乗って、空へ戻っているのでしょうか。

 別館として、写真俳句ブログ「いのちの囁き」を開いております。

 ご覧いただけると嬉しいです。

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コメント (14)
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